古代日本国成立の物語

素人なりの楽しみ方、自由な発想、妄想で古代史を考えています。

東北周遊の車中泊旅(6日目)

2021年04月30日 | 旅行・車中泊
東北周遊旅の6日目、快晴です。ワンコと朝の散歩をしていると道の駅の裏を流れる米代川から白い霧が立ち上って川下に流れていき、蛇行した岸にぶつかって山を上っていきます。この朝はぐっと冷え込んだので相対的に暖かい水面から湯気が上がったのでしょうか。神秘的でした。







この日の午前中は北秋田市のふたつの縄文遺跡、伊勢堂岱遺跡と大湯環状列石を巡る予定にしていました。いずれも昨年11月に開催されたオンラインセミナー「秋田縄文遺跡世界遺産推進シンポジウム」で詳しく紹介されていた遺跡です。北海道と北東北地方にある17カ所の縄文遺跡がまとまって世界遺産登録を目指していて、このシンポジウムはその一環で開催されたものです。大湯環状列石の存在は知っていましたが、伊勢堂岱遺跡は知らなかったので、行ってみたいと思っていたのです。

しかし、伊勢堂岱遺跡に着いてビックリ、ガッカリ。4月23日まで冬期閉鎖中で遺跡に入れませんでした。おまけに併設の資料館も定休日。広い駐車場や広場は俄かドッグランになりました。



この遺跡は大館能代空港へのアクセス道路建設に際して見つかった4つの環状列石からなる縄文遺跡で、その重要性から県は道路の建設ルートを変更するとともに、建設途中の橋脚をそのまま残すこととしました。



この橋を渡って丘をあがったところに遺跡があるのですが、ロープが張られていて入ることができませんでした。まことに残念。



遺跡発見を機に、近くを走る秋田内陸縦貫鉄道の最寄り駅の名が「縄文小ケ田駅」に改称されました。





次の大湯環状列石も同様に閉鎖中でした。しかたなくワンコの散歩をしているとボランティアガイドの方が奥さんに何やら説明をしています。その話に加わってみると、時間があるなら自分が説明するので併設の博物館「大湯ストーンサークル館」を是非みてくださいという。遺跡を見れないのならせめて博物館だけでも少しだけ、と思って奥さんとワンコを残して入館したのが運の尽き。入るなりこのガイドの方、水を得た魚のように機関銃のようにしゃべりだしました。こちらも聞きたいことを質問するとまた倍くらいの話が返ってきます。そんなこんなで少しの時間どころか、ここに到着してから2時間ほどが経過していました。ガイドさんの説明はよく理解ができたし楽しい時間だったものの、さすがに2時間はやりすぎた。奥さんにも申し訳ない気持ちで車に戻りました。







ワンコと散歩しながら待ってくれていた奥さんが「道路から遺跡が見れるよ」というので行ってみると、中には入れないけど確かにしっかりと環状列石が確認できる。先にわかっていればこれを見るだけでも良かったのだけど後の祭り。





伊勢堂岱遺跡や大湯環状列石については「実地踏査」カテゴリーにてあらためて紹介したいと思います。

さて、ここまでで昼を過ぎてしまいました。この日は朝ご飯も食べていなかったのでどこかでランチを取りたかったのですが、そんなお店はどこにも見当たらず、とにかく次の目的地である十和田湖に向かうことにしました。十和田湖を見渡す発荷峠の展望台までは30分ほどです。山道をくねくねと登っていき、ちょっと下り道になった瞬間、目の前に十和田湖が現れました。快晴の青空も手伝って、この発荷峠からの眺めはなかなか素晴らしかった。







峠を一気に下って湖畔を少し走って遊覧船乗り場のある温泉街に入ったのだけど、湖畔には観光客の姿はほとんどなく車もほとんど走っていません。ホテルや旅館も開店休業状態の様子だし、すでに廃業して廃墟になっているホテルがいくつもあって、かつての人気観光地の廃れ行く姿を垣間見る思いがして寂しい気持ちになりました。湖畔の駐車場に車を停めてワンコと一緒に散策しました。









