地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

カミーノにあしあと 9

2010年09月14日 | Weblog
【9日目】7/4(日) Viana → Navarette
7:15、Vianaを出発。
今朝は曇りで涼しいスタート。
でも歩きだすとすぐに疲れが来た


Vianaでバスク地方は終わり。
心地よい森を抜ける
森に入るといつも無数の蝶々が飛んでいて、幻想的でさえある。


5kmほど歩いたところでLa Rioja州に突入。





Logroñoに入る一歩手前のところに、有名な場所がある。
以前、一人の女性がずっと巡礼者へのお接待をしてくれていた小さな家。
その女性が亡くなった後は娘さんが同じように巡礼者へのお接待をしているという。

これがその家。




中にクッキーやコーヒーなどが置かれていて、巡礼者は心ばかりの寄付をする。
クレデンシャルにスタンプも押してもらえる。


家の前にいた犬。



余談だがスペインには受け口で結構顔が不細工な犬が多いことに気付いた。
この犬も若干受け口。顔はかわいいけどね。


スタンプをもらった後、Logroñoまでスィグビョーン&マリア夫妻と一緒に歩く。
ちなみに本日、スィグビョーンはマメか靴ずれで靴を履けないらしく、なんとクロックスのサンダルで歩いていた


ピレネーを越えた後はほとんどの巡礼者がひどい筋肉痛のため、腰を曲げてヨタヨタ歩いており、スィナ曰く「このアルベルゲ、老人ホームみたいね」というぐらいみんなが「アイタタタ…」という感じだった。
しばらくして筋肉痛が収まり、みんなが直立歩行できるようになっても、足のマメを患う人は後を絶たず、色々ひどい話を耳にした

今日はスィグビョーンがマメ患者。
この先ずっとクロックスと言うわけにもいかず、どうするんだろ?
2人はLogroñoで2泊ほどする予定だと言うので、その間に回復してもらいたい。


Logroñoに到着。
まずはSantiago教会に入る。




ここに滞在するスィグビョーン&マリアと別れ、私とスィナはさらに先へ進むため、まずは腹ごしらえ。
人口14万人以上のLogroñoはたくさんバルもあり、都会。

いつものお決まりとなりつつある、オレンジジュースとボカディーヨを。
(生ハム、思いっきりはみ出てますけど…





メキシコ人のダニエルが通りがかったので、コーヒーに招く。
ダニエルはあまりお金を持たずに巡礼しており、各地でオスピタレロとして働く予定だと言う。
スペイン語しか話せないのであまり込み入った話はできないけど、スィナの方が私よりスペイン語が分かるので、色々聞き出していた。
ちなみにダニエルのリュックはめちゃくちゃ重かった。


さあ、腹ごしらえが終わったので先へ進みましょう。




大きな町はいつもそうだけど、カミーノのサインが分かりにくい。
地元の人たちに聞きながら、なんとか町を脱出。
(こちらから尋ねなくても結構向こうから「そっちじゃなくて、あっちだよ」と教えてくれる。)



Logroñoを出るとしばらくは整備された公園の遊歩道を進む。
地元の人たちがジョギングやサイクリングをしている。
平坦な道だけど、延々と続くのでかなり精神的にも負担となる。

Logroño 6kmほど進んだところで、大きな貯水池がある場所へ到着。
スタートは涼しかったけど、やはり午後からは暑いので、休憩したい
ピクニックテーブルがあちこちに置かれているが、ここはなんとしてもバルで冷たい飲み物を


貯水池のそばにバルを発見し、イカのフリッターとコークでエネルギーチャージ。




スィナは昔若いころにイカフリッターを食べた時、「まずい」と思ったのでそれ以来口にしていなかったそうだけど、ここで再び食べてみて「おいしい!」と感激していた。

ここでもウェイターにチップを渡すべきか否かスィナと協議し、一応ちょびっとだけ渡してみたらえらく驚かれた。
そうか、、、どうやらスペインではチップはいらないみたいだな…。
今日こそ誰かに聞いてみよう。


バルを出るとポーランド人御一行様に遭遇。
ほんと、よく会うわ~。
休んでいくのかと聞くと、もうさっき休んだばかりだからこのまま続行するそう。



その後はしばらく上り
ワインの産地なので、ワイン畑の間を進んでいく。

San Juan de Acreという12世紀の救護院跡を過ぎると、15:20頃ようやくNavaretteに到着。
ここは人口2,000人ぐらいの小さな町。(村?)

ずっと上り坂でヘロヘロになっていたので、最初に出てきた公営アルベルゲに飛び込む。
5ユーロ、食事なし。


チェックイン手続きを済ませて部屋に入ると、スィナが自分のベッドを見て驚きおののいた。

スィナの真隣のベッドですやすやと寝ていたのは、スィナが散々「顔が変で嫌い」とか言ってたイタリア人のおじさんだった。
しかもベッド同士はぴったりとくっついており、おじさんはこちらを向いてお休み中だった。

スィナ、絶句。
私、静かに爆笑。

ほらあ、人の悪口言ってるからそんな目に遭うんだよ~。
バチが当たったんだね、きっと。

私のベッドは壁際。
スィナはあきらめきれないらしく、「チェックイン手続きの順番が逆だったら、私がそっちのベッドだったのに…」と。
へへへ。代わってあげないもんね~(←巡礼者なのに相変わらずイジワル)

ようやく決心がついたスィナがベッドに荷物を置き、そしておもむろに「マットレスが汚いから嫌。裏返したい」と言いだした。
「隣でおじさん眠ってるから、今は無理だよ」という私の言葉も聞かず、マットレスを持ちあげて裏返そうとするスィナ。
おいおい、隣のおじさんにマットレスが直撃したらどうするんだよ。
ホコリもたつし、横でバタバタしたら起こしてしまうよ。

