
「憎まれっ子」とは、皆から嫌われる生意気な人のこと。
「はばかる」とは、幅をきかす。のさばること。
と広辞苑に出ていました。
老犬の墓石を探してきました。
亡き妻の墓石はまだです。
皆から愛される一人と一匹が先立ちました。
順番から言って、次は私です。
憎まれっ子なので、順番を外すかもしれませんね。
冒頭の絵は、玉ねぎのちび坊主です。
株分けしたときは、土の上に横たわりもう駄目かと思いました。
水を吸い、栄養をとり、いつの日か立ち上がっていました。
それに、古い小さな葉は枯れて、次なる若葉が出ていました。
生命力を感じました。
こちらは、憎まれっ子ではありません。
藤沢周平の小説、暗殺の年輪(文春文庫)の中にある「ただ一撃」という短編小説に
刈谷範兵衛という年寄りが出てきます。いつもは、洟を垂らす爺さまです。
嫁三緒に懐紙で拭いてもらうのです。
藩では、士官に来た武士に手合わせした藩内でも屈指の若い侍がことごとく敗れてしまいました。
ある日、範兵衛の昔を知る家老の依頼で訪ねて来た武士に、試合に出てくれと頼まれるのです。
爺様の自信に気づくのは、嫁だけです。
洟たれ範兵衛は、夜陰疾駆する天狗となり、その試合に「ただ一撃」で勝つのです。
藤沢周平作品を読み続けるきっかけになりました。
憎まれっ子をやっつけるヒーローのような小説でした。
世間にいる役に立ちそうもない、爺様の眼光に時々驚くことがあります。
差し違いも辞さないという迫力です。
憎まれっ子世にはばかる。
まだまだ、長生きしたいと思います。
娘たち、息子たちいかがでしょう。
椿花 ぽとりと落ちる 人知れず
2015年12月17日