今月のテーマはマハー・ムドラーです。
無知や愚痴、傲慢などの欠点や苦しみを消滅させる…と言われているのがムドラーです。特にマハー・ムドラーが私は大好きです。
そもそもムドラーはシンボルという意味ですが、ハタ・ヨーガの醍醐味とも言えるムドラーを行じてみればヨーガは「筋トレ」ではないということが明々白々です。
エネルギーの通路(ナーディー)とエネルギーの中枢(チャクラ)は、プラーナ(気)を放射して身体から普通は飛び出し、外界へと出て行きます。このムドラーをとおしてプラーナの浪費を止めるのが目的です。とりわけこのマハー・ムドラーはその名のとおり、偉大なる力を発揮します。
グランティ(結節)に直接はたらきかけるこの行法はジャーヌ・シールシャ・アーサナ(ひざに顔をつけるポーズ)に、バンダ(締めること)、クンバカ(止めること)、ダーラナー(見つめること)の3つを加えます。
グランティはプラーナの自由な流れを阻止し、チャクラの目覚めとクンダリニー(内在する根元的エネルギー)の上昇を阻止します。注目すべきは、グランティを突き破られるとエゴがなくなる…というところです。エゴというのは本当に厄介です。エゴの強い人は自分中心に世の中が動いていますから、他の人を呆れさせます。おまけに本人は気づいていませんから本当に厄介です。
もしや、自分がそういう人になってはいないか?人のふり見て我がふり直せ!の心境です。(荻山貴美子)