伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

あつれきをあらためて考えてみました

2016年02月16日 | いわき市
 6時30分でマイナス3度。昨日は45分頃で8度位あった。その落差は11度。そのためか寒さがいつもより身にしみるような始まりの朝でした。 シジュウガラ、コジュケイ、ウソ、アトリ、アオジ、ツグミ、カラス、カシラダカ、ジョウビタキ。今朝見かけた野鳥はこんなところでしょうか。

 このうちウソは、ここしばらく近所のお宅の同じ立木の上で、花芽か何かを一生懸命ついばみ、とても近くで撮影しているのですが、逃げる様子もありません。この木は丸裸になってしまうかもしれませんね(胸がピンクがオス、灰色がメス)。





 そしてほぼ毎朝通りかかっているのに気が付かなかったのが、このヤママユガのマユ。すでに羽化が済んで空っぽですが、これまで目に入らなかったことが不思議でなりません。



 午後、いわき市議会の東日本復興特別委員会と双葉8町村の議長で意見交歓会が初めて開かれました。双葉8町村の現状などについて意見が交換されました。

 思えば原発事故後、市民と避難者の間のあつれきが問題になってきました。

 いまはそれほどこの言葉を聞かなくなったように思いますが、解消したのではなく、潜在化してしまっている部分もあると思います。

 このあつれきがなぜおこるのか。その原因には、おそらく経済格差があると思っています。

 震災後、このことが盛んに語られていた頃、市の統計書を見ていて気づいたことがありました。震災前の数字でしたが、双葉郡内の原発立地町といわき市の平均賃金を比較した表を見ると、いわき市の賃金水準がもっとも低かったのです。

 あくまで平均ですので、個々の住民で見ると様々な事情の変化はあると思いますけれども、この賃金格差がベースにあって、原発事故後に実施された賠償でも格差がつけられた。

 経済格差の問題は、以前のようにそれぞれの市町村に別れて暮らしている中では見えにくく、表面化することはなかったでしょう。

 しかし、同じ町に暮らすようになると、市民と市民以外の避難者を区別してみる意識が強くなり、その違いが目につくようになってしまった。その違いに対する不満があつれきという形をとって噴き出し表面化してきたと見るのが妥当だと思います。

 賠償格差は、国が制度的に格差を持ち込んだものですが、結果としてこれが功を奏して被災住民に分断をもたらしたということができます。

 こうしたこと解消していく道は、避難生活をおくる方々の思いを常に情報発信していくことにあるのではないか、と思います。

 あつれきが表面化して、様々な事件がおきた頃には、マスコミも避難生活をおくる方々によりそって、その心情などを取材し報道しましたが、今ではこうした報道はあまり見られません。

 故郷を追われ、その故郷に帰るべきか、それとも新しい土地に安住の地を見出すべきか、悩んでいる方々もいるものと思います。また帰還困難区域のように、現実の問題としてふるさと以外の場所に安住の地を見つけ、新しい生活を創りださなければならない方々もいるでしょう。

 あらためて、同じ原発事故の被災者としての思いを共有していくための取り組みを積み重ねていく。こんなことが求められているように思います。自分なりそのことには気を配っていきたいと思いました。

 さて意見交換が終わり、夕暮れが近づいています。

 議会棟控室の窓から西の空には夕空が広がっていました。

 あっ、太陽から光の柱が立ち上がって見えています。サンピラー(太陽柱)のようです。そういえば数日前の福島民報で、どこかで観測されたと報道されていましたが、私は今シーズンこれで三度目の観測です。

 


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