彼らは、一斉に積載に取り掛かった。アンテウスは、細心の注意を払って積載を点検していった。
『お前らの造った台車は、この最終便が6回目の荷役だ。中には数台、例外もあるが、この荒れた道を重い用材を積んで5回もの荷役に耐えたのだ。今日が最終の荷役だ。お前ら、急がずともいい、舟艇建造の浜までの道を無事に運搬することだけを考えて行け。この業務はそれで終える、いいな。安全と無事故が第一だ』
彼は、息を止めて大きく息を吸った。
『では、出発する。者どもっ、出発っ!』 大声で号令を掛けた。一同から、
『おうっ!』『おうっ!』
返事が号令にこだまする、台車のクルマが地を噛む音が響いた。
アンテウスは、進み行く隊列を見送って、心なしに森を振り返った。
用材を伐りだした木々の伐り株が真新しい。彼は知らず知らずのうちに頭(こうべ)を垂れていた。こみあげるえもいわれぬ感謝の念を覚えずにはいられなかった。
『木々たちよ、我々の、俺たちの役に立ってくれて、ありがとう。必ず、カタチを変えて役立てるからな』
彼は、木の伐り株がうなづいてくれるのを肌に感じた。
『お前らの造った台車は、この最終便が6回目の荷役だ。中には数台、例外もあるが、この荒れた道を重い用材を積んで5回もの荷役に耐えたのだ。今日が最終の荷役だ。お前ら、急がずともいい、舟艇建造の浜までの道を無事に運搬することだけを考えて行け。この業務はそれで終える、いいな。安全と無事故が第一だ』
彼は、息を止めて大きく息を吸った。
『では、出発する。者どもっ、出発っ!』 大声で号令を掛けた。一同から、
『おうっ!』『おうっ!』
返事が号令にこだまする、台車のクルマが地を噛む音が響いた。
アンテウスは、進み行く隊列を見送って、心なしに森を振り返った。
用材を伐りだした木々の伐り株が真新しい。彼は知らず知らずのうちに頭(こうべ)を垂れていた。こみあげるえもいわれぬ感謝の念を覚えずにはいられなかった。
『木々たちよ、我々の、俺たちの役に立ってくれて、ありがとう。必ず、カタチを変えて役立てるからな』
彼は、木の伐り株がうなづいてくれるのを肌に感じた。