映画館で映画を観て来ました。
杉井ギサブロー監督、『グスコーブドリの伝記』
原作はもちろん、宮澤賢治。
ますむら・ひろしさんの描く猫のキャラクターを登場人物に起用し、前作『銀河鉄道の夜』(1985年)と同じスタッフが集結して創り上げた宮澤賢治の世界!
宮澤賢治大好きなので、もう語りたいことはたくさんあるのですが、私が今回の映画で一番歓声を上げたかったシーンは(上げていませんよ、他のお客さんがいるので)、この文字がスクリーンに映し出された時です!
監修 天沢退二郎
あ、天沢先生~!!
宮澤賢治研究の第一人者であり、『光車よ回れ』などの小説も書かれている多才な方。
もうこの方が監修されていたら間違いなしって、その時点でわかりました♪
ともかく、美術がキレイ!
美しい!!
ちょっと見た事のない表現です。
黄金に輝く稲穂なんて、きっとCG処理しているのでしょうが、まさに気の遠くなるような時間と手間をかけています。
スタッフ頑張ってるなぁ~
主人公、グスコーブドリの声を演じたのは、俳優の小栗旬くん。
その他にも、柄本明さんなど、豪華な顔ぶれ。
筋立てはよく知られた物語なだけに、ちょっと脚色してありましたが、よく原作のイメージを壊さずに表現していました。
ネリ(主人公の妹)との再会シーンは入れて欲しかったかな。
あとラストもちょっと。
一番気になったのは音楽。『銀河鉄道の夜』で音楽を担当した細野晴臣さんと比べるのは酷だけれど、やっぱり見劣りするのは否めない。
宮澤賢治の有名な詩「雨ニモ負ケズ」が劇中で朗読されるのですが、そこもちょっとあざとい感じ。
でもそこは微妙なところで、うまく宮澤賢治の世界観を表現しているともいえるかも知れません。
あと一回どこかで朗読させたら完全にアウトでしたね。
独自性が無くなっちゃう。
ともかく、冒頭の幸せそうな家族四人のシーンが丁寧に描かれていただけに、その後の展開がけっこう重い。
気を抜いたら涙がこぼれそうで困りました。
原作を知っているくせに、もう辛くて辛くて。
時に現実と幻想が交じり合い、アニメならではの表現をもちいて描かれた美しいイーハトーブの景色。
大きなスクリーンで観ることができたので、自分がその世界に入り込んだかのような錯覚を覚えました。
映画館で観れて本当に良かったです☆
生きること、自分の命の使い方について、深く考えさせられる映画でした。
あぁ、楽しかった♪