桑原あい~Christmas with Strings 2015~
2015年12月22日(火)サントリーホール(小ホール)ブルーローズ
ピアノ:桑原あい ヴァイオリン:須原杏 ヴィオラ:島内晶子 チェロ:林田順平 電気ベース(EB):森田悠介
やっと桑原あいのライヴを聴くことができた。トリオでなくこういうクラシックの室内楽みたいな編成、しかも木材をふんだんに使って残響の長いホールだけれども、いろんな意味でこの人の音楽を存分に受けとめることができた。ピアノそのものでいえば、想像していたよりソノリティがいい。なおピアノはスタインウェイ。
プログラムの半分ほどは5月に出たアルバム「LOVE THEME」と重なっているが、その部分も新たなアレンジやクリスマスだからという遊びで、新鮮なものとなっていた。たとえばHere There And Everywhere(レノン/マッカートニー)冒頭のホワイト・クリスマス、多彩に編曲されたボレロ(ラヴェル)に入ったいくつものクリスマス・メロディー。
新作の919/Betweenは今年9月の国会に関してのものだろうか、激しさはあのショスタコーヴィチを連想させた。最後のThe Backは今年のモントルーで会い励まされたクインシー・ジョーンズの背中から与えられた新たな創作意欲のようで、これからを期待させた。
そしてアマポーラは上記アルバムでも参ったのだが、今回もすっかり浸ってしまった。
あえて演奏の白眉はなにかといえば、ピアソラのFinale、表現、激しさ、、、そしてあらためてピアソラは、、、
アンコールやるとすればソロだけれど気持ちの準備がないからと言ってインプロヴィゼーションとは、なんともうれしい。
ところで本人があえて断っているように、いつも一緒にやっている森田のベース、この編成で、しかもこのホールであえてエレクトリック・ベースだった。でも聴きだして、これは正解だったとすぐに納得した。ボウイングの弦楽器が三つあるわけで、ここは弾く楽器としてピアノとベースという区分なんだろうが、考えてみればボウイングの音の魅力はこのホールならチェロで十分で、森田のベースは残響の長さと音量もPAでうまくコントロールされていたように思う。特にピアノの音の粒立ちとの相性がよかった。
こういうピアノとのコンビなら、2つだけで今後やっても面白いだろう。あのビル・エヴァンスとジム・ホール(ギター)の絶妙デュオのように。
今回、席は前方左側で手元もよく見ることができてよかった。ただ背中から見ていると、小柄だし、これからを考えればもっと筋肉をつけた方がいい。
ともあれ、ここが出来たころ、確かジュゼッペ・シノポリ指揮フィルハーモニアのマーラーを聴いてからしばらく何度か行っていたものの、このところご無沙汰のサントリー、30年になる多くのコンサートの中で間違いなく長く記憶に残るもの、感謝!
2015年12月22日(火)サントリーホール(小ホール)ブルーローズ
ピアノ:桑原あい ヴァイオリン:須原杏 ヴィオラ:島内晶子 チェロ:林田順平 電気ベース(EB):森田悠介
やっと桑原あいのライヴを聴くことができた。トリオでなくこういうクラシックの室内楽みたいな編成、しかも木材をふんだんに使って残響の長いホールだけれども、いろんな意味でこの人の音楽を存分に受けとめることができた。ピアノそのものでいえば、想像していたよりソノリティがいい。なおピアノはスタインウェイ。
プログラムの半分ほどは5月に出たアルバム「LOVE THEME」と重なっているが、その部分も新たなアレンジやクリスマスだからという遊びで、新鮮なものとなっていた。たとえばHere There And Everywhere(レノン/マッカートニー)冒頭のホワイト・クリスマス、多彩に編曲されたボレロ(ラヴェル)に入ったいくつものクリスマス・メロディー。
新作の919/Betweenは今年9月の国会に関してのものだろうか、激しさはあのショスタコーヴィチを連想させた。最後のThe Backは今年のモントルーで会い励まされたクインシー・ジョーンズの背中から与えられた新たな創作意欲のようで、これからを期待させた。
そしてアマポーラは上記アルバムでも参ったのだが、今回もすっかり浸ってしまった。
あえて演奏の白眉はなにかといえば、ピアソラのFinale、表現、激しさ、、、そしてあらためてピアソラは、、、
アンコールやるとすればソロだけれど気持ちの準備がないからと言ってインプロヴィゼーションとは、なんともうれしい。
ところで本人があえて断っているように、いつも一緒にやっている森田のベース、この編成で、しかもこのホールであえてエレクトリック・ベースだった。でも聴きだして、これは正解だったとすぐに納得した。ボウイングの弦楽器が三つあるわけで、ここは弾く楽器としてピアノとベースという区分なんだろうが、考えてみればボウイングの音の魅力はこのホールならチェロで十分で、森田のベースは残響の長さと音量もPAでうまくコントロールされていたように思う。特にピアノの音の粒立ちとの相性がよかった。
こういうピアノとのコンビなら、2つだけで今後やっても面白いだろう。あのビル・エヴァンスとジム・ホール(ギター)の絶妙デュオのように。
今回、席は前方左側で手元もよく見ることができてよかった。ただ背中から見ていると、小柄だし、これからを考えればもっと筋肉をつけた方がいい。
ともあれ、ここが出来たころ、確かジュゼッペ・シノポリ指揮フィルハーモニアのマーラーを聴いてからしばらく何度か行っていたものの、このところご無沙汰のサントリー、30年になる多くのコンサートの中で間違いなく長く記憶に残るもの、感謝!