ドニゼッティ:歌劇「連隊の娘」
指揮:エンリケ・マッツォーラ、演出:ロラン・ペリー
プレティ・イェンデ(マリー)、ハヴィエル・カマレナ(トニオ)、マウリツィオ・ムラーロ(シェルピス)、ステファニー・プライズ(ベルケンフィールド侯爵夫人)、キャスリン・ターナー(クラッケントルプ公爵夫人)
2019年3月2日 ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場
2020年11月WOWOW
ドニゼッティのコロラトゥーラ・オペラとしての魅力たっぷりな、歌手の魅力を楽しめる作品。これまでには、やはりメトで2008年に上演されたものを観ている。
アルプス近くのフランスの連隊に、孤児の時に拾われ育てられ可愛がられているマリーがいる。たまたま知り合ったトニオと仲良くなるが、連隊のもの以外と一緒になることは厳禁といわれる。そこに旅の途中で現れた侯爵夫人の親族の実は娘だったということになり、マリーは連れていかれてしまう。
その後、侯爵邸で躾、教育を受け、それなりの相手と婚約ということになるが、そこへマリーと一緒になるため連隊に入ったトニオがマリーの親代わりだった軍曹(シェルピス)、隊員たちとおしかける。そして実はマリーの本当の出自は、、、ということからハッピー・エンドになる。
演出は20世紀初頭を舞台に設定ということだが、ロラン・ペリーの演出は前記2008年のメトで彼がやったものを踏襲しているようだ。マリーが連れていかれた屋敷の使用人たちが掃除するときの動作がクラシック・バレエの基礎ポーズというので思い出した。
マリーのイェンデは前記のナタリ・デセイに比べ大柄だが、動きはよく、声もきれいでこの役を映えあるものにしている。南ア・ズールーの出身らしく、途中に舌音を入れるアドリブもあるがこのオペラの性格からすると悪くない。歌詞のフランス語も問題なかった。
トニオのカマレナ、一幕の後半で9回のハイCを見事にこなし、アンコールになった。ここのハイCは前記上演でのフローレスや、かのパヴァロッティも有名で、アンコールもあったらしいが、こういう録画で観るのは珍しい。
ムラーロ、プライズも達者、そして台詞だけだが公爵夫人にはなんと映画女優キャサリン・ターナーが起用されている。メト側のちょっとした遊びらしいが、このオペラでは楽しい。あのセクシーなファム・ファタル「白いドレスの女」もどっしりとした熟女になっていた。
マッツォーラの指揮は、観客を喜ばせるところの溌剌さなど、この場にぴったりだったと言えるだろう。
指揮:エンリケ・マッツォーラ、演出:ロラン・ペリー
プレティ・イェンデ(マリー)、ハヴィエル・カマレナ(トニオ)、マウリツィオ・ムラーロ(シェルピス)、ステファニー・プライズ(ベルケンフィールド侯爵夫人)、キャスリン・ターナー(クラッケントルプ公爵夫人)
2019年3月2日 ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場
2020年11月WOWOW
ドニゼッティのコロラトゥーラ・オペラとしての魅力たっぷりな、歌手の魅力を楽しめる作品。これまでには、やはりメトで2008年に上演されたものを観ている。
アルプス近くのフランスの連隊に、孤児の時に拾われ育てられ可愛がられているマリーがいる。たまたま知り合ったトニオと仲良くなるが、連隊のもの以外と一緒になることは厳禁といわれる。そこに旅の途中で現れた侯爵夫人の親族の実は娘だったということになり、マリーは連れていかれてしまう。
その後、侯爵邸で躾、教育を受け、それなりの相手と婚約ということになるが、そこへマリーと一緒になるため連隊に入ったトニオがマリーの親代わりだった軍曹(シェルピス)、隊員たちとおしかける。そして実はマリーの本当の出自は、、、ということからハッピー・エンドになる。
演出は20世紀初頭を舞台に設定ということだが、ロラン・ペリーの演出は前記2008年のメトで彼がやったものを踏襲しているようだ。マリーが連れていかれた屋敷の使用人たちが掃除するときの動作がクラシック・バレエの基礎ポーズというので思い出した。
マリーのイェンデは前記のナタリ・デセイに比べ大柄だが、動きはよく、声もきれいでこの役を映えあるものにしている。南ア・ズールーの出身らしく、途中に舌音を入れるアドリブもあるがこのオペラの性格からすると悪くない。歌詞のフランス語も問題なかった。
トニオのカマレナ、一幕の後半で9回のハイCを見事にこなし、アンコールになった。ここのハイCは前記上演でのフローレスや、かのパヴァロッティも有名で、アンコールもあったらしいが、こういう録画で観るのは珍しい。
ムラーロ、プライズも達者、そして台詞だけだが公爵夫人にはなんと映画女優キャサリン・ターナーが起用されている。メト側のちょっとした遊びらしいが、このオペラでは楽しい。あのセクシーなファム・ファタル「白いドレスの女」もどっしりとした熟女になっていた。
マッツォーラの指揮は、観客を喜ばせるところの溌剌さなど、この場にぴったりだったと言えるだろう。