原発事故後、市民のみなさんから数多く寄せられていた要望の一つ、側溝土砂の撤去を市がすすめることになりました。「日本共産党議員だより」の読者から、その事業内容を詳しく知らせてほしいという声が寄せられていたため、2月19日付の議員だよりの記事にまとめました。
本ブログではすでに2月2日に投稿してあります。でも、あらためてこの時の報告を読むと、書き殴りに近い読みづらい文章でした。今回の報告は推敲を重ね、少し理解していただきやすくなっていると思います。一読ください。
2011年の東電福島第一原子力発電所の事故で土壌が放射性物質に汚染されたことから停止していた市道側溝の土砂の撤去について、担当課から今後の進め方について説明がありました。お知らせします。【伊藤浩之】
本市が市道側溝の撤去を決めたのは昨年8月のことでした。同月に開かれた臨時議会で、市単独事業で実施するとして補正予算が議決されたのです。処分場の確保など線量に応じた土砂処分のめどがついて、事業が実施できるようになったわけです。
本市の決断後、復興庁が補助事業での実施方針を示しました。このため市は、単独の事業の実施に向けて国との調整を続けていました。
このほど調整が整い、本年度の事業のめどがついたことから、市議会への説明となったのでした。
本年度小名浜の一部・次年度から全地区で
本市は当初、本年度中に小名浜地区(予算は議決済み)、翌年度以降は他の地区を対象に、いっせい清掃デーで土砂上げをしていた市道側溝の土砂撤去をする考えでいました。
市が撤去するのはこの1度きりです。撤去した後は、震災前と同様にいっせい清掃デーの実施と合わせて住民のみなさんに土砂を撤去していただく。こういう方向性を持っていました。
復興庁との協議の結果、次のように事業のすすめ方が変わりました。
本年度については、小名浜地区全般ではなく、小名浜地区のうち年度内に事業が完了できる範囲で実施する。具体的には中部浄化センター周辺の地区約18・9キロについて実施することにしました。
新年度には小名浜地区の残りの地域について早々に実施。小名浜地区以外は、各地区との協議を踏まえて新年度に実施する考えが示されています。
事業費は今年度分で約1億円。残りは、実施対象となる側溝の延長が約358・5キロとなることから、加えて約26億4000万円が見込まれています。
事業費は、2分の1が福島再生加速化交付金で措置される他、残り2分の1は震災復興特別交付税で措置されることから、市の負担なしに事業をすすめることができることになるといいます。
排水不良個所等中心に
具体的にどんな場所が撤去されるのか。市は、実施対象区域にある側溝の中で排水不良で土砂が堆積している場所や臭気のきつい場所を中心に土砂の撤去をする考えです。
堆積土砂が薄い場所は排水が良好で、事故直後に汚染された土砂はすでに流下しており、特別の措置は必要ないと考えられているのです。
ただこれまでの経過を見た時に住民のみなさんには疑問もわいてくると思います。
土砂が薄い部分であっても、この5年間、土砂の撤去をしないよう市が指導してきたではないか。こういう疑問です。
もっともな疑問です。
この5年間、土砂を撤去できなかったのは、土砂を処分できないことが理由でした。土砂の汚染状況にかかわらず、撤去された土砂の処分をすることができなかったのです。
今回、市が土砂の撤去に踏み切ることができたのは、この問題を解決することができたためです。
土砂の処分のめどがついたことから、今後は衛生環境の向上のため、市民のみなさんには土砂の撤去に取り組んでいただくことが可能になるものと思われます。
県道でも順次実施
この件にかかわり、「市道の側溝は分かったが、県道はどうなるのか」との質問をいただきました。
昨年の12月県議会土木委員会では、放射性物質汚染対処特措法に基づいて除染実施計画を策定した36市町村(本市も策定済み)8路線、最長約1100キロ全てを対象とし、5年間での完了をめざし、この2月にも県管理の国道や県道で土砂の除去を始めると報道されています(2016/12/16、福島民報)。
こうしたことから、市が実施する市道の土砂撤去に準じ、県道の土砂撤去もすすむものと考えられます。
早期の事業完了望まれる
原発事故の後、市民のみなさんから側溝の土砂撤去の実施を求める要望をたびたびいただきました。
「土砂を撤去したんですけど、この後どうすれば良いでしょうか」と相談を受け、対応が難しい旨答えたこともありました。
土砂撤去を求める要望に、「水が放射線を遮蔽するので側溝の底で水に沈んでいる環境の方が安全」と、納得していただいたこともありました。
市民の切実な願いが、実現に向けて動き出したことは大いに歓迎されます。早期の事業完了が望まれます。
原子力発電から撤退を
一方、実現に至るまで原発事故から5年も過ぎています。ここには原発事故対応の難しさが示されています。
こうした原発をエネルギーのベースロードと位置付けながら再稼働しようとする国の方針には問題があります。東京電力福島第二原子力発電所の廃炉に応じない、東京電力や国のあり方にも問題があります。
5年が過ぎてやっと動き出す事業がある。こうした現実を踏まえて、コントロールが困難な原子力発電事業からは国として撤退する。本市としても、あらためてこのことを強く求めていかなければならないと思います。
