地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

カミーノにあしあと 7

2010年09月10日 | Weblog
【7日目】7/2(金) Estella → Los Arcos
7:00 出発。
今日は曇りがちで昨日より涼しい。

本日の注目は、Estellaを出発して1時間弱で到着するIracheという場所。
ここにはFuente del Vino、ワインの泉がある。




右の蛇口からは水、左の蛇口からは赤ワインが出てくる。
このためだけにわざわざ持参したカップでワインを頂く。




朝なのでほどほどにね




ペットボトルやカップを持っていないからとあきらめて素通りする人もいたが、大抵の人はこの泉の存在を事前に知っていて楽しみにしているので、準備万端。
次々とワインの泉を訪れる。
水筒にたんまりとワインを汲んでいくサイクリストの姿もあった。







本日はなかなか朝食にありつけず、10:30頃ようやくバルでオムレツ、ジュース、コーヒーを。
オレンジジュースは毎日飲むようにしている。
瓶入りのものが出される時もあれば、その場でフレッシュオレンジを絞って出してくれるところもある。
“Zumo de naranja, por favor.”と注文すると、”Natural?”と聞かれることがあるので、すかさず「ナチュラルで!」と言うと生搾りにありつける。

ここで30分以上ゆっくりと休憩し、そろそろ出発しようかと準備していると、見覚えのある女性がバルに入ってきて挨拶した。
誰だっけ?

すると相手が「Bayonneで会ったわよね?」と。
ああ!そうでした!
Bayonneのバス停でリエさんに一生懸命話しかけていたアメリカ人ですね。
すごい、よく私の顔見て判別つきましたね

再会を喜び、今後の健闘を祈り合い、別れる。



今日もまた、ワイン畑を通り抜けていく。





朝は涼しかったけど、だんだん気温が上がり過酷になってくる
木陰はめったにないので、たまに見つけたら他の巡礼者が休んでいて、お互い譲り合ったりする。



途中休憩のバルで、昨夜夕食を一緒にしたポーランド人グループと会う。
が、なぜだかマリアの様子がおかしい。
アナマリアによると、義理の姉妹が亡くなったとの知らせが入ったとのこと。
すぐに帰国しなくていいのだろうか?
カミーノを歩いていると、色々なことがある。
周りの人間にはどうすることもできず、そっと見守る。



今日も陽気なイタリア人グループと出くわす。
彼らがさくらんぼの木を見つけてくれたので、熟した実を見つけては食べる。
いい実はすでに鳥に食べられていたりするため、ある意味鳥と人間との競争でもある。
鳥が見落とした奥の方の熟した実を探す。
甘くて、水分があって、とてもおいしい


巡礼者の中にはとても若い人たちもいる。
ドイツ人のグナーは18歳。
今日出会ったイタリア人のジェイコブは19歳。

ジェイコブは痛々しいほど肩を日焼けしており、さらに足も負傷している。
びっこを引きながら杖にすがるようにして一歩一歩進んでいる。
そんな状態にも関わらず、7月25日の聖ヤコブの日にSantiagoに到着したいからと、毎日かなりの距離を歩いているそうだ。
ジェイコブに「次の町まであとどのくらい?」と聞かれ、「あとまだ10km以上は…」と答えるのがつらかった。



午後になり、今日の目的地のLos Arcosに近くなったところでスィナ、グナー、私の3人で草むらに座って休憩していたところ、空の雲行きが怪しくなってきた。
ほどなく雷が鳴り出し、雨が。

Los Arcosまであともうちょっとなのに~、と思いつつ急いで雨具を着る。
グナーはなかなか雨具が見つけられない様子だったので、「ドイツ人は全員整理整頓ができると思っていたよ」とツッコミを入れてあげる。

風も出てきて、歩きにくい中、一刻も早くLos Arcosへ到着したくて先を急ぐ。


グナーと話していると、ふとしたことから、彼はスペインでキャッシュカードがなぜか使えなかったため、現金が引き出せず金欠で困っていることが判明。
そういえばPuente la ReinaでATMを使っている姿を目撃したけど、実はあの時お金が引き出せなかったのね。
両親に連絡して急きょ銀行経由で送金してもらうことにしたそうだけど、数日かかる模様。