ここでランチを取るつもりでしたが、そもそも開いているお店が少なく、ゆっくりご飯を食べようと思わせてくれるお店もありません。仕方なくランチを抜くことにして奥入瀬渓流に向かいました。奥入瀬伊渓流ではところどころで車を停めて写真を撮り、最後は石ヶ戸休憩所に駐車して、ここでもワンコと散策タイムです。午前中の失態で時刻はすでに夕暮れが近づいていました。

















時刻は16時。ここから先の予定は深く考えていなかったので、青森市内へいく、八戸へ向かう、弘前城の桜を観る、の3つの選択肢を検討したのですが、ここに来るまでいたるところで満開の桜を観てきたので弘前城もちょうど見頃だろうと思って弘前に向かうことにしました。

弘前へは山越えの道だとわかっていたのですが走ってみてビックリ。山道を登るほどに雪深くなっていきます。道の両側には数メートルも積もった雪が残っていて、まるで立山の雪の大谷のようです。しかも、今まさに越えている山は八甲田山だと途中の道路標示で知って再びビックリ。小さなスマホの画面で弘前へのルートを見ていたので気がつきませんでした。そしてこの記事を書きながら改めてGoogleMAPを見ていると、この雪の壁の道は「八甲田雪の回廊」というのだそうで、ここを走ったことだけでも弘前行きを決めた価値があったように思いました。













酸ヶ湯温泉を過ぎたあたりから下り道になります。黒石市内に降りてくるあたりで正面の岩木山に夕陽が沈む光景が見れました。これもなかなか見ごたえのある眺めでした。



そして弘前市内へ入って気がついたこと。道路沿いに植えられている木はどうやら桜の木なんだけど、全く咲いていないのです。どの木も固く閉ざしたつぼみしか見えません。この状態だとおそらくお城の桜もダメだろうなと半ばあきらめの気持ちで先に進みました。

ここまでほとんど何も食べていない状態だったので、弘前ではしっかりとご飯を食べようと奥さんが晩ご飯のお店を調べてくれました。それが広い通りをひとつ中に入った住宅街の中にたたずむ小さなお店「和ダイニング 花一華」です。







美味しかったなあ。それと、お店の方もお客さんも皆さんとても親切でした。弘前城の桜のことを聞いてみると「まだまだ全然」というお返事だったので、この時点でお城に行くことを断念し、さらに大阪から車中泊できたことを告げて、近くにいい日帰り温泉はないか、それからこの日は洗濯物が溜まっていたのでコインランドリーの場所も教えてほしいとお願いすると、交差点を挟んで温泉も道の駅もコインランドリーもある場所を教えてくれました。「天然温泉花の湯」と「道の駅ひろさき」、そして道路の向かいにコインランドリーもありました。ここを教えていただいて本当に助かりました。



この日はいろいろなことがあって予定通りに行かないことが多くて気まずい空気が流れたりもしましたが、最後にいい気持ちで終えることができました。

(7日目に続く)






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東北周遊の車中泊旅(5日目)

2021年04月29日 | 旅行・車中泊
東北周遊旅の5日目、快晴の朝を迎えました。鳥海山が目の前に迫っています。本当なら鳥海山の中腹まで登って秋田県側に降りていく鳥海ブルーラインを走りたかったのですが、冬季の通行禁止期間が終わっていなくて秋田県側に抜けることができなかったので、あきらめざるを得ませんでした。したがって海岸沿いの国道7号線を走って秋田県に足を踏み入れました。そしてこの日は鳥海山の圧倒的存在感を感じる一日となりました。満開の桜越しに見る雪の鳥海山はなお美しい。





最初の目的地は元滝伏流水です。鳥海山の伏流水が岩から染み出して小さな滝となり、小川となって流れる清流です。朝一番の誰もいない森の中を木洩れ日を浴びながら、清流のせせらぎを聴きながらワンコと一緒に散策しました。マイナスイオンを全身に浴びて癒されました。























元滝をあとにして仁賀保高原へ向かいました。あちらこちらに風力発電の風車が数え切れないほど並んでいて、周囲の景色と一体化していました。展望台からの日本海の眺めも素晴らしかった。





