今から6年ぐらい前に発行された「方言学入門」。その昔は言語学を専門していましたので日本語の方言に関しても多少勉強しました。よく言われていたんですが、「日本語の方言は外国語並みに差がある」とのこと。確かにテレビなんかでもテロップと解説が無いと分からない時がありますからね。
記事の内容としては、各地の方言で「いい加減にしろ、殴るぞ」を言った場合にどのようになるかとのこと。これだけ見ても、ある程度地域でまとまっているように見えますが、ちょっとずつ差違がありますね。使うことはないでしょうが、こう言う「キレイでない表現」は知っていて損はないと思います。自分の身を守ることにも繋がりますからね。
私は関西人なんですが、まず、「いい加減にしろ」の「えーかげんにさらせ」はフィクションの世界以外では聞いたことありません。「殴るぞ」に該当する「いわすぞ/いてまうぞ」もリアルではあんまし聞かないかな? まぁ、大阪弁と言っても摂津弁、河内弁、泉州弁と別れているので、少なくとも摂津弁の範囲ではほとんど聞きませんね。河内や泉州ではあるかもしれませんが。もっとも、このような表現を日常で使う/耳にすること自体が滅多にありませんが。
恐らく、この書籍は昔ながらの方言を集めたモノだと思います。なので、記事を読んだ方にも「こんなの使わない」と思われる方が多数おられると思います。言語のボーダーレス化が進んでいるので、方言自体が消えていくことは十二分に考えられますね。ただ、残るものと言えばアクセントと語尾ですかね。これは中々消えません。