2018年4月14日、大阪府南河内郡河南町にある近つ飛鳥博物館を見学。この博物館は、エリア全体が遺跡博物館ともいわれる陵墓・古墳の宝庫「近つ飛鳥」の中核的文化施設として1994年に開館し、古墳時代から飛鳥時代を中心に古代の国際交流と国家形成過程をテーマとする歴史博物館です。
博物館の公式サイトによると、「近つ飛鳥」という地名は古事記に「履中天皇の同母弟(後の反正天皇)が、難波から大和の石上神宮に参向する途中で二泊し、その地を名付けるに、近い方を近つ飛鳥、遠い方を遠つ飛鳥と名付けた」とあり、近つ飛鳥は今の大阪府羽曳野市飛鳥を中心とした地域をさし、遠つ飛鳥は奈良県高市郡明日香村飛鳥を中心とした地域をさします。この近つ飛鳥の地は、難波の津と大和飛鳥を結ぶ古代の官道である竹内街道の沿線にあたり、周辺には大陸系の遺物を出土する6世紀中葉以降の群集墳が広がっており、とくに博物館が建つ一須賀古墳群は6世紀前半から7世紀中頃にかけて築かれた23支群・総数262基からなる日本有数の群集墳です。また、南部の磯長谷には、敏達・用明・聖徳太子・推古・孝徳の各陵墓指定地など飛鳥時代の大古墳が集まっていて、俗に「王陵の谷」とも呼ばれています。
「黄泉の塔」がそびえる階段状の建物は安藤忠雄氏の設計で、第26回日本芸術大賞を受賞しています。
自宅から車で30分くらいのところにあり、博物館が開館してすぐの20年ほど前に行ったことがあるのですが、博物館の記憶はまったく残っていなくて、隣接する近つ飛鳥風土記の丘を歩いた記憶がかすかに残る程度でした。その後も毎月のように竹内街道(国道166号線)を走って大和高田にある奥さんの実家を訪ねていたにもかかわらず二度目の訪問の機会はなく、この歳になって学芸員の勉強の一環で大阪の歴史系博物館を調べていて、行ってみようという気持ちになったのです。
建物や展示資料が素晴らしいのはもちろんなのですが、この博物館の何が素晴らしいかと言うと、地域住民や子どもたちの学びの活動を熱心に支援していることです。東京と大阪のいろんな博物館のホームページを見て比較しただけなのですが、少なくとも私が見た限りではここがもっとも学習支援や教育に力を入れているように思いました。
本日も生涯学習支援のプログラムとして100回以上の開催を続けている土曜講座に参加して「古墳の終わりと火葬の始まり」と題する副館長の講演を聴いてきました。 参加者は50人ほどで、こういう講座に出るといつも思う通り、年齢層は私よりもだいたいひと回りほど上の世代の方ばかりでした。
学芸員の勉強を始めてからは博物館を見る視点が変わりました。展示資料が実物なのか複製なのか、展示ケースはどういうものを使っているのか、わかりやすい解説になっているか、順路は適切か、といった展示に関わることだけでなく、見学者にはわからない学芸員の仕事を垣間見ようとするようになりました。
それにしてもこの博物館の展示資料は見応えがありました。教科書に出てくるような貴重な資料の多くが実物展示されるだけでなく、精巧な模型を多用して理解を促進し、解説も充実していて、たいへん勉強になりました。また行こうと思います。
博物館の公式サイトによると、「近つ飛鳥」という地名は古事記に「履中天皇の同母弟(後の反正天皇)が、難波から大和の石上神宮に参向する途中で二泊し、その地を名付けるに、近い方を近つ飛鳥、遠い方を遠つ飛鳥と名付けた」とあり、近つ飛鳥は今の大阪府羽曳野市飛鳥を中心とした地域をさし、遠つ飛鳥は奈良県高市郡明日香村飛鳥を中心とした地域をさします。この近つ飛鳥の地は、難波の津と大和飛鳥を結ぶ古代の官道である竹内街道の沿線にあたり、周辺には大陸系の遺物を出土する6世紀中葉以降の群集墳が広がっており、とくに博物館が建つ一須賀古墳群は6世紀前半から7世紀中頃にかけて築かれた23支群・総数262基からなる日本有数の群集墳です。また、南部の磯長谷には、敏達・用明・聖徳太子・推古・孝徳の各陵墓指定地など飛鳥時代の大古墳が集まっていて、俗に「王陵の谷」とも呼ばれています。
「黄泉の塔」がそびえる階段状の建物は安藤忠雄氏の設計で、第26回日本芸術大賞を受賞しています。
自宅から車で30分くらいのところにあり、博物館が開館してすぐの20年ほど前に行ったことがあるのですが、博物館の記憶はまったく残っていなくて、隣接する近つ飛鳥風土記の丘を歩いた記憶がかすかに残る程度でした。その後も毎月のように竹内街道(国道166号線)を走って大和高田にある奥さんの実家を訪ねていたにもかかわらず二度目の訪問の機会はなく、この歳になって学芸員の勉強の一環で大阪の歴史系博物館を調べていて、行ってみようという気持ちになったのです。
建物や展示資料が素晴らしいのはもちろんなのですが、この博物館の何が素晴らしいかと言うと、地域住民や子どもたちの学びの活動を熱心に支援していることです。東京と大阪のいろんな博物館のホームページを見て比較しただけなのですが、少なくとも私が見た限りではここがもっとも学習支援や教育に力を入れているように思いました。
本日も生涯学習支援のプログラムとして100回以上の開催を続けている土曜講座に参加して「古墳の終わりと火葬の始まり」と題する副館長の講演を聴いてきました。 参加者は50人ほどで、こういう講座に出るといつも思う通り、年齢層は私よりもだいたいひと回りほど上の世代の方ばかりでした。
学芸員の勉強を始めてからは博物館を見る視点が変わりました。展示資料が実物なのか複製なのか、展示ケースはどういうものを使っているのか、わかりやすい解説になっているか、順路は適切か、といった展示に関わることだけでなく、見学者にはわからない学芸員の仕事を垣間見ようとするようになりました。
それにしてもこの博物館の展示資料は見応えがありました。教科書に出てくるような貴重な資料の多くが実物展示されるだけでなく、精巧な模型を多用して理解を促進し、解説も充実していて、たいへん勉強になりました。また行こうと思います。