生誕110年 片岡球子展
2015年4月7日(火)~5月17日(日)東京国立近代美術館
片岡球子(1905-2008)の絵の代表的なものはいろんなところで見る機会があった。富士山、武将・画家・役者などの「面構(つらがまえ)」シリーズなどである。それでもこうしてまとめて見るのは初めてだ。
この人の絵は、その太い輪郭線、画家がとらえた対象の本質をより大きく明確に表出すること、そういった画風から、見てすぐにわかる。それは見事なもので、日本画の中に生まれたキュビズムのようである。
初期は当時の日本画の世界と多少折り合いをつけなくてはならなかったようだが、それでも「枇杷」(1930)ではその一見写実風に見えるなかに、対象を執拗に見て中から出てくるものをとらえた感がある。そしてエポックとなったと言われる「カンナ」(1953)はその各部分の迫力と画面いっぱいに詰めたところにあるバランスが見事である。これ鎌倉の近代美術館で見たようでもあるが、不確かなのは情けない。
「面構」ではやはり展覧会のポスターにもなっている「足利尊氏」が一番面白い。この戦前は逆賊あつかい、その後いろいろな面がわかってきて、近年はなかなか興味深い人物というとらえられかたに先行したともいうべきだろうか。教科書に載っている絵は尊氏ではないということに最近なったが、そうなるとこの絵を見ればということにでもすればいい。教科書は別として。
欲を言えば、もう少し「富士山」がほしかった。
それにしても片岡球子は103歳、小倉遊亀は105歳!
2015年4月7日(火)~5月17日(日)東京国立近代美術館
片岡球子(1905-2008)の絵の代表的なものはいろんなところで見る機会があった。富士山、武将・画家・役者などの「面構(つらがまえ)」シリーズなどである。それでもこうしてまとめて見るのは初めてだ。
この人の絵は、その太い輪郭線、画家がとらえた対象の本質をより大きく明確に表出すること、そういった画風から、見てすぐにわかる。それは見事なもので、日本画の中に生まれたキュビズムのようである。
初期は当時の日本画の世界と多少折り合いをつけなくてはならなかったようだが、それでも「枇杷」(1930)ではその一見写実風に見えるなかに、対象を執拗に見て中から出てくるものをとらえた感がある。そしてエポックとなったと言われる「カンナ」(1953)はその各部分の迫力と画面いっぱいに詰めたところにあるバランスが見事である。これ鎌倉の近代美術館で見たようでもあるが、不確かなのは情けない。
「面構」ではやはり展覧会のポスターにもなっている「足利尊氏」が一番面白い。この戦前は逆賊あつかい、その後いろいろな面がわかってきて、近年はなかなか興味深い人物というとらえられかたに先行したともいうべきだろうか。教科書に載っている絵は尊氏ではないということに最近なったが、そうなるとこの絵を見ればということにでもすればいい。教科書は別として。
欲を言えば、もう少し「富士山」がほしかった。
それにしても片岡球子は103歳、小倉遊亀は105歳!