集団的自衛権行使の憲法解釈の変更に意欲を語っている安倍首相。もしかしたらクーデターにも等しい行為なのかもしれませんが、いわき市文化センターで15日、憲法について学ぶ講演会が開かれ、聴講しましたので、その内容のご報告・・。
「憲法のいきづく国に!~わかりやすい憲法の話」と題する講演で、講師は弁護士で日弁連憲法委員会副委員長、法律家の育成をめざして司法試験の受験指導にあたる「伊藤塾」の塾長としても知られる伊藤真さんでした。
そのお話、楽しく聞きました。
明治憲法から日本国憲法へ憲法価値が転換されたことから講演が始まりました。
そして、日本国憲法が「個人の尊重を中核とする立憲主義の理念」を基盤として成立していながら、これが国民に教育されてこなかったことを指摘した伊藤さんは、30年前から立憲主義の大切さを言い続けてきたといいます。
やっと最近、政治家たちが「立憲主義」と言い出してきましたね、と紹介一方で、"集団自衛権行使の憲法解釈を変える責任者は首相だ"という「安倍首相はいまだに知らずにいますね」と批判したことに、思わず笑ってしまいました。
また法律は、その地域、その時代の多数意見で作られることから正しい内容を持つものの、多数意見が常に正しい答えを出しているわけではないと言います。その例としてあげたのが、ヒトラーによるナチズムで引き起こされたユダヤ人迫害でした。
多数の意見が常に正しいわけではないからこそ多数意見にも歯止めが必要で、多数意見でも奪えない価値が人権や平和であり、それを守るためにあらかじ書いたのが「憲法」だと話しました。
そして、これは良く聞く話ですが、憲法で国家の権力行使に歯止めをかけるという考え方が「立憲主義」だそうです。民主主義社会では多数派による民意を反映した権力行使に歯止めをかけるという意味も持っている、と説明しました。
これに対して自民党の改憲草案は、現在の憲法に含まれる納税の義務など3つの義務に加え「国防義務」「日の丸・君が代尊重義務」「公益及び秩序服従義務」など新たに10の義務を国民に課そうとしています。
おまけに「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と憲法擁護義務を国民に課した上で、「国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を養護する義務を負う」と、天皇・摂政を削除していると指摘します。
昨年12月の80歳の誕生日会見で天皇の発言が、週刊文春で次のように報じられました。
「日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました」と指摘。「当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならない」と付け加えられた。皇室の活動と政治との関わりについての質問には、「今後とも憲法を遵守する立場に立って、事に当たっていく」と明言された。
伊藤さんはこれを意識したのでしょう。「今の天皇が最も憲法を大切にしているのではないかと思っちゃう」。思わず納得してしまいました。
また、自民党改憲草案では、国民に補償する自由及び権利に「責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」と書き込み、法律でいくらでも制限できるようにしていることを批判しています。
さらに日本国憲法前文は「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と、国民のみならず世界の平和に言及していることから、日本が「積極的非暴力平和主義」を明確にしていると言います。ところが自民党の憲法草案は、これら平和的生存権などを削除した上で、国防軍の創設などを打ち出しました。
伊藤さんは言います。日本国憲法は、日本の先進性があらわれた独自の「徹底した恒久平和主義」に立った「Japan Brand」(ジャパン・ブランド)だ。「ジャパン・ブランド」。いいですね。この言葉。そして、この「人類の英知を否定」して「(戦争を前提とした)世界の常識」に合わせる必要はないですよね。
ジャパン・ブランド。憲法のこの先進性は、世界に誇って良いものだとつくづく感じました。多くの市民のみなさんにもこのブランドの意味を伝えていきたいですね。
「憲法のいきづく国に!~わかりやすい憲法の話」と題する講演で、講師は弁護士で日弁連憲法委員会副委員長、法律家の育成をめざして司法試験の受験指導にあたる「伊藤塾」の塾長としても知られる伊藤真さんでした。
そのお話、楽しく聞きました。
明治憲法から日本国憲法へ憲法価値が転換されたことから講演が始まりました。
そして、日本国憲法が「個人の尊重を中核とする立憲主義の理念」を基盤として成立していながら、これが国民に教育されてこなかったことを指摘した伊藤さんは、30年前から立憲主義の大切さを言い続けてきたといいます。
やっと最近、政治家たちが「立憲主義」と言い出してきましたね、と紹介一方で、"集団自衛権行使の憲法解釈を変える責任者は首相だ"という「安倍首相はいまだに知らずにいますね」と批判したことに、思わず笑ってしまいました。
また法律は、その地域、その時代の多数意見で作られることから正しい内容を持つものの、多数意見が常に正しい答えを出しているわけではないと言います。その例としてあげたのが、ヒトラーによるナチズムで引き起こされたユダヤ人迫害でした。
多数の意見が常に正しいわけではないからこそ多数意見にも歯止めが必要で、多数意見でも奪えない価値が人権や平和であり、それを守るためにあらかじ書いたのが「憲法」だと話しました。
そして、これは良く聞く話ですが、憲法で国家の権力行使に歯止めをかけるという考え方が「立憲主義」だそうです。民主主義社会では多数派による民意を反映した権力行使に歯止めをかけるという意味も持っている、と説明しました。
これに対して自民党の改憲草案は、現在の憲法に含まれる納税の義務など3つの義務に加え「国防義務」「日の丸・君が代尊重義務」「公益及び秩序服従義務」など新たに10の義務を国民に課そうとしています。
おまけに「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と憲法擁護義務を国民に課した上で、「国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を養護する義務を負う」と、天皇・摂政を削除していると指摘します。
昨年12月の80歳の誕生日会見で天皇の発言が、週刊文春で次のように報じられました。
「日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました」と指摘。「当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならない」と付け加えられた。皇室の活動と政治との関わりについての質問には、「今後とも憲法を遵守する立場に立って、事に当たっていく」と明言された。
伊藤さんはこれを意識したのでしょう。「今の天皇が最も憲法を大切にしているのではないかと思っちゃう」。思わず納得してしまいました。
また、自民党改憲草案では、国民に補償する自由及び権利に「責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」と書き込み、法律でいくらでも制限できるようにしていることを批判しています。
さらに日本国憲法前文は「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と、国民のみならず世界の平和に言及していることから、日本が「積極的非暴力平和主義」を明確にしていると言います。ところが自民党の憲法草案は、これら平和的生存権などを削除した上で、国防軍の創設などを打ち出しました。
伊藤さんは言います。日本国憲法は、日本の先進性があらわれた独自の「徹底した恒久平和主義」に立った「Japan Brand」(ジャパン・ブランド)だ。「ジャパン・ブランド」。いいですね。この言葉。そして、この「人類の英知を否定」して「(戦争を前提とした)世界の常識」に合わせる必要はないですよね。
ジャパン・ブランド。憲法のこの先進性は、世界に誇って良いものだとつくづく感じました。多くの市民のみなさんにもこのブランドの意味を伝えていきたいですね。
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