今日の目覚めは新舞子ハイツ。朝のうちに温泉につかり、海上に浮かぶ太陽を見ながら朝の時間を過ごしました。
空にかかった雲の隙間から差し込む光が洋上を照らす。地上でもおきるのでしょうけど、起伏があるために見ることができないのですよね。この風景を見ることができて得をした気分でした。
ハイツの横を流れる滑津川は護岸工事がすすみ、水面には水鳥が羽を休めていました。カルガモは仲良く列をなして水面を滑り(先の写真)、鼻筋が白く見えるのはオオバンでしょうか(後の写真)。
午前10時からは勿来地区で街頭宣伝が予定されていました。一度自宅に戻って事務所に向かいます。
同地区のスーパーマーケットなどをめぐり6ヶ所で演説をして、前日に5野党の党首会談が開かれ、戦争法(安保法制)の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回、そして与党を少数に追い込んで安倍政権の打倒をめざすことなどをすすめるために選挙協力をすすめることなどで合意したことを報告しながら、この実現に向けて日本共産党に今後とも支援をいただけるように訴えました。
そして午後、しんぶん赤旗の配達を忙しくすませながら、内郷のいわき市保健福祉センターに向かいました。昨年、「放射線医学総合研究所福島復興支援本部いわき市出張所」が内郷支所内に開設されましたが、これを記念した講演会「放射線医学研究の最前線~放医研の研究でわかってきたこと」が開かれたので、講演を聞きに行ってきたのです。
昨年12月定例会の一般質問の項目の一つで、放医研が出張所を開いたことから協力を得ながら市民向けの講演会開催等の取り組みをすすめるよう求めていたこともありますし、これは聞いておかなければならないと考えていたのです。
放医研というと体制よりだという視点から、批判的にみる方もあります。一方では放射線に関する専門家集団でもありますので、その知識を吸収することで、原発事故後の市民生活の暮らしに活かしていくという視点は必要で、むやみに安心したり、むやみに不安がったりすることなく、学んで、現状を落ち着いて判断する力を持つことが必要と考えています。この時の質問もそうした思いからのものでした。
講演は、放医研理事で医学博士の明石真言さん、薬学博士の柿沼志津子さん、農学博士の渡辺嘉人さん、医学博士の須原哲也さんが行いました。
「放医研5年間のあゆみ」と題して公演した明石さんは、原発事故後の放医研の活動を紹介しました。タービン建屋で高濃度の汚染水に足を浸けて「β線熱傷の怖れ」と報道された労働者(実際はβ線熱傷ではなかったという)をはじめとした被爆者11名の線量評価と除染を行ったことや、福島県が実施している「県民健康調査」で被ばく線量を推定するソフトウェアを提供したことなどを紹介しました。
「こどもに対する放射線影響とその低減化」と題した柿沼さんは、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の2013年報告で、「被ばく線量が同じであれば、子どもは成人より高い発がんリスクを持つこと、子ども期の被爆によるがんの生涯リスクは、全年齢の場合に比べて2~3倍高くなると推定」されていることが、疫学調査や動物実験で確認されていることを紹介しました。
さらに疫学調査からは、1日10本程度の喫煙で放射線による発がんリスクが3倍になり、1箱の喫煙では放射線による発がんリスクがタバコの発がんリスクに隠れてしまうこと。逆に緑黄野菜や果物摂取はリスクを低減させるなど、生活習慣が放射線被曝による発がんリスクに影響することがわかってきたと報告しました。
また、動物実験では、被爆時の年令によって、がんの発生する臓器が異なる事が分かってきたといい、動物実験の結果、子ども期の被爆後、成体になってからカロリー制限をすることが、放射線による発がんリスクを下げ、寿命延長につながることが分かったと報告しました。
質問に答える中で、個人的見解と断りながら、福島の放射線量のもとでは発がんリスクの心配はないと考えているものの、リスクがあると思って対応していくことが大切だということ、また、原爆の影響の研究から、胎児期のうち放射線の影響を受けやすい一時期をのぞいて、胎児から子ども期にかけて被ばくがあったとしても遺伝に影響を受ける心配はないと考えていることを説明しました。
「福島第一原発の周囲での環境への影響」と題した渡辺さんは、帰還困難区域内での野生動植物の調査状況を報告しました。