しかしスィナはそんなことはお構いなし。
すごい勝手だ…

見かねた私の上のベッドのおじさんが手伝ってくれた。
そしてついでにスィナのベッドを引っ張って、イタリア人のおじさんのベッドとの間を開けてくれた。
ナイスガイ

マットレスも裏返せたし、イタリア人とも少し距離ができて満足なスィナ。
はぁ~、もう知らんわ。


ここのアルベルゲのシャワーは狭く、あまり奇麗ではなかった。
洗濯物も窓の外にしか干せないし、洗い場も特にないからトイレのシンクとか使わないといけないし、イマイチなアルベルゲだったな。


シャワーと洗濯を終え、スィナと一緒にすぐ隣のバルでコーラ休憩。
(一体1日に何杯コーラ飲むんだ?!)

日記を書いていると、これまで何度か会っているフランス人のおじさんがやってきて話をする。
彼はパリ出身で、教会の彫刻だか設計だかをしているそうだ。
スペインのカトリック教会はキンキラキンで派手だけど、フランスではもっとステンドグラスから光を取り入れる手法にしているとか。
以上、オールフランス語だったので話の大枠しかつかめてない。

スペインに入ってから、頭のスイッチがフランス語に切り替わらない
何か聞かれても “Oui”の一言が出てこず、自動的に”Si”とスペイン語で返事をしている自分がいる。
私よりももっとフランス語ができるスィナでさえも同じ悩みを抱えていた。


その後いつものパターンとして、夕食場所を探しがてら町を散策。
小さな町なのであまり夕食場所のオプションはない。
そして日曜日なので食料品店もほとんど閉まっている。
かろうじて開いていた1軒でフルーツとポストカードを買う。


町に1軒だけと思われるホテルで聞いてみると、巡礼者用ディナーは裏手のレストランで19:30からとのこと。


ホテルの横にある自販機コーナーで、巡礼者の顔ハメを発見
A先生、第2弾ですよ~(第3弾もあります)





ディナーまでまだ1時間ぐらい時間があるけど、もう他に見る場所もないし、仕方なくさっき休憩したバルの前にある広場のベンチで休憩。
他の巡礼者も暇を持て余しているらしく、バルで飲み物を注文して時間をつぶしている様子。

ようやく19:30になってレストランへ行ってみると、「ディナーは20:00から」と言われた。
「え~!ホテルのフロントで19:30って言われたよ!」とゴネてみたが、らちあかず。
スペインのこういうとこ嫌いなんだよねえ…
(その後、スペイン人の適当さには何度も泣かされる。)


お腹も空いてるし、不機嫌に2人で食事場所を探していると、またまたポーランドチームにばったり。
彼女らは私営のアルベルゲに泊まっていて、結構奇麗だそうだ。
おや、1人新顔が。

カナダ人のエレナ、どうやらポーランド語が話せるらしく、アナマリア、マルゲリータ、マリア、クリスティーナのポーリッシュグループに入っていた。
エレナは大柄で、性格もさばさばしてて結構すき


みんなで「ディナーが20:00からなんだけど、どうする~?そこまで待てないよね~」と言いつつ町内をウロウロしてみるが、どこも同じ状況。
その間、マリアとクリスティーナが林家ペー&パー子夫妻よろしく、写真を撮りまくっている
とあるバルではクマの剥製の前でマリアが「ガオー!」とポーズを取り、クリスティーナがその姿をパチリ、みたいな。
二人ともご高齢なので、周りも注意できないし


お腹を空かせたままぞろぞろと元いたバルまで戻り、バルのおやじに交渉してちょっとだけでも早くディナーを出してもらうことに。
そばにいたスウェーデンのマリアも誘って、赤ワインを飲みつつディナーテーブルの準備が整うのを待つ。
そしてメキシコのダニエルはみんなでディナーに招待することに。


ここのバル、ご主人もなかなか気さくでよかったけど、奥さんが超おもしろかった。
外国人の団体さんの扱いには慣れてるらしく、みんなが口々にワイワイガヤガヤ言ってるところをしっかり仕切ってオーダーを取っていく手腕が見事。
デザートの説明をするときは、「このデザートは『ベエェ、ベエェ』(←ヤギの鳴き声)のミルクでできてる」などと、擬音語付きで解説してくれて一同大ウケ


Primeroに選んだサラダ。
カブみたいなのがマヨネーズ系ドレッシングで和えてあって、おいしかった。




Segundoのポークシチュー。
こちらもグー





みんなでワイワイ楽しく、ワインもたっぷり












酔いが回ってきたのか、ポーランドチームがポーランド民謡を歌いだし、場は大いに盛り上がった。
そのうち「みんなそれぞれの国の歌を歌おうよ」という流れになり、そこですかさずスィナが「ねえ、ユウコ、あの歌うたってよ」と。

…。
「あの歌」って「もしもしカメよ」のことよね…

渋っていると、Pamplonaで同じくその場にいたスウェーデンのマリアも「ああ、あの歌よね。私も聞きたい!」と乗ってきた。

おいおい…。
散々渋ったけど、散々「あの美しいメロディが聞きたい」とおねだりされ、仕方なく歌う。
そんな美しい内容の歌じゃないんですけどね、これ


そうこうしているうちに22:00に。
アナマリアに「あなたたちのアルベルゲは門限22:00でしょ」と言われ、マリア、スィナ、私の3人は慌てて戻る。
清算してる時間がなかったので、アナマリアが立て替えてくれた。
「じゃ、明日また会った時に支払うから~!おやすみ~!」






本日の歩行距離:約23km
本日の歩数:37,015歩