目指したのは土田牧場でしたが、その前に眺めの良さそうな場所があったので立ち寄りました。ひばり荘という宿泊施設で、ここからの鳥海山の眺めは格別でした。







土田牧場はワンコを連れて入ることができなかったので、時間をかけずに見て回ってソフトクリームを買って出てきました。





さて、ここからは日本海沿いに一気に北上して男鹿半島を目指します。男鹿半島の北端の入道崎にどうしても奥さんを連れていきたいお店があったので少し急ぎました。このお店「海陽」は何年か前にとある団体のツアーでランチに入ったお店で、ここの石焼きの味噌汁と海鮮丼の定食がこの上なく美味しかったので、今回の旅で必ず行こうと決めていました。ところが、到着してみてがっかり。ほかのお店が全部開いているのにここだけシャッターが閉まっていてやっていない。見た感じでは定休日でもなさそうだし、一時的に閉まっている様子でもなく、お店を閉じてしまったかのような佇まいでした。仕方がないので奥さんの目利きで隣のお店「龍宮館」に入りました。驚いたことに、ここの刺身定食(1,500円)は安くて美味くて、落胆の気持ちを埋めるには十分でした。





食事を済ませたあとは目の前に広がる入道崎、そして日本海の空気を堪能しました。人のいないところではワンコもリードをはずしてもらって全力疾走です。雲ひとつない青空と風と太陽と広い海、すべてが気持ちよかった。


眺める






ここから男鹿半島を南下して半周します。断崖絶壁を走る車窓からは素晴らしい眺望の連続です。そして半島の南西端にでっかいなまはげ像が数年前と変わらずにたっていました。そのすぐ近くにある夕陽の名所、ゴジラ岩にも寄ってみましたが、夕陽には時間が早かったのと、車を降りて歩かないといけなかったのでマーキングだけしておきました。





夕陽を眺める場所は男鹿半島のど真ん中にそびえる寒風山の頂上からにしました。ここからは男鹿半島の周囲が一望でき、八郎潟もよく見えます。そしてなんと、あの鳥海山までも見えることに感動しました。どこにいても見えるこの山の存在感はやはり半端ないです。















これだけきれいな夕陽はなかなか見ることができない。太陽が沈みきってしまう最後の最後まで眺めていました。このあとは山を下りて八郎潟を横切り、森岳温泉「ゆうぱる」で温泉に浸かりました。宿泊地は能代市にある「道の駅ふたつい」です。この日は最初から最後まで大自然を堪能する一日となりました。



(6日目に続く)






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東北周遊の車中泊旅(4日目)

2021年04月28日 | 旅行・車中泊
道の駅田沢で迎えた4日目の朝は気温も上がって気持ちの良いスタートとなりました。



ここまでの毎日のご飯を振り返ると、餃子定食、佐野ラーメン、五目ラーメン、天丼、けんちんそば、高遠そば、喜多方ラーメンとお手軽なB級ばかりだったので、この日は米沢市ということにあって米沢牛を食べようと決めていました。たくさんあるお店の中で選んだ米沢駅からすぐ近くにある「べこや」の開店が11時15分。それまでの時間を使って「トトロの森」へ行くことにしました。

トトロの森は米沢市の南原東李山集落にある「丹南山神」という小さな神社の周囲に自生する樹木群、いわゆる鎮守の森が遠くから見るとトトロに見える事から「トトロの森」と呼ばれるようになりました。道の駅から30分ほどですが、東に向かっていったん米沢市内の平地まで下り、途中で右折して南に向かいます。このときの車窓から見える福島県との県境に連なる山々の景色の素晴らしかったこと。真正面に見えるので運転しながらでも眺めることができました。写真ではそうでもないですが、実際に見たときには思わず声が出ました。







そしてトトロの森に到着。う~ん、確かに見えなくもない。この季節、葉がスカスカなのが何とも残念。それよりも背景の景色に目が行ってしまいました。米沢市は四方が高い山々に囲まれた盆地なので、どちらを向いても美しい山並みを見ることができます。