植物ではスギやマツ、モミ等の針葉樹、動物では野ネズミ、サンショウウオ、メダカで帰還困難区域で調査を実施したといいます。
2012年7月時点で、1時間あたりの線量が30μsvから80μsvの場所で捕獲されたヒメネズミでは、比較のための対象個体に比べて、脾臓のリンパ球での二動原体染色体異常が優位に高く、帰還困難区域の2ヶ所で捕獲したメダカのエラの染色体異常は、比較対象個体に比べても大きな違いはなかったといいます。
一方、帰還困難区域のモミの個体群は、東電福島第一原発から離れた地域の個体群に比べて形態変化の発生頻度に顕著な増加が認められ、その頻度は空間線量率に依存して高くなることが分かったといいます。
ただ、自然環境では、様々な要因が影響していることを排除できないために、今後実験施設での放射線照射実験等を行い、これらが放射線の影響かどうかを解明することが今後求められているといいます。
「画像で見る脳の老化と認知症の早期診断~認知症はいつ始まるのか」と題した須原さんは、認知症の原因は、脳にたまる異常タンパク質にあるとして、その状況をポジトロン断層撮影(PET)で撮影できるようになったことから、認知症発症のメカニズムの解明や早期診断、認知症の治療薬の開発につながっていくと説明し、医学利用における放射線のプラス面を紹介していました。
講演会は会場いっぱいの聴講者がおり、会場からの質問の中で、竹の枯死など環境の変化に不安を覚えていることなどを話す方もいました。これらが自然におこっていることなのか、原発事故の影響なのかは、専門的な見地からの研究が必要だと思いますが、こうした講演会や研究を通じて、これらの原因が解明され、わからないゆえの漠然とした不安から、広く市民が開放されることが期待されます。
原発事故の直後、立命館大名誉教授の安斎育郎さんや日本大学の野口邦和さんの講演を聞いて現状把握をし、その後の考えの基礎を据えることができたことを思い出します。まずは専門家の声に耳を傾け、自分なりに考え、一つの結果を出していくことが大切だということを、あらためてかみしめてお話しを聞くことできました。
今後、どのように事業が展開されるのか、良く見ていきたいと思います。
空にかかった雲の隙間から差し込む光が洋上を照らす。地上でもおきるのでしょうけど、起伏があるために見ることができないのですよね。この風景を見ることができて得をした気分でした。
ハイツの横を流れる滑津川は護岸工事がすすみ、水面には水鳥が羽を休めていました。カルガモは仲良く列をなして水面を滑り(先の写真)、鼻筋が白く見えるのはオオバンでしょうか(後の写真)。
午前10時からは勿来地区で街頭宣伝が予定されていました。一度自宅に戻って事務所に向かいます。
同地区のスーパーマーケットなどをめぐり6ヶ所で演説をして、前日に5野党の党首会談が開かれ、戦争法(安保法制)の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回、そして与党を少数に追い込んで安倍政権の打倒をめざすことなどをすすめるために選挙協力をすすめることなどで合意したことを報告しながら、この実現に向けて日本共産党に今後とも支援をいただけるように訴えました。
そして午後、しんぶん赤旗の配達を忙しくすませながら、内郷のいわき市保健福祉センターに向かいました。昨年、「放射線医学総合研究所福島復興支援本部いわき市出張所」が内郷支所内に開設されましたが、これを記念した講演会「放射線医学研究の最前線~放医研の研究でわかってきたこと」が開かれたので、講演を聞きに行ってきたのです。
昨年12月定例会の一般質問の項目の一つで、放医研が出張所を開いたことから協力を得ながら市民向けの講演会開催等の取り組みをすすめるよう求めていたこともありますし、これは聞いておかなければならないと考えていたのです。
放医研というと体制よりだという視点から、批判的にみる方もあります。一方では放射線に関する専門家集団でもありますので、その知識を吸収することで、原発事故後の市民生活の暮らしに活かしていくという視点は必要で、むやみに安心したり、むやみに不安がったりすることなく、学んで、現状を落ち着いて判断する力を持つことが必要と考えています。この時の質問もそうした思いからのものでした。
講演は、放医研理事で医学博士の明石真言さん、薬学博士の柿沼志津子さん、農学博士の渡辺嘉人さん、医学博士の須原哲也さんが行いました。
