オキテスが指揮をしている燃料の薪の集積は、考えていた以上の成果となっている。パリヌルスは、浜の整備に小島の整備にと忙しく立ち回っていた。彼らは、休むことなく『これから』を思案し続けていた。イリオネスは、集落をくまなく見て回り、築砦と城市の形成に関して、脳漿を搾り、滴り落ちる思案を取捨選択して構想をまとめていった。オロンテスは、己が担当している多岐にわたる役務を洗い直し、如何にあるべきかを思案して考えをまとめあげていった。
入るをどのように計り、出るをどのように制していくか、むつかしい課題であった。彼ら一族としての所帯は小さい、だが、各部署を采配する者にとっては大きく感じられた。700人余りで構成されている所帯である。アヱネアスはのスタンスは、建国という名の事業の達成を希み、脚下照顧を怠らず、前への一歩は着実に踏み出す思いで構想した。彼がイリオネスと話すときは『少を集積して、大を為そう』といった趣旨で語られることが多かった。彼らは、農耕社会に生きる戦闘集団として、族の性格を形づくっていた。
時代の流れは、交易による立国、貨幣制度へと物々交換経済からの脱却へ進もうとしている。そのような時代の流れの兆候が見え始めていた。しかし、時代は、財貨ではなく財宝の時代であり、価値決めは、力による、賊的横暴さで、極端に言えば、略奪的で値決めがなされたといってもいいくらいであった。力のある者のみが事を有利にする時代であり、為政の頂点にある者たちは、己を顧みることなく、志向と思考で狙い定めた相手を完膚無きまでに制圧を徹底して、領土の収奪、相手所有の財宝等の略奪、人民の捕縛とその奴隷化とエゴ的スタンスで本能のおむくままに実行をしていた時代であった。為政者はその実行に必要とする物を本能的パワーで考え、機器を造り、人間がなす成果を拡大していく、技術革新とそれを使う人的パワー、機器を使いこなす人的技量を高めていったといっていい時代であった。それが人間が構成する社会の進化のカタチであったと考えられる。心技智体を育み、族としての力を高めて、標的とした族、その領を制圧していった。また一方では野心なき為政者の統べている小民族においては、民族の劣化を避けることができず、それが族社会の盲点と言っていい部分であった。
入るをどのように計り、出るをどのように制していくか、むつかしい課題であった。彼ら一族としての所帯は小さい、だが、各部署を采配する者にとっては大きく感じられた。700人余りで構成されている所帯である。アヱネアスはのスタンスは、建国という名の事業の達成を希み、脚下照顧を怠らず、前への一歩は着実に踏み出す思いで構想した。彼がイリオネスと話すときは『少を集積して、大を為そう』といった趣旨で語られることが多かった。彼らは、農耕社会に生きる戦闘集団として、族の性格を形づくっていた。
時代の流れは、交易による立国、貨幣制度へと物々交換経済からの脱却へ進もうとしている。そのような時代の流れの兆候が見え始めていた。しかし、時代は、財貨ではなく財宝の時代であり、価値決めは、力による、賊的横暴さで、極端に言えば、略奪的で値決めがなされたといってもいいくらいであった。力のある者のみが事を有利にする時代であり、為政の頂点にある者たちは、己を顧みることなく、志向と思考で狙い定めた相手を完膚無きまでに制圧を徹底して、領土の収奪、相手所有の財宝等の略奪、人民の捕縛とその奴隷化とエゴ的スタンスで本能のおむくままに実行をしていた時代であった。為政者はその実行に必要とする物を本能的パワーで考え、機器を造り、人間がなす成果を拡大していく、技術革新とそれを使う人的パワー、機器を使いこなす人的技量を高めていったといっていい時代であった。それが人間が構成する社会の進化のカタチであったと考えられる。心技智体を育み、族としての力を高めて、標的とした族、その領を制圧していった。また一方では野心なき為政者の統べている小民族においては、民族の劣化を避けることができず、それが族社会の盲点と言っていい部分であった。