このあと、道の駅米沢に寄ってからランチのお店、べこやに向かいました。実は最初はこの道の駅にあるお店で米沢牛のステーキを食べようと思っていたのですが、方針変更で焼肉になったのです。開店の少し前にべこやに到着。待っていると続々と車が入ってきます。やはり人気のお店のようです。ガラス越しに見える店内には有名人のサインがいっぱいです。注文した「べこや御膳(2,880円)」は満足のランチでした。







この日はできるだけ秋田県に近づきたくて、ランチの後はひたすら車を走らせることになりました。右手に蔵王連山を眺めながら山形市、天童市を通り抜けて北上を続けていると突然目に飛び込んできたのが「縄文の女神・西ノ前遺跡」の文字が書かれた案内板。西ノ前遺跡の名は忘れていたけど、縄文の女神は忘れません。4点しかない国宝の土偶です。それが出た遺跡がすぐ近くにあることがわかり、急きょ立ち寄ることにしました。









ここに来れたのは儲けものでした。遺跡の紹介は改めてこのブログに書きたいと思います。

このあとはしばらく最上川に沿って走りました。どうしても頭に浮かぶのが「五月雨を集めて早し最上川」の句です。五月雨には早い季節でしたが、周囲の山々の雪解け水を集めて流れる水量豊かな最上川を眺めながらハンドルを握りました。目指したのは出羽三山神社の羽黒山五重塔です。雑誌に掲載された写真を見て時間があれば行ってみようと思っていました。

16時半頃に到着し、ワンコを連れて五重塔に向かいました。随神門をくぐって長い階段を降りると、2日前の雨のせいか、雪解け水のせいか、足元がぬかるんでいたので途中から抱っこです。静かな山中にひっそりとそびえる五重塔は派手さはないものの、わざわざ来てよかったと思わせてくれるほどに年輪を刻んだ風格ある佇まいでした。













参拝を終えて駐車場を出発する頃には雲間からお日様が顔を出すようになり、山を下っている時に大鳥居の向こうに綺麗な夕陽が輝いていました。





何とも清々しい一日の終わりです。この日のお風呂は「長沼温泉ぽっぽの湯」、車中泊地は秋田県境近くまで走った「道の駅鳥海ふらっと」で、21時半頃に到着しました。東京を出てからここまでの走行距離は731キロになりました。

(5日目に続く)





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東北周遊の車中泊旅(3日目)

2021年04月27日 | 旅行・車中泊
2021年4月9日、東北周遊車中泊旅の3日目は「道の駅しもごう」からスタートです。前夜の吹雪も思ったほどのことにならず、気持ちの良い朝を迎えました。とはいえ、出発前の外気温はなんと0度でした。







いよいよ東北に足を踏み入れました。8時に出発して30分ほど走って到着したのが福島県南会津郡の大内宿です。少し早いかなと思ったので駐車場のおじさんに「お店は何時頃に開くの」と聞いてみると9時頃だという答え。おじさんは「先にどこかに行って来られますか」と言うので「どこかありますか」と聞き返すと「ない!」と断言されてしまった。こちらが困っていると「塔のへつり」というところを教えてくれました。20分ほど戻ることになるけど行ってみることにしました。

















塔のへつりは、福島県の南会津東部を流れる大川が形成する渓谷で、百万年の歳月をかけて浸食と風化を繰り返してできあがった景観です。河食地形の特異例として国の天然記念物に指定されています。「へつり」とは会津方言で、川に迫った険しい断崖のことだそうです。

大内宿に戻ってきたのは10時頃。一番乗りだったはずの駐車場にはすでにそこそこの車が停まっています。大内宿は日光と会津若松を結ぶ会津西街道の宿場町で、現在も茅葺き屋根の民家が街道沿いに並んでいて、それぞれの家屋が蕎麦屋さんだったり、民芸品を売っていたり、何らかのお店をやっています。その街並みはまるで時代劇を見ているようです。









