サクラが咲いて,ミツマタが満開をやや過ぎる頃,畑は草がどっと伸びかけます。畑を耕す前に手作業をするのは苦労。ひと汗もふた汗も流して,そこに植える野菜を思いながら除草を続けます。これが山里の春。
道端にはセイヨウタンポポが侵入。さすがの強さです。
茅葺は日本のむらの原風景です。近代化のあおりで失われたことをどう思っているのか,見に訪れる人が絶えません。 それもめずらしそうに語る声が伝わってきます。
むらの少年が二人,なかよく自転車遊びをしながら通り過ぎました。小さな子の声や姿はむらに活気を与えます。
葺き終わって集められた古い茅。近づくと,ぷうんと歴史を感じさせる匂いがしてきました。茅葺屋根は歴史的景観として保存するために今も特別な配慮がなされています。
住み心地はどうかわかりませんが,ふつう考えれば,不便なことの方が多いでしょう。まちから遠く離れた地で,むらを守りながら暮らすのは何事もたいへん。しかし土と空気と水,それに大自然は上等で,たっぷり準備されています。ヒメオドリコソウだって目を和ませてくれます。
ヒトが失った,自然と共にある暮らしがここには確かにあるのです。