オデッセウスとメネラオスの乗った船の船長は17メートルくらいと思われる、真っ黒で、船幅はやや細めの丸い船である。多くの荷物を運ぶ目的で船倉作りになっている交易船である。船の推進は、漕帆両方法であり漕ぎ座は片舷9座で両舷で18座である。真っ黒なのは、防水目的に天然の瀝青(アスファルト類)が塗られていた。メソポタミアとの交易で得た、死海で採掘された天然瀝青ではないかと思われる。
この時代の国富に関する考え方が、交易という名のほぼ略奪と思われるような交易であり、都市国家の持っている軍事力が、都市国家力の差であった。ギリシアのように平野部の少ない地勢の都市国家であっては、なおさらのことである。ギリシアの都市国家間の交通は、陸上交通よりも海上交通のほうが、諸事にとって便利であったのである。
この時代の国富に関する考え方が、交易という名のほぼ略奪と思われるような交易であり、都市国家の持っている軍事力が、都市国家力の差であった。ギリシアのように平野部の少ない地勢の都市国家であっては、なおさらのことである。ギリシアの都市国家間の交通は、陸上交通よりも海上交通のほうが、諸事にとって便利であったのである。