車を降りて歩き始めるとパラパラと雪が舞い始めました。私たちの前を歩いていたカップルが蕎麦屋さんに入っていきました。塔のへつりでは何ともなかったのに、かなり山を上がって来たからでしょうか、気温もぐんと下がって寒い寒い。傘を取りにいったん車に戻り、暖かい服に着替えることにしました。朝ご飯を食べていなかったことと、あまりの寒さに暖を取りたかったこともあって、さっきのカップルが入った蕎麦屋さんに入ることにしました。お店の名前は三澤屋さんです。こたつに入って暖まりながら、ほっこりした気持ちでけんちんそばと高遠そばをいただきました。







この三澤屋さんはもともとは酒屋さんだったそうで、隣の蔵でお酒を売っていたのでお土産に一本購入しました。寒さが厳しさを増して雪もますますひどくなってきましたが、宿場町の一番奥まで歩いて突き当りにある丘に登りました。雪景色ながら、ここからの眺めは最高でした。このブログを読んでいただいている方にお勧めしたいです。





















大内宿をあとにして、この空模様だと無理だなと思いながら、一度行ってみたかった猪苗代湖へ向かいました。途中、休憩をはさんで1時間ほど走って湖畔までやってきましたが、雪がますます激しくなって景色を見るどころではなく、車の運転が危ない状況でした。とりあえず湖面越しに磐梯山が見えるであろうあたりにいってみたけど、やっぱり何も見えませんでした。

すぐに方向変換して喜多方市の道の駅を目指すことにしましたが、市内に入ったところで「しだれ桜並木」の看板を見つけたので、急きょ向かうことに。喜多方駅と熱塩駅を結んでいた旧国鉄の日中線跡地の一部、約3kmの遊歩道がしだれ桜並木となっていました。ワンコの散歩を兼ねて往復6キロを歩きました。これだけのしだれ桜の並木道を歩いたことがなく、見ごたえがありました。













往復6キロの遊歩道を歩いているうちに夕方になって寒くなってきました。そろそろ晩ご飯の時間ですが、朝から雪に見舞われて冷え切っていた身体を暖めようと、晩ご飯は本場の喜多方ラーメンに即決して近くのラーメン屋さん「来夢」に直行です。





この日の温泉は喜多方市の保健福祉センター「夢の森」の温泉施設です。料金はなんと300円。じっくり浸かって身体をあたためて、休憩所でゆっくりしていると閉館の時間になってしまいました。宿泊地は温泉から一番近くの「道の駅田沢」にしました。福島県の喜多方から山形県の米沢に通じるトンネル続きの国道121号線を20分ほど走ったところにある小さな道の駅でした。21時半頃に到着したのですが、到着時の外気温が0度だったので、この日は0度で始まって0度で終わる1日ということになりました。



(4日目に続く)





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東北周遊の車中泊旅(初日・2日目)

2021年04月26日 | 旅行・車中泊
初日の4月7日は仕事が終わってからの18時過ぎの出発となりました。平日のこの時間帯、品川から北上して都心を抜けるのにけっこうな時間がかかってしまいました。この日はできるだけ北へ走って、どこかでお風呂に入って、あとは寝るだけです。お風呂はいくつかの候補の中からGoogleの評価が高かった埼玉県久喜市にある「天然温泉森のせせらぎなごみ」というところを選択。そしてこの日の宿泊地はそこから北へ30分ほど走ったところ、茨城県古河市にある道の駅「まくらがの里こが」にしました。この道の駅はとにかく駐車場が広大で、普通車と大型車の駐車スペースが完全に分かれています。トイレから離れることを厭わないのであれば静かなところを選択するのですが、やはり利便性を考えるとトイレに近い所になってしまいます。でもそのトイレは駐車できる車の台数からすると小さすぎるという印象でした。



2日目。前日の温泉で購入したトマトが朝ご飯代わりです。





この日は全く行き先を考えていなかったのでひとまず宇都宮を目指して国道4号線を北上しました。宇都宮で餃子を食べ、さらに北に向かって走っていると奥さんが「このあたりは蔵のような建物のある家が多い」と言うので気を付けてみていると確かにその通りで、その蔵が漆喰の壁でなくて緑がかった石でできていることに気がつき「そういえば大谷石の産地は栃木県だった。もしかするとあの地下神殿のような採石場跡はこの近くかもしれない」と思ってググってみるとドンピシャでした。少しだけ戻ることになったけど20分ほどで大谷資料館に到着です。奥さんの気づきは大ヒットでした。



