毎週 テレビドラマを先に見てから、復習のように読んで行く計画でしたが、なにぶんかなり読みやすい本なので、いつの間にかドラマを追い越し読み切ってしまいました。
ドラマも面白いんですけど、脚本が悪いのか、なんとなく作りが今一歩という感じだったのですが、原作の方も正直同じような印象を抱きました。
歴史を題材にした娯楽性の高い読み物なわけですが、歴史を女性の視線から追うという意味では面白いのですが、文学作品としては、ストーリーの流れ方や、心情描写などに魅力は感じられなかったです。
使う言葉や 表現も、頑張ってるな、と思うところはあっても、それほど響かず。
ただ、 歴史家としてのこの作家には魅力を感じます。
ちょうどドラマが始まってすぐに作家自身がプレゼンターをしたドキュメンタリーを見ました。わかる限りの史実はそのまま生かし、その上で謎な部分は自分の信じる展開を色づけしてフィクションとして書き上げました。その部分には女性としての願いや、母親としての情が素直に表現されています。
例えば、当時にはそうそう信じ難い marriage in love の存在を描き、女性たちが政略にばかり振り回されたわけではないと信じたい面や、シェイクスピアや多くの歴史家がリチャード三世を甥殺しの極悪非道人として後世に伝えてきているところに真っ向から異議を唱えている面など、殺されたとされているリチャード王子を母親の元に還すなど、、、
薔薇戦争について、というよりは、リチャード三世の妻アンについてせっかくなのでもっと読みたいと考えました。そして、 小説としては魅力的でないのだとすれば、ほかの作家を読んでみる、という手もあるのですが、とにかく easy read なので、他を読んで題材に飽きて挫折するよりは、読み慣れた彼女の作品を読んだ方がいいだろうと思い、続編の Kingmaker's Daughter を読み始めました。
なんと私が初めて買った kindle 本になります。99ペンスでした。
もちろんKindle は持っていないので、iPad で読んでいます。辞書も勧められるままダウンロードして、紙の本では気にもとめずに飛ばしてきた単語を「念のため」調べながら読んでいます。それでも見開きページに知らない語や気になる単語や表現もあまりないくらい、簡単で読みやすいです。人気の秘密はここですね。
6out of 10