『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第1章  二つの引き金  33

2007-05-05 07:51:32 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 この時代の交易といえば、<王の交易>の時代である。船主が王の代理人としての御用商人をつとめて交易が行われていたのである。
 ミチリニからミレトスまでの航海の距離は、350KMくらいと思われる。船長としての航海予定は、寄港は、4箇所、航海日数は、7昼夜としているが、6昼夜でミレトスの港に着港の予定である。帆走する日は5日、櫂で漕走する日を1日としている。いずれにしても航海しなれている海である。今度の航海も無事に行くようにと心の内に祈った。
 ミチリニアモスのほうでは、二人の旅たちについての準備が整ったようである。別れのときが訪れた。二人は、王に丁重に礼を述べた。門口には、王をはじめとして、側近、長老、王の家族と皆が見送ってくれている。二人は、船主、船長とともに入り江の埠頭へと急いだ。
 午後の入り江には、地形の関係と思われる東よりの北風が吹いている。波の照り返しがまぶしい。ここ数日は天候は安定しているものと予想される。
 太陽の高さから推定される時間は、今様、午後3時位と思われる。