最初に展示室で大谷石のことや採石の歴史について情報をインプットした後、地下への階段を降りていきます。









地下へ降りるとまさに石の神殿が広がっていました。















さまざまなドラマや映画のロケで使われたり、演奏の舞台やアート作品の展示場としても活用されているようです。









ここは「地下迷宮の秘密を探る旅〜大谷石文化が息づくまち宇都宮〜」として認定された日本遺産を構成する文化財ですが、あくまで採石事業を行っていた民間企業が運営する資料館です。一般客に公開したり、ロケなどで利用してもらうというのは、採石場跡地に付加価値をつけてビジネスの一環として活用しているように感じましたが、それにしても地上とは一線を画す神秘的な大空間でした。そしてその地上に出ると周囲の桜はみな満開でした。





さて、次はどこに行こうかと考えて決めたのが、1時間ほど東へ走った茨城県の市貝町にある芝ざくら公園。ネットで調べると芝ざくらが満開とある。行ってみると確かに満開だけど、真ん中の一番広いところがまだら模様で花で埋め尽くされていない。近くに寄ってみると花の株を押しのけてスギナが生えていました。これは残念でした。









本日の予定はこれにて終了。ひとまず北上を続けて那須の「源泉那須山」というところで温泉に入り、食事もそこで済ませました。この日のうちに東北に入る予定でしたが、いまだ北関東を抜け出せていない状況です。





ここを出たのが21時半頃。この日の宿泊地は福島県に入ったところ、南会津郡にある「道の駅しもごう」です。芝ざくらを見ているあたりから気温が急激に下がって風が強くなり、寒くなってきたなと感じていたのですが、その後も気温が下がり続けました。道の駅までは白河市から西へ向かって峠を越えるのですが、途中で雪が降りだし、しまいには吹雪状態になりました。なんとか無事に道の駅に辿り着いたものの、このまま朝まで吹雪かれるとまずいなあと不安な気持ちで夜を過ごすことになりました。



(3日目に続く)




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東北周遊の車中泊旅(行程紹介)

2021年04月25日 | 旅行・車中泊
2021年4月7日18時に単身赴任宅のある北品川を出発して4月18日23時に戻るまでの12日間、車中泊をしながら東北を周遊しました。昨年の北海道一周車中泊旅の経験から、今回はあまり詳細な計画を立てずにおおまかなルートを想定することにとどめ、雑誌などから拾った観光スポットをマークしながら、どこへ行くのか、どの道を走るのかはその時々の状況と気分で決めることにしました。温泉や宿泊地もその都度よさそうなところを探して決めました。結果、12日間の行程は次のようになり、走行距離は約2,600キロとなりました。

