オデッセウスも、メネラオスも、このたびのトロイ訪問は、都市国家の領主としての個性をいつわり、こらえがたきをこらえて、対外接渉を行ってきた。果たすべき用件はほかにあったのである。帰国の途上にある今も、その姿勢を崩してはいない。抗し難い敵中にあっては、身の安全を第一として過ごしてきた。
ペレスポントス海峡の通航料の話し合いにかこつけて、トロイ城市とその周辺の都市国家の情勢を詳しく調べ上げていたのである。
ここにおいて、二人は、やるべきミッションの全てをやり終えて、帰国の途についたと言っていいのである。
あとは、帰国の上、如何にして、軍を起こすかということである。
この船上は、まだ敵地といっていいと二人は思っている。とにかく、今は、ミレトスへなのだ。
この頃、スパルタのメネラオスの館には、トロイからの客が訪れていたのである。
ペレスポントス海峡の通航料の話し合いにかこつけて、トロイ城市とその周辺の都市国家の情勢を詳しく調べ上げていたのである。
ここにおいて、二人は、やるべきミッションの全てをやり終えて、帰国の途についたと言っていいのである。
あとは、帰国の上、如何にして、軍を起こすかということである。
この船上は、まだ敵地といっていいと二人は思っている。とにかく、今は、ミレトスへなのだ。
この頃、スパルタのメネラオスの館には、トロイからの客が訪れていたのである。