『オキテス殿、これはこれは、カッコイイ船ですな。何といえばいいのか、言葉が続かない』
渚からガリダたちの身柄をハシケでヘルメスに運んだ。オキテスはガリダにギアスを紹介する。
『ガリダ頭領、こちらがこのヘルメスを操艇するギアス艇長です』
『そうですか。ギアス艇長、私がガリダです』
二人は手を握りあった。アヱネアスがガリダに声をかける。
『お~お、ガリダ頭領、ヘルメス艇に、ようこそ!』と歓迎の言葉がけをした。
ギアスが出航を控えて風を読んでいる、オキテスから声がとどく。
『ギアス!スタートだ!』
ギアスが声を上げる。
『漕ぎかた一同!いいな!』
漕ぎかた一同を見まわす。
『漕ぎかた、始め!』
ヘルメスが波を割りはじめる。やや強い西からの風である。風に飛ぶ櫂操作の飛沫が艇上の者たちの顔にあたる、ヘルメスは小島の西岸に沿って北上した。
ほどなく方向転換点にさしかかる。ギアスの指示が飛ぶ。
『操舵、右方向!北岸に沿って西へだ』『了解!』
『中央帆柱、帆を上げ!』『了解!』
展帆担当が三角帆型の台形の帆を簡単操作で展帆する、帆が風をはらむ、帆走するヘルメス、舳先きが飛沫を上げて波を割る。
『漕ぎかた停止、櫂をあげろ!』
ヘルメスは、風をはらむ帆にひかれるように海上を走った。
ガリダが声をあげる。言葉が口をついて出る。
『お~お、これはすごい!』
風をはらむ帆、走るヘルメス、速さと走行安定状態にガリダは驚嘆した。
ギアスの指示が飛んだ。
『舳先き、艇尾、帆をあげろ!』
舳先き、艇尾の帆も間髪を入れず、風をはらんだ。ヘルメスは加速して波を割った。瞬く間に小島の北を走り抜けた。
『ギアス、もういいだろう。小島の東岸に沿って浜へ向かってくれ』
ギアスは方向転換と漕ぎの指示を出した。ヘルメスは小島の東岸に沿って南下していく、オキテスはガリダに話しかけた。
『ガリダ頭領、小島を見てください。あそこが我々の漁の基地です』
『ほっほう、そうですか、盛大にやっていますな』
ヘルメスが浜に帰り着いた。アヱネアスが声をかける。
『ガリダ頭領、いかがでしたかな?』
ガリダの口をついて出た言葉は、
『いやいや、恐れ入りました。感動ものですな。あの走り、あの速さに驚きました。そして、全く新しい走りの船ですな。ありがとうございました』
ガリダは、オキテスにも同様の感動を述べた。
浜には、アレテスから塩漬け魚と干し魚が梱包されて届いていた。オキテスは、その梱包をガリダに手渡した。
『これは何だ?俺に呉れるのか』
『そうです。塩漬け魚と干し魚です。賞味してください』
渚からガリダたちの身柄をハシケでヘルメスに運んだ。オキテスはガリダにギアスを紹介する。
『ガリダ頭領、こちらがこのヘルメスを操艇するギアス艇長です』
『そうですか。ギアス艇長、私がガリダです』
二人は手を握りあった。アヱネアスがガリダに声をかける。
『お~お、ガリダ頭領、ヘルメス艇に、ようこそ!』と歓迎の言葉がけをした。
ギアスが出航を控えて風を読んでいる、オキテスから声がとどく。
『ギアス!スタートだ!』
ギアスが声を上げる。
『漕ぎかた一同!いいな!』
漕ぎかた一同を見まわす。
『漕ぎかた、始め!』
ヘルメスが波を割りはじめる。やや強い西からの風である。風に飛ぶ櫂操作の飛沫が艇上の者たちの顔にあたる、ヘルメスは小島の西岸に沿って北上した。
ほどなく方向転換点にさしかかる。ギアスの指示が飛ぶ。
『操舵、右方向!北岸に沿って西へだ』『了解!』
『中央帆柱、帆を上げ!』『了解!』
展帆担当が三角帆型の台形の帆を簡単操作で展帆する、帆が風をはらむ、帆走するヘルメス、舳先きが飛沫を上げて波を割る。
『漕ぎかた停止、櫂をあげろ!』
ヘルメスは、風をはらむ帆にひかれるように海上を走った。
ガリダが声をあげる。言葉が口をついて出る。
『お~お、これはすごい!』
風をはらむ帆、走るヘルメス、速さと走行安定状態にガリダは驚嘆した。
ギアスの指示が飛んだ。
『舳先き、艇尾、帆をあげろ!』
舳先き、艇尾の帆も間髪を入れず、風をはらんだ。ヘルメスは加速して波を割った。瞬く間に小島の北を走り抜けた。
『ギアス、もういいだろう。小島の東岸に沿って浜へ向かってくれ』
ギアスは方向転換と漕ぎの指示を出した。ヘルメスは小島の東岸に沿って南下していく、オキテスはガリダに話しかけた。
『ガリダ頭領、小島を見てください。あそこが我々の漁の基地です』
『ほっほう、そうですか、盛大にやっていますな』
ヘルメスが浜に帰り着いた。アヱネアスが声をかける。
『ガリダ頭領、いかがでしたかな?』
ガリダの口をついて出た言葉は、
『いやいや、恐れ入りました。感動ものですな。あの走り、あの速さに驚きました。そして、全く新しい走りの船ですな。ありがとうございました』
ガリダは、オキテスにも同様の感動を述べた。
浜には、アレテスから塩漬け魚と干し魚が梱包されて届いていた。オキテスは、その梱包をガリダに手渡した。
『これは何だ?俺に呉れるのか』
『そうです。塩漬け魚と干し魚です。賞味してください』