1日目 北品川を出発
    埼玉県久喜市   天然温泉森のせせらぎなごみ
    茨城県古河市   道の駅「まくらがの里こが」(泊)
2日目 栃木県宇都宮市  大谷資料館  
    栃木県市貝町   芝ざくら公園
    栃木県那須郡   源泉那須山
    福島県南会津郡  道の駅「しもごう」 (泊)
3日目 福島県南会津郡  塔のへつり
    同上       大内宿
    福島県喜多方市  日中線のしだれ桜
    同上       夢の森温泉施設
    山形県米沢氏   道の駅「田沢なごみの郷」 (泊)
4日目 同上       トトロの森
    山形県最上郡   西ノ前遺跡
    山形県鶴岡市   羽黒山五重塔
    同上       長沼温泉ぽっぽの湯
    山形県飽海郡   道の駅「鳥海ふらっと」 (泊)
5日目 秋田県にかほ市  鳥海山元滝伏流水
    同上       仁賀保高原
    秋田県男鹿市   男鹿半島・寒風山展望台
    秋田県山本郡   森岳温泉ゆうぱる
    秋田県能代市   道の駅「ふたつい」(泊)
6日目 秋田県北秋田市  伊勢堂岱遺跡
    秋田県鹿角市   大湯環状列石
    青森県十和田市  十和田湖・奥入瀬渓流
    青森県青森市   八甲田雪の回廊
    青森県平川市   天然温泉花の湯
    青森県弘前市   道の駅「ひろさきサンフェスタいしかわ」(泊)
7日目 青森県北津軽郡  鶴の舞橋
    青森県つがる市  亀ヶ岡遺跡
    同上       高山稲荷神社
    青森県五所川原市 太宰治記念館
    青森県青森市   極楽湯青森店
    青森県上北郡   道の駅「しちのへ」(泊)
8日目 青森県八戸市   八色センター
    岩手県下閉伊郡  龍泉洞
    岩手県陸前高田市 奇跡の一本松
    岩手県大船渡市  開運弁天の湯
    岩手県平泉町   道の駅「平泉」(泊)
9日目 岩手県平泉町   中尊寺
    岩手県北上市   北上辰勝地(桜まつり)
    岩手県盛岡市   喜盛の湯
    岩手県雫石町   道の駅「雫石あねっこ」(泊)
10日目 秋田県仙北市   田沢湖
    同上       角館武家屋敷(桜まつり)
    秋田県横手市   南郷(夢)温泉共林荘
    宮城県大崎市   道の駅「あら伊達な道の駅」(泊)
11日目 宮城県仙台市   仙台城跡
    福島県白河市   しらかわ温泉弁天荘
    栃木県那須郡   道の駅「東山道伊王野」(泊)
12日目 栃木県那須塩原市 那須ガーデンアウトレット
    栃木県大田原市  佐久山温泉きみのゆ
    北品川に到着

それでは次回より順に紹介したいと思います。





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群馬の古墳(保渡田古墳群)

2021年04月06日 | 遺跡・古墳
白石古墳群を見学した日の後半は高崎市にある保渡田古墳群を訪ねました。榛名山南麓の保渡田・井出の地区にあり、二子山古墳・八幡塚古墳・薬師塚古墳の三基の大型前方後円墳が残っています。築造年代は5世紀の後半も終わりに近い頃から6世紀前半にかけてとされ、二子山古墳→八幡塚古墳→薬師塚古墳の順に3代にわたって継続して造営されたと考えられています。

駐車場に車を停めて、まず八幡塚古墳を見学しました。この古墳は綺麗に復元整備されているため、空からの映像が美しく、以前から見たいと思っていた古墳です。Googleマップを切り取ってみました。右上が八幡塚古墳で左下が二子山古墳です。八幡塚古墳は築造当時の状況に復元され、二子山古墳は発掘前の古墳の形状をできるだけ変えない手法で整備されました。


八幡塚古墳は全長102メートルの前方後円墳。後円部を囲むように周濠内に4基の中島が設けられています。






中島のひとつです。墳丘上には円筒埴輪が巡らされて小さな円墳のようにも見えます。

祭祀の場もしくは近親者や従者が葬られた倍塚ではないかと考えらえていますが、確定に至っていないようです。



後円部頂上から前方部の眺め。葺石や埴輪など全てが築造当時の状況に復元されていますが、私はこのような完全な復元は興ざめであまり好きではありません。


石室も復元され、石棺が置かれています。


内堤上に54体の人物・動物埴輪等が配置された「形象埴輪配列区」があります。



古墳が美しく見える角度です。


次はすぐ近くの二小山古墳に向かう途中にある桜の木が見事でした。


夕暮れの二子山古墳。二子山古墳は全長108メートルの前方後円墳。この古墳も周濠内に4基の中島が配置されています。




後円部頂上には石棺の写真が置かれています。





後円部頂上からみた前方部。


中島。






先に見た白石古墳群は5世紀前半には稲荷山古墳が造営され、6世紀前半の七輿山古墳で最盛期を迎え、7世紀前半には皇子塚古墳が存在したので、少なくとも200年ほどは継続していたと考えられますが、この保渡田古墳群は最後の薬師塚古墳が6世紀前半なので、白石古墳群の勢力に吸収されたのか、それとも白石から分派(分家)した勢力だったのか、興味深いところです。保渡田古墳群は白石古墳群から北に15キロのところ、烏川を挟むように位置しています。徒歩で3時間程度の距離ですが、川を挟んでいることから別の勢力が一時的に栄えたと考えることもできるし、東国最大級を誇る七輿山古墳とほぼ同じ時期ということから、勢力拡大を目論んで川の向こうに派遣された白石の一派と考えることもできるのではないでしょうか。

