イザベル・コヘット監督、脚本の映画、『死ぬまでにしたい10のこと』を観ました。原作はナンシー・キンケイド。
う~ん、ちょっと期待していたのと違う映画でした。
23才の女性が、癌であることがわかり、誰にもそのことを告げずに、残された命で何をするべきかをノートに書き出していきます。17才で初めてキスした男性の子供を産み、それからは二人の娘の育児に追われる毎日で、買いたいものも買えず、実家の庭でトレーラーハウスで暮らす生活。でももちろん夫も子供たちも愛していて、世間に背を向けた母親も、ずっと刑務所暮らしの父親のことも心の底では愛している。
自分の人生を振り返り、アンが書き出した死ぬまでにしたい10のこと…
「ヘアスタイルと爪を変える」…(笑) なんかこういうのは好きです。わかるわかる、という感じ☆ 「娘たちに毎日『愛してる』と言う」 これもすごくわかる。残された時間に、めいいっぱいの愛情を送りたいという気持ち♪ こういうシーンは見ていても「いいなぁ」と思わせてくれます。でも…「夫以外の人と付き合ってみる」 「誰かを夢中にさせる」 って、う~ん、これはどうなんだろう? 実際に、子供たちに愛情を注ぎ、夫を気遣いながらも、町で知り合った男性と付き合いはじめるアン。こっちはやっぱり旦那さんに感情移入して観てしまうから、このあたりはちょっと複雑な気持ち。だいたい選んだ相手が全然いい男じゃない! いいのかそれで? という感じ。他の 「思っていることを話す」 とかはすごく共感できます♪ あと、 「子供たちが18才になるまで毎年送る誕生日メッセージを録音する」 っていう場面では、さすがに感動して、 「子供たちの気に入る新しいママをさがす」 って場面では、すごくせつなくなりました。そして最後はやっぱり…誰にも告げず、一人心の中に真実をしまい込むことが、自分にできる最後のやさしさ。多分、母親は許してくれないだろう。娘たちは立ち直れるだろうか、夫にも幸せになって欲しい…
映画のメッセージ自体は好きなのですが、展開がどうも、あの新しい恋人はいらないぞ! というのが正直な感想です。あと余命わずかというお話なら、やっぱりモンゴメリの「青い城」の方が好きだな。あっちはハッピーエンドだし。人間はいつかは死ぬ。そんな当たり前のことを気付かせてくれたという点ではいい映画でした。でも、やっぱり、あの恋人とのシーンはなんとかならなかったのかなぁ…