死を目の前にしている人の耳元でフレッドはそっと囁きます。
少し驚いたように、しかし、嬉しそうにベッドに横たえた人は答えます。
「わかった!」
死を間近にしている人は友人の父親。
「なんて言っていたのですか?」
の質問に、
「あなたの父親は今苦しんでいる。苦しんでいる人が一番神のそばにいるからね。私のために祈って欲しいと頼んだんだ」
トム・ハンクス主演の「幸せのまわり道」のワンシーンです。
真実に基づいた物語。
敏腕雑誌記者として、キャリアを積んできたロイドは取材で子ども向け番組の司会者フレッドと巡り合い、深い友情で結ばれます。
ロイドが抱えていた心のキズは少しずつ癒えていきます。
愛しているからこそ、怒りが抑えきれない。そういう時はピアノの鍵盤の一番低い音を思い切り叩く。
一分間、自分が愛している人のことを考える。
言葉にできればほとんど対処できる。
フレッドはロイドを一度も否定せずに、彼の話に耳を傾け、アドバイスします。
トム・ハンクスが演じる人気司会者フレッドは、トム・ハンクスに負けず劣らずステキな人でした。
フレッドはひと目でロイドの心の葛藤を感じとる。ロイドもフレッドの人柄にグイグイ惹かれていく。
人生でこういう出会いに恵まれた人は最良の幸せです。