この日はこれから四万温泉に向かうため、日が暮れてきたこともあり、もうひとつの薬師塚古墳はパスしました。是非とも訪ねてみたいと思っていた八幡塚古墳に来れただけで満足です。




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群馬の古墳(白石古墳群)

2021年04月05日 | 遺跡・古墳
2021年3月、車中泊で群馬の四方温泉に出かけました。東京の自宅から四方温泉に向かう途中、藤岡市にある白石古墳群や高崎市にある保渡田古墳群に立ち寄ったので、ここで紹介したいと思います。まずは白石古墳群から。

鏑川と鮎川にはさまれた舌状の河岸段丘上にある七輿山古墳は白石古墳群に属する全長150メートルの前方後円墳で、6世紀前半の築造とされています。6世紀代の古墳としては東日本最大級とのこと。Wikipediaによると、二重の周溝がめぐり、前方部の前面にあたる西側では「コ」の字状にめぐる三重目の溝も発見されている、となっていますが、「コ」の字状にめぐる三重目の溝は正確には確認ができませんでした。


  
駐車場のある北側からの眺め。満開間近の桜が見事でした。


後円部を正面から。墳丘の一部が平らに削られてお地蔵さんがたくさん並んでいたのだけど、どのお地蔵さんも首がありませんでした。何かの理由で首を落とされたようです。




北側の後円部から前方部にかけて。くびれ部です。造り出し部があるらしいのですがよくわかりませんでした。


前方部の正面には石垣のような構造物がありました。北側の周濠の外や前方部の正面にも同じような石の構造物があったのですが、中世に墳丘を利用してお城が築かれたのでしょうか。たぶん葺石が利用されたのだと思います。墳丘の下には同じような石がたくさん落ちていました。




前方部の北側の角。ここも桜が見事に咲いていました。


七輿山古墳は6世紀前半における東日本最大級の前方後円墳。このあたりは継体天皇の時代に東国で最大の勢力を持った豪族の拠点だったということになるのでしょうか。

七輿山古墳からのびる坂道を上がった丘陵上に二つの小さな円墳が並んでいました。右が皇子塚古墳で左が平井地区1号古墳です。


皇子塚古墳は直径31メートルの円墳で6世紀後半の築造と考えられています。立派な石室は調査後に埋め戻されました。



平井地区1号古墳は直径24メートルの円墳で、こちらも石室は埋め戻されています。



あたりは公園として整備されています。東屋で休憩していた二人の女性とお話をしました。こちらが古墳が好きだと伝えると、一人の方が満面の笑みで自分もそうだと言って、スマホの「群馬HANIアプリ」なるものを見せてくれました。やっぱり群馬は古墳王国なんだと思いました。この女性から白石稲荷山古墳や伊勢塚古墳を勧められたので、まずは稲荷山古墳に行ってみることにしました。

この公園の南側の丘陵に白石稲荷山古墳が見えます。こちらも立派な桜の木が立っています。


白石稲荷山古墳が5世紀前半の築造とされる全長155メートルの前方後円墳です。


後円部を正面から。あとで知ったことですが、この道は十二天塚古墳・十二天塚北古墳という二つの古墳(稲荷山古墳の倍塚)の上を通っていたようです。気がつかなかった。


近くによると桜がこんな感じです。


後円部頂上から見下ろす前方部と、前方部から見上げる後円部。



心地よい風が吹く中、満開の桜の下から眺める素晴らしい眺望。いつまでもここに居たい気分になりました。なんと、ここにも古墳がお好きな女性がひとり、自ら古墳女子と名乗っておられました。伊勢塚古墳にも行きたかったのだけど、時間の関係でパスすることにしました。
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