アキレスの陣営幕舎の戸口に立ったオデッセウスは、そこにいる番兵を無視して大声で呼びかけた。
『お~い、アキレス!いるか。俺だ。入るぞ、いいな。』
それはオデッセウスの声であった。
アキレスは、あの疫病事件以来、このかた、オデッセウスやアイアースに会っていない、戦場にいる彼等を遠くに望見した日は、幾日かあった。膝をあわせて話し合うのは、半月ぶりではなかろうか、耳にする声が懐かしかった。
『お~お、御歴々、どうした。中に入って、おちついてくれ。』
オデッセウスたち一行は、言われるままに中に入って腰を落ち着けた。アキレスの傍らには、幼いときからの友パトロクロスもいる。アキレスは、小者に言いつけて、酒食の膳を整えさせ、かっての戦場の友とくつろぎのときを過ごすことにした。座に着いた彼等は、神に感謝をすませ、親しく肉を焼き、美酒を飲み、友諠を尽くして話をはずませた。やがて、酒食に飽きる頃になり、アキレスは、オデッセウスに声をかけた。
『お~い、アキレス!いるか。俺だ。入るぞ、いいな。』
それはオデッセウスの声であった。
アキレスは、あの疫病事件以来、このかた、オデッセウスやアイアースに会っていない、戦場にいる彼等を遠くに望見した日は、幾日かあった。膝をあわせて話し合うのは、半月ぶりではなかろうか、耳にする声が懐かしかった。
『お~お、御歴々、どうした。中に入って、おちついてくれ。』
オデッセウスたち一行は、言われるままに中に入って腰を落ち着けた。アキレスの傍らには、幼いときからの友パトロクロスもいる。アキレスは、小者に言いつけて、酒食の膳を整えさせ、かっての戦場の友とくつろぎのときを過ごすことにした。座に着いた彼等は、神に感謝をすませ、親しく肉を焼き、美酒を飲み、友諠を尽くして話をはずませた。やがて、酒食に飽きる頃になり、アキレスは、オデッセウスに声をかけた。