「その女アレックス」ピエール・ルメートル著 橘明美訳 2014年9月 文春文庫
昨年の各種ミステリ・ランキングで圧倒的な評価を得た評判作。確かにあっと驚く展開。
にアレックスという女がパリの路上で夜に誘拐され閉じ込められひどい目にあう。どういう目的なのかがわからないまま継続する。
一方、追う警察側は個性的な3人と意地悪な判事、その描写が面白い。警察が被害者についても何もわからないまま続くのだが、これが一つの鍵になっていて、犯人の追及から、この女は誰だったのか、その解きほぐし(つまり将棋や碁の対戦後の解説みたいなもの)の過程でまた、、、と大筋で3つくらいのどんてん返しがある。
パリを題材ということでは先の「古書店主」があるが、それとは対照的だ。パリの描写は後者の方がしゃれていて気持ちいいけれど。
追う側の極端に小柄な警部の半生と心象が丁寧に描かれ、これがこの後味のよくなさそうな事件とバランスをとっている。
アレックスとはなにもの?と思わせるところは「ジャッカルの日」みたいなところがあり、この犯罪の背景としてはあの「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」を連想させる。とはいえ、まあそれはいいだろう、全体としてうまく組み上げられていれば。
昨年の各種ミステリ・ランキングで圧倒的な評価を得た評判作。確かにあっと驚く展開。
にアレックスという女がパリの路上で夜に誘拐され閉じ込められひどい目にあう。どういう目的なのかがわからないまま継続する。
一方、追う警察側は個性的な3人と意地悪な判事、その描写が面白い。警察が被害者についても何もわからないまま続くのだが、これが一つの鍵になっていて、犯人の追及から、この女は誰だったのか、その解きほぐし(つまり将棋や碁の対戦後の解説みたいなもの)の過程でまた、、、と大筋で3つくらいのどんてん返しがある。
パリを題材ということでは先の「古書店主」があるが、それとは対照的だ。パリの描写は後者の方がしゃれていて気持ちいいけれど。
追う側の極端に小柄な警部の半生と心象が丁寧に描かれ、これがこの後味のよくなさそうな事件とバランスをとっている。
アレックスとはなにもの?と思わせるところは「ジャッカルの日」みたいなところがあり、この犯罪の背景としてはあの「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」を連想させる。とはいえ、まあそれはいいだろう、全体としてうまく組み上げられていれば。