本ブログではすでに2月2日に投稿してあります。でも、あらためてこの時の報告を読むと、書き殴りに近い読みづらい文章でした。今回の報告は推敲を重ね、少し理解していただきやすくなっていると思います。一読ください。
側溝土砂の撤去・市内でも順次実施
市が今後の考えを議会に説明
市が今後の考えを議会に説明
2011年の東電福島第一原子力発電所の事故で土壌が放射性物質に汚染されたことから停止していた市道側溝の土砂の撤去について、担当課から今後の進め方について説明がありました。お知らせします。【伊藤浩之】
本市が市道側溝の撤去を決めたのは昨年8月のことでした。同月に開かれた臨時議会で、市単独事業で実施するとして補正予算が議決されたのです。処分場の確保など線量に応じた土砂処分のめどがついて、事業が実施できるようになったわけです。
本市の決断後、復興庁が補助事業での実施方針を示しました。このため市は、単独の事業の実施に向けて国との調整を続けていました。
このほど調整が整い、本年度の事業のめどがついたことから、市議会への説明となったのでした。
本年度小名浜の一部・次年度から全地区で
本市は当初、本年度中に小名浜地区(予算は議決済み)、翌年度以降は他の地区を対象に、いっせい清掃デーで土砂上げをしていた市道側溝の土砂撤去をする考えでいました。
市が撤去するのはこの1度きりです。撤去した後は、震災前と同様にいっせい清掃デーの実施と合わせて住民のみなさんに土砂を撤去していただく。こういう方向性を持っていました。
復興庁との協議の結果、次のように事業のすすめ方が変わりました。
本年度については、小名浜地区全般ではなく、小名浜地区のうち年度内に事業が完了できる範囲で実施する。具体的には中部浄化センター周辺の地区約18・9キロについて実施することにしました。
新年度には小名浜地区の残りの地域について早々に実施。小名浜地区以外は、各地区との協議を踏まえて新年度に実施する考えが示されています。
事業費は今年度分で約1億円。残りは、実施対象となる側溝の延長が約358・5キロとなることから、加えて約26億4000万円が見込まれています。
事業費は、2分の1が福島再生加速化交付金で措置される他、残り2分の1は震災復興特別交付税で措置されることから、市の負担なしに事業をすすめることができることになるといいます。
排水不良個所等中心に
具体的にどんな場所が撤去されるのか。市は、実施対象区域にある側溝の中で排水不良で土砂が堆積している場所や臭気のきつい場所を中心に土砂の撤去をする考えです。
堆積土砂が薄い場所は排水が良好で、事故直後に汚染された土砂はすでに流下しており、特別の措置は必要ないと考えられているのです。
ただこれまでの経過を見た時に住民のみなさんには疑問もわいてくると思います。
土砂が薄い部分であっても、この5年間、土砂の撤去をしないよう市が指導してきたではないか。こういう疑問です。
もっともな疑問です。
この5年間、土砂を撤去できなかったのは、土砂を処分できないことが理由でした。土砂の汚染状況にかかわらず、撤去された土砂の処分をすることができなかったのです。
今回、市が土砂の撤去に踏み切ることができたのは、この問題を解決することができたためです。
土砂の処分のめどがついたことから、今後は衛生環境の向上のため、市民のみなさんには土砂の撤去に取り組んでいただくことが可能になるものと思われます。
県道でも順次実施
この件にかかわり、「市道の側溝は分かったが、県道はどうなるのか」との質問をいただきました。
昨年の12月県議会土木委員会では、放射性物質汚染対処特措法に基づいて除染実施計画を策定した36市町村(本市も策定済み)8路線、最長約1100キロ全てを対象とし、5年間での完了をめざし、この2月にも県管理の国道や県道で土砂の除去を始めると報道されています(2016/12/16、福島民報)。
こうしたことから、市が実施する市道の土砂撤去に準じ、県道の土砂撤去もすすむものと考えられます。
早期の事業完了望まれる
原発事故の後、市民のみなさんから側溝の土砂撤去の実施を求める要望をたびたびいただきました。
「土砂を撤去したんですけど、この後どうすれば良いでしょうか」と相談を受け、対応が難しい旨答えたこともありました。
土砂撤去を求める要望に、「水が放射線を遮蔽するので側溝の底で水に沈んでいる環境の方が安全」と、納得していただいたこともありました。
市民の切実な願いが、実現に向けて動き出したことは大いに歓迎されます。早期の事業完了が望まれます。
原子力発電から撤退を
一方、実現に至るまで原発事故から5年も過ぎています。ここには原発事故対応の難しさが示されています。
こうした原発をエネルギーのベースロードと位置付けながら再稼働しようとする国の方針には問題があります。東京電力福島第二原子力発電所の廃炉に応じない、東京電力や国のあり方にも問題があります。
5年が過ぎてやっと動き出す事業がある。こうした現実を踏まえて、コントロールが困難な原子力発電事業からは国として撤退する。本市としても、あらためてこのことを強く求めていかなければならないと思います。
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