身長2メートル以上の巨体で、しかも18歳と若い食べ盛りなのに、金欠のためほとんど食事を取っていないと!
あんた早くそれを言いなさいよ

あわててスィナと私の手持ちのスナックをあげる。
よくこの猛暑の中、水とわずかな食事だけで歩いてこれたもんだ。



雨が小降りになった15:30頃、Los Arcosへ到着。
最初に出てきた私営のアルベルゲへ。
オーストリア人運営で、なぜか日本語もちらほら見られることから、結構日本人巡礼者が泊るのかな?





宿泊代金8ユーロ。プラス、朝食3ユーロ。
チェックイン手続きをしていると、アナマリアとマリアもやってきた。
マリアは途中で転んだらしく、腕や膝を摺りむいていた。
ショックなことがあったばかりなのに、かわいそう。


このアルベルゲにはパソコンがあり、充電用コンセントもたくさんあったので、携帯電話の充電をしながらメール。
書棚には巡礼者が置いて行ったであろう日本語の本もちらほらあったけど、大したものはなかった。

中庭の屋根の下に洗濯物を干す。
昔ながらの手動の洗濯物絞り機(2本のローラーで洗濯物を挟み、ハンドルを回して絞る)で洗濯物を絞って少しでも乾かしやすくする。

寝室には2段ベッドが6~7台あり、小学生ぐらいの子どもを連れた巡礼者も。
あとでジェイコブもやってきたし、昨日は見失っていたドイツ人女子2人もやってきたので、意外と顔見知りの多い宿となった。

アルベルゲ内の注意書きは、スペイン語、フランス語、ドイツ語、そしてなぜか日本語もあり、その日本語が語順めちゃくちゃ…。
翻訳ソフトとかで翻訳しちゃったのかなあ。
「閉してください。ドアを」みたいな感じ。
意味は分かるんだけど。。。

雨で手持ちの服が濡れ、スィナが「今日は裸で寝ようかしら」と言いだしたので、「あんたの隣には18歳の前途ある若者(=グナー)が寝るんだから、ちゃんとしなさいよ」と説教しておいた。

余談だけど、ドイツ人の女の子が顔を洗ったあと自分が着ているTシャツで顔を拭いていた。
他にもそのような西洋人の行為を何度か目撃。
タオルとか使う気ないんや…

スィナはスィナで、歯磨きの後うがいをするとき、両手で水を受けるとかいうことをしないで、直接口を蛇口へ持っていく。
それ、結構やりにくいと思うし、シンクが小さい時や汚い時だってあるし、顔をそっちへ持っていかなくても両手で水を受ければいいのに…と何度思ったことか



さて、買い物と食事を兼ねて町を散策。
小さな町にしてはえらく立派な教会があった。




誰かに聞いた話では、この町は昔2つの国の境にありどちらからも徴税を免れていたため、お金があったとか。
内装もかなりゴージャスだった


が、中に入ってみると、何やらいつもと様子が違う。
あ、お葬式だわ

あわてて教会から外へ出た。



近くのお店でオレンジとドライフルーツを購入し、夕食へ。
今日は小さなホテルで11.5ユーロの巡礼者メニュー。

Primero Platoにスープ、Segundo Platoに焼いたサーモン、Postre(デザート)にArroz con leche (お米のプリン)。

スープは1人前なのにこんなに大きな壺に入って出てくる。
もちろん満タンではないけれど。




スィナ曰く、Arroz con lecheは田舎くさいデザートらしい。
オランダでは昔良くみかけたけど、最近はすっかり影を潜めているそうだけど、スペインでは健在。
甘いミルクとシナモンの香りがしておいしかったけど、これを食べたのは1回きり。




スィナが注文したアイスは、珍しくちゃんとお皿に盛られていた。
一応ホテルだからか?




明日はNavarra州を出て、Rioja州に突入予定。




本日の歩行距離:約22km
本日の歩数:35,784歩