メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ヴァロットン展

2014-09-16 21:36:48 | 美術
ヴァロットン展-冷たい炎の画家
2014年6月14日(土)~9月23日(火・祝) 三菱一号館美術館

 
久しぶりに行った美術展。フェリックス・ヴァロットン(Felix Vallotton)(1865-1925)はスイス生まれ、その後パリに出て、オルセーにはかなりたくさんの作品があるらしいのだが、これまでそれほど話題にされなかったようだ。それがなぜか近年評価が大きくなり、このところ展覧会に人気が集まっているらしい。

日曜美術館、「美の巨人たち」で見て、これなら全体を見てもいいかなと思った。
何か既成の題材、テーマ、解釈、手法などに納得がいかないのか、またどこか皮肉的に見ているところは確かにある。がそれはいやみというよりは面白さになっているのだろう。
 
こういう絵はフロイト的にしつこく解釈し、論じようとすれば出来るんだろうが、その一歩手前で感じる、楽しむところがここにはある。特に日本の浮世絵などの影響が強い版画など。

有名な「ボール」、「貞淑なシュザンヌ」など、物語の解釈は広がっていくだろうし、ヒッチコックなら映画にするかもしれないが、これはあくまで私の好みだが、もっといやらしいものになりそうだ。
その一歩手前で、いろんな可能性を見るものにゆだねるところで静止しているのがいい。


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