『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第9章  戦闘再開  10 

2007-12-18 09:44:29 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 『おい、名は何と言う。』 『俺の名か。ドローンだ。』
 『暗闇の中、何処へ行こうとしている。』
 『俺の行く先か、聞いてどうする。』
 『この真夜中に何処へ行って、何をしようというのだ。』
 『野暮用だ。いちいち、お前に言うことはないだろう。女のことだ、惚れた女がこの陣営に居るのだ。そこへ行って、用を済ませるだけだ。』
 『白状しろ。しないのなら、即、お前の命を絶つ!いいな。』 脅かされて、ドローンは怯んだ。
 『白状したら命を助けてくれるのか。』 『事の次第による。』
 三人は、二、三のやり取りをした。ドローンは、締め上げられて白状に及んだ。
 『俺は、ヘクトルの命令で、お前等の内情の偵察に来た。白状する。知っていることは、何でも言う。命だけは助けてくれ。お願いだ。身の代は、あとから届ける。お願いだ、助けてくれ。』
 オデッセウスは、にこやかに話しかけた。
 『よかろう。俺の質問に答えろ。お前の命をとったりはしない。安心しろ。トロイの陣地は、どうなっているか、俺に言え。』
 ドローンは、問われるままに、トロイ軍の事についてしゃべった。ドローンが、改めて命乞いをするところをオデッセウスは、ドローンの首を一刀のもとに斬りおとした。
 ドローンの話で敵情を知った二人は、再び、敵の陣営に向かった。ドローンの話に嘘はなかった。二人は、トロイ援軍のトラキア軍を襲うことにした。