昨日の映画「告白」、中島哲也による映像と音の組み合わせ、そのテンポについて、思い出したこと。
冒頭の教室場面、教師の松たか子が学年最後の話を始め、子供を殺されたことを話していく、この長い場面。ここで一気に観客を引き込む。
話の最中、生徒たちは勝手に話し、勝手に動く(いかにも)。昔なら「うるさい」と一喝(一つではだめか?)するか、チョーク投げるか、そっちにいくが、ここはかまわずしゃべり続け、映画の観客には、音声のコントロールで生徒、教師双方の声と音がうまく入るようにしている。これは流れを断ち切らない、そして映画ならではのうまい手法。他の人でも使うかもしれないが。
ここというところで松たか子は持っている本を立てて教壇にポンと落とす、その音で一瞬シーンとなる。うまい。そして話のかんどころで「命」という大きな字を黒板に書くのだが、最後の真ん中たて線のところで、あのいやなこすり音が大きく響き、生徒に衝撃を与える。この「命」は最後への伏線になっている。