『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第8章  休戦  11

2007-12-05 08:30:30 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 休戦二日目。連合軍の将兵たちは、休戦とはいえ、多忙であった。戦場の屍体処理、そして、防御柵の構築と濠を掘り防備を固めた。
 トロイ軍から使者が来た。昨日、休戦の約を交わした、イダイオスである。
 連合軍の幕営には、統領のアガメムノン、メネラオス、オデッセウスほか、諸将がつめていた。
 イダイオスは、戦争終結に関する、トロイ側の条件を伝え、協議のテーブルを準備するか、否かを問うた。
 話を聞いていた諸将の中から、デオメデスが強く言い切った。
 『イダイオス、貴君は使者だが、思いのままを君に言う。何を今更、財宝を返す。戦争終結の話し合いのテーブルだと、何をとぼけたことを言っているのだ。もう、トロイには、炎上消滅しかない!心しておけ!判ったら帰れ。』
 アガメムノンは、申し入れについて、一考もせずに返答した。
 『聞いての通りだ。明朝、日の出を以って戦闘を開始する。以上だ。』
 イダイオスは、生きて帰れるかと、自分の運命を考えた。