四月物語 (1998年、日本、67分)
監督・脚本:岩井俊二、撮影:篠田昇
松たか子、田辺誠一
北海道旭川から東京郊外(武蔵野、国立あたり)の大學に入学する主人公(松たか子)が、郷里の駅を出発、借りたアパートに引越し荷物が届き、入学式、クラスでの自己紹介、サークルの勧誘、フライ・フィッシングのサークル、隣部屋との微妙なやりとり、などなど、彼女の視点を想像してこの時空に入っていけるように、うまく作られている。岩井作品でおなじみ篠田昇のカメラをここでもじっくり味わうことができる。
こういう世界だから約1時間というのは無理のない長さであり、このくらいならこの調子を味わっていけるな、と思ったら、最後のそう10分くらいだろうか、意外な事実が明かされる。彼女が転居してすぐに特定の本屋を探したのは、意味がないことではなかった。それは彼女のイメージからすると、見る者にとって意外ではあるのだが、終わってみれば、そうだったか、この人も、と感心し、むしろいい後味で終わる。
終盤のにわか雨、彼女が傘を借りる場面のどたばた、これはNHK ETV の岩井を中心に若者製作をする若者たちと語り合う番組で、岩井自身が作った場面の例として紹介されていたのを記憶している。そこではそのシーンに限った説明だったが、こうしてみるとなかなかいいアクセントがある締め方であった。
松たか子、その姿と本当に考えていたこととのギャップが、わかってみると納得する配役と演技。そういえば後の「告白」も、、、
田辺誠一は配役からするとちょっと年長に見えるが。
冒頭、主人公の位置からカメラがとらえた見送りの家族、この四人は、松たか子の両親、兄、姉、そうあの歌舞伎の一家である。
そして、最後の傘の場面、途中で立ち寄った大学で、帰ろうとしていた教授は亡き加藤和彦、傘をさして出ていく長身の後ろ姿が、今となっては悲しい。
監督・脚本:岩井俊二、撮影:篠田昇
松たか子、田辺誠一
北海道旭川から東京郊外(武蔵野、国立あたり)の大學に入学する主人公(松たか子)が、郷里の駅を出発、借りたアパートに引越し荷物が届き、入学式、クラスでの自己紹介、サークルの勧誘、フライ・フィッシングのサークル、隣部屋との微妙なやりとり、などなど、彼女の視点を想像してこの時空に入っていけるように、うまく作られている。岩井作品でおなじみ篠田昇のカメラをここでもじっくり味わうことができる。
こういう世界だから約1時間というのは無理のない長さであり、このくらいならこの調子を味わっていけるな、と思ったら、最後のそう10分くらいだろうか、意外な事実が明かされる。彼女が転居してすぐに特定の本屋を探したのは、意味がないことではなかった。それは彼女のイメージからすると、見る者にとって意外ではあるのだが、終わってみれば、そうだったか、この人も、と感心し、むしろいい後味で終わる。
終盤のにわか雨、彼女が傘を借りる場面のどたばた、これはNHK ETV の岩井を中心に若者製作をする若者たちと語り合う番組で、岩井自身が作った場面の例として紹介されていたのを記憶している。そこではそのシーンに限った説明だったが、こうしてみるとなかなかいいアクセントがある締め方であった。
松たか子、その姿と本当に考えていたこととのギャップが、わかってみると納得する配役と演技。そういえば後の「告白」も、、、
田辺誠一は配役からするとちょっと年長に見えるが。
冒頭、主人公の位置からカメラがとらえた見送りの家族、この四人は、松たか子の両親、兄、姉、そうあの歌舞伎の一家である。
そして、最後の傘の場面、途中で立ち寄った大学で、帰ろうとしていた教授は亡き加藤和彦、傘をさして出ていく長身の後ろ姿が、今となっては悲しい。