月の松山
山本周五郎 著 新潮文庫
読書がとぎれてという時、山本周五郎(なにしろ多作)から何かをということになってきた。
これは著者(1903-1967)が1937年から1955年、代表的な長編などを書いていた時期の短編(40~50頁)十本で、舞台は戦国から戦後、主人公も武士から町人いろいろである。
掲載雑誌からもわかるが多くは講談調の語り口で楽に読んでいける。
もとになる話の種があったのか、または他の話からのヴァリエーションなのか、わからないがうまいものである。
一つ一つは「日本婦道記」の諸編に比べると勢いで書いたという感じはあるけれど、こういうものを沢山書くことが出来る(ようになった)作者だから「さぶ」などの長編も飽きずに読ませるのだろう。
中では「お美津簪(かんざし)」、「初蕾」あたりか。実はこの「初蕾」をとり上げた新聞記事(文化欄)でこの短編集を知った。その中の一つが「月の松山」、これは侍道の一つの典型で家と女性に対する思いがラストでどうなるかというもの。
山本原作の30分TVドラマシリーズがあるが、重なるところがある。
山本周五郎 著 新潮文庫
読書がとぎれてという時、山本周五郎(なにしろ多作)から何かをということになってきた。
これは著者(1903-1967)が1937年から1955年、代表的な長編などを書いていた時期の短編(40~50頁)十本で、舞台は戦国から戦後、主人公も武士から町人いろいろである。
掲載雑誌からもわかるが多くは講談調の語り口で楽に読んでいける。
もとになる話の種があったのか、または他の話からのヴァリエーションなのか、わからないがうまいものである。
一つ一つは「日本婦道記」の諸編に比べると勢いで書いたという感じはあるけれど、こういうものを沢山書くことが出来る(ようになった)作者だから「さぶ」などの長編も飽きずに読ませるのだろう。
中では「お美津簪(かんざし)」、「初蕾」あたりか。実はこの「初蕾」をとり上げた新聞記事(文化欄)でこの短編集を知った。その中の一つが「月の松山」、これは侍道の一つの典型で家と女性に対する思いがラストでどうなるかというもの。
山本原作の30分TVドラマシリーズがあるが、重なるところがある。