『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第8章  休戦  8

2007-12-01 07:55:56 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 『アンテノール!此の期に及んで何を言っているのだ。戦争に到った理由が判った。退こうに退けないではないか。勝利するより他に道がない。アンテノール。ヘクトルに任せて、我々は、市民としての責務を尽くす。あとは運命に従う。例え、敗戦の悲惨が訪れようとも、このトロイは、必ず復活する。俺は、それを信じている。』
 続いて、また一人が口を開いた。
 『ヘレスポントス海峡のことは別にして、七重の膝を八重に折り、惜しみなく賠償を支払って、相手の要求を呑まずばなるまい。王家一族の消滅は致し方がない。ギリシア方も王家の存続は許さんと思うが。』
 アンテノールは、会衆の思いを存分に聞いた。そのあと、城に向かった。
 アンテノールと老臣たちは、王プリアモス、ヘクトル、パリス、側近たちとの協議に及んだ。