「放医研5年間のあゆみ」と題して公演した明石さんは、原発事故後の放医研の活動を紹介しました。タービン建屋で高濃度の汚染水に足を浸けて「β線熱傷の怖れ」と報道された労働者(実際はβ線熱傷ではなかったという)をはじめとした被爆者11名の線量評価と除染を行ったことや、福島県が実施している「県民健康調査」で被ばく線量を推定するソフトウェアを提供したことなどを紹介しました。
「こどもに対する放射線影響とその低減化」と題した柿沼さんは、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の2013年報告で、「被ばく線量が同じであれば、子どもは成人より高い発がんリスクを持つこと、子ども期の被爆によるがんの生涯リスクは、全年齢の場合に比べて2~3倍高くなると推定」されていることが、疫学調査や動物実験で確認されていることを紹介しました。
さらに疫学調査からは、1日10本程度の喫煙で放射線による発がんリスクが3倍になり、1箱の喫煙では放射線による発がんリスクがタバコの発がんリスクに隠れてしまうこと。逆に緑黄野菜や果物摂取はリスクを低減させるなど、生活習慣が放射線被曝による発がんリスクに影響することがわかってきたと報告しました。
また、動物実験では、被爆時の年令によって、がんの発生する臓器が異なる事が分かってきたといい、動物実験の結果、子ども期の被爆後、成体になってからカロリー制限をすることが、放射線による発がんリスクを下げ、寿命延長につながることが分かったと報告しました。
質問に答える中で、個人的見解と断りながら、福島の放射線量のもとでは発がんリスクの心配はないと考えているものの、リスクがあると思って対応していくことが大切だということ、また、原爆の影響の研究から、胎児期のうち放射線の影響を受けやすい一時期をのぞいて、胎児から子ども期にかけて被ばくがあったとしても遺伝に影響を受ける心配はないと考えていることを説明しました。
「福島第一原発の周囲での環境への影響」と題した渡辺さんは、帰還困難区域内での野生動植物の調査状況を報告しました。
植物ではスギやマツ、モミ等の針葉樹、動物では野ネズミ、サンショウウオ、メダカで帰還困難区域で調査を実施したといいます。
2012年7月時点で、1時間あたりの線量が30μsvから80μsvの場所で捕獲されたヒメネズミでは、比較のための対象個体に比べて、脾臓のリンパ球での二動原体染色体異常が優位に高く、帰還困難区域の2ヶ所で捕獲したメダカのエラの染色体異常は、比較対象個体に比べても大きな違いはなかったといいます。
一方、帰還困難区域のモミの個体群は、東電福島第一原発から離れた地域の個体群に比べて形態変化の発生頻度に顕著な増加が認められ、その頻度は空間線量率に依存して高くなることが分かったといいます。
ただ、自然環境では、様々な要因が影響していることを排除できないために、今後実験施設での放射線照射実験等を行い、これらが放射線の影響かどうかを解明することが今後求められているといいます。
「画像で見る脳の老化と認知症の早期診断~認知症はいつ始まるのか」と題した須原さんは、認知症の原因は、脳にたまる異常タンパク質にあるとして、その状況をポジトロン断層撮影(PET)で撮影できるようになったことから、認知症発症のメカニズムの解明や早期診断、認知症の治療薬の開発につながっていくと説明し、医学利用における放射線のプラス面を紹介していました。
講演会は会場いっぱいの聴講者がおり、会場からの質問の中で、竹の枯死など環境の変化に不安を覚えていることなどを話す方もいました。これらが自然におこっていることなのか、原発事故の影響なのかは、専門的な見地からの研究が必要だと思いますが、こうした講演会や研究を通じて、これらの原因が解明され、わからないゆえの漠然とした不安から、広く市民が開放されることが期待されます。
原発事故の直後、立命館大名誉教授の安斎育郎さんや日本大学の野口邦和さんの講演を聞いて現状把握をし、その後の考えの基礎を据えることができたことを思い出します。まずは専門家の声に耳を傾け、自分なりに考え、一つの結果を出していくことが大切だということを、あらためてかみしめてお話しを聞くことできました。
今後、どのように事業が展開されるのか、良く見ていきたいと思います。
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