林家彦六という噺家がいました。飄々とした芸風ながら硬骨漢でありました。
その彦六について弟子の林家木久蔵がその著『昭和下町人情話』(生活人新書・NHK出版)の中でこんな話を書いています。
《ある時、師匠が長火鉢の前に座っていて、ポツンとこんなことを言い出しました。
「旨い焼き鳥っていうのは、なかなかないもんででねェ・・・」(中略)
「千葉の外房のほうじゃ、旨い焼き鳥を食わせるところがあってねェ・・・。そこじゃあ、庭に鶏を放し飼いにしてるから身がしまっていて、貝殻なんかもついばんでいて肉がしっかりしてるんだが、そいつを捕まえて、庭に穴を掘って、首だけ出しといて土の中に埋めちまうんだ・・・」
「・・・それで、その鶏の後ろでどんどんたき火をすると、鶏のヤツはうしろが暑いから、とにかく喉が渇いて仕様がない。・・・そこをみはからって、ミリンと醤油を半々に入れたドンブリを鶏の目の前におくとノドが渇いてるから鶏がそれを夢中になって飲んじまう。・・・この鶏を食うと、醤油とミリンがしみて、これが旨ェんだ。・・・でもこの話、あてにならないけどねェ・・・」》
どうです。どなたかやってみませんか。
※林家彦六 1982年88歳で没
その彦六について弟子の林家木久蔵がその著『昭和下町人情話』(生活人新書・NHK出版)の中でこんな話を書いています。
《ある時、師匠が長火鉢の前に座っていて、ポツンとこんなことを言い出しました。
「旨い焼き鳥っていうのは、なかなかないもんででねェ・・・」(中略)
「千葉の外房のほうじゃ、旨い焼き鳥を食わせるところがあってねェ・・・。そこじゃあ、庭に鶏を放し飼いにしてるから身がしまっていて、貝殻なんかもついばんでいて肉がしっかりしてるんだが、そいつを捕まえて、庭に穴を掘って、首だけ出しといて土の中に埋めちまうんだ・・・」
「・・・それで、その鶏の後ろでどんどんたき火をすると、鶏のヤツはうしろが暑いから、とにかく喉が渇いて仕様がない。・・・そこをみはからって、ミリンと醤油を半々に入れたドンブリを鶏の目の前におくとノドが渇いてるから鶏がそれを夢中になって飲んじまう。・・・この鶏を食うと、醤油とミリンがしみて、これが旨ェんだ。・・・でもこの話、あてにならないけどねェ・・・」》
どうです。どなたかやってみませんか。
※林家彦六 1982年88歳で没