「パビリオン山椒魚」(2006年、98分)
監督・脚本:冨永昌敬、音楽:菊地成孔
オダギリジョー、香椎由宇、高田純次、麻生祐未、光石研、KIKI、キタキマユ
予告編を見たときに、何かわけがわからない映画で、設定や配役はなかなかだが、見に行くほどのこともないか、と思い、そのままにしていた。DVDで見てもそれは変らなかったのは残念。
パリ万博に出品された山椒魚、それを管理する財団とそのバックになっている金持ちの古い家、これに似た設定は時々あって、娯楽としてはそれなりに作られることも多いが、これはシュールというか、すべっていくその過程が個々に笑えるのでもなく、馬鹿馬鹿しさを続けてみているうちにふと何かに気づくことをねらったのだろうか。
本物か、偽物か、それは途中でわかっても何かを演じ続ける、カメレオンのように変り続ける、という具合になんとなく感じるけれども、見終わるまでがくたびれる。
俳優は、ところどころになかなかいいものを見せてはいる。
オダギリジョーの後半の無意味なはじけかた、香椎由宇はきれいで存在感があり、麻生祐未は場面ごとに本当にうまくはまっている。
オダギリジョーと香椎由宇が昨年末に結婚を発表したから見てみたようなもの。この映画ではいい組み合わせだ。
まあ見て損したというほどではない。