地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

カミーノにあしあと 8

2010年09月11日 | Weblog
【8日目】7/3(土) Los Arcos → Viana
朝、洗濯物を取りに行くと、昨夜寝袋にくるまって中庭で寝た人がいたので、「寝心地はどうでした?」と尋ねると、「素晴らしかった」とのこと。
大勢が詰め込まれた部屋で寝るより、外の方が解放感があってよさそうだけど、昼間は猛暑でも朝晩冷え込むのでちょっとそれは遠慮したい。


アルベルゲで朝ごはんを食べ、遅めの8:15にLos Arcosを出発。
今日の出だしは涼しい。

歩きだして2時間もたたないうちにSansolという小さな村へ到着。
地図には載っていなかったけどバルがあったので、サンドイッチ、ジュース、コーヒーで休憩。
巡礼を始めた最初の頃は、とにかくお腹がすき、とにかく良く食べた。
それでも歩き始めて1週間以内にすでにズボンのウエスト部分がゆるくなってきているのに気づいたので、歩行によるカロリー消費量が大きいことがうかがえる。
巡礼後半になるとだんだん体のほうも適応してくるので、あまり食べなくても歩けるようになってきた。


今日も度々グナーやジェイコブと会った。
グナーはとにかくデカイ





なんでも知りたがるスィナがグナー本人から聞き出した話では、彼は両親が離婚してちょっと複雑な心境にあるらしい。
自分の力でどれだけ旅ができるか試す意味合いもあって、カミーノを歩いているという。

ジェイコブは兵役を終えたばかりで、この先どうするか考えるためにカミーノを歩いている。
みんなカミーノを歩く理由は人それぞれである。

スィナ自身は、忙しい毎日から一旦距離を置くために。
2年前に長男がスペイン人女性と結婚した際に、結婚式がカミーノ上にある教会で行われた。
その時たまたま巡礼者を目にし、「自分もやってみたい」と思ったそうだ。
旦那さんはそういうのに全く興味がない人なので、スィナの計画を本気にしてなかったし、最後まで認めたくない感じだったそうだ。


巡礼の動機は行く先々で必ず聞かれる。
私は「歩くことが好きだし、教会とか歴史的建造物にも興味あるし、スペインの文化やキリスト教にも興味あるから」と答えるようにしていたが、実際のところは「導かれたから」としか言いようがない。
理屈は抜きにして、歩きたいと思ったので。



これからだんだんメセタと呼ばれる高原地帯へと入っていくため、日に日に緑が少なくなる。
周りは麦畑で、木陰となる木は少ない。


Sansolを過ぎると間もなくTorres del Rioという村。
カミーノを歩いているとしばしばこのようなサインが現れる。




左に行くとバル、右に進むとカミーノ続行。
通常なら迷わず左折だけど、さっきSansolで休んだばかりなので今回は右へ。



今日はLogroñoまで行ってしまうと歩行距離が27.8kmになってしまいちょっとしんどいので、手前のVianaで止めることにした。
アルベルゲがある場所によって毎日の歩行距離が左右される。
歩き始めて8日目で、体が慣れてきているとはいえ、やはり疲れもたまってきているので、今日はこのくらいでいいと思う。


VianaはLos Arcosに比べるとずっと大きな町で、きれいだった。
とはいえ、人口は3,500人ぐらい。

ここも町全体が歴史を感じさせる。







今日泊まったアルベルゲも、隣に教会の残骸があり、石造りの雰囲気がある古い建物。
朝食なしで6ユーロ。






ベネズエラのホセ&ベティ夫婦、スウェーデンのマリア、デンマークのスィグビョーン&マリア夫妻、ポーランド女性グループなど、顔見知りがたくさん。

私が洗濯をしていると、ホセが「あ、ちょっと待って。僕の服も持ってくるから!」などと冗談を言ってくる。
ホセはスペイン語しか話せないので、身振り手振りを交えて冗談を言ってくれる。


このアルベルゲで初めて、2段ベッドならぬ3段ベッドに遭遇!
一番上の段って嫌やな…。
幸いアルベルゲは満床じゃなかったので、2段目までで大丈夫だった。


アルベルゲ裏手の洗濯干し場。




玄関脇の掲示板。





ここも奇麗なキッチンとダイニングがあり、冷蔵庫の上の段は誰でも使っていい食材置き場、下の段は個々人の食材置き場になっていた。
1泊しかしないので食材も余るから、みんなでシェアしたり、次に来た人に残してあげるのはいいアイデアだと思う。







この日もしんどかったので、途中休憩でコーラを飲んでいるにもかかわらず、またアルベルゲの自動販売機でペプシを買ってしまった…




夕食の時間まで、アルベルゲの裏で景色を眺めたり、日記を書いたり。
おしゃべり好きのスィナがまた通りがかりのスコットランド人のおじさんに声をかけ、長々と話が始まる。
そしてスィナはおしゃべりに興じ過ぎて、日記も書けず、ポストカードも書けないのが常となる。



ディナーの場所を探して町を散策。
ポーランド人グループもウロウロしている。
いくつかバルをチェックしたけど、巡礼者メニューがあって早めに出してくれるところに決定。
20:00までは待てない。


本日のディナーは9ユーロ。
Primero Platoにはパエリアを選択。




Segundoはチキン。
やっぱり付け合わせはポテトフライ。




そしてデザートにはスイカを選んだんだけど、豪快にナイフとフォークがぐさりと刺さって出てきた。
しかもスイカはお皿からはみ出ている




途中からポーランド人チームも同じ店に入ってきて、隣のテーブルへ。
他にも巡礼者が続々入ってきた。


最初店内に入った時、地元のオヤジたちが集まってワイワイ何かゲームをやっていた。
かなりやかましい。
が、若くて奇麗な女の子2人がバルに入ってきた途端、オヤジたちがピタリと会話をやめ、一瞬店内がシーンとなったのが面白かった
数秒後にはまたワイワイガヤガヤだったけど。



ディナーの後で教会でミサに出席。
だけど食後にミサに出席するべきではない。
もう、眠くて眠くて…。







スィナがディナーの後には必ずコーヒーを飲まないと気が済まないタイプなので、アルベルゲへ戻る前に近くのバルへ。
ワールドカップの観戦で盛り上がっていた。
スペイン対パラグアイ。






本日の歩行距離:約19km
本日の歩数:34,353歩