今日はとても暖かい一日でしたね・・・
堂平天文台のスリットに昇って遠くを見ても、春霞で下界は見えず・・・
コロナ禍で観望会が開催できなくなって1年が経とうとしています。
以前、ニコンのHPには”知られざるニコンの歴史”という記事が
存在していましたが、何故か現在は削除されています。
数ある記事の中で、日本の天文学発展に貢献した大型望遠鏡開発の
エピソードが詳しく記載されていて面白かった。
なんで削除してしまったのだろうか?
じゃあ、俺が書いておくべ。
重厚かつ上品。ニコンはこうあってもらいたい!
総重量10トンの91cmイギリス赤道儀式反射望遠鏡です。
1962年竣工ゆえ、59年目になります。
ドームは三井造船が造ったのよねえ~。
制御系はニコンが1992年の大改修で総入れ替えしています。
これとて29年前・・・
時計の後ろにあるハルトマン板が泣かせます。
PC-9801DXの予備機2台。
三菱シーケンサ予備機2台。
電源改装、FDDユニット交換、基板洗浄、電解コンデンサー入替え
のリニューアル品ですよ。駆動モータはオリエンタルモータの
デジタルサーボで追尾、微動、中速までをまかなっています。
自動導入時には複雑なクランプ機構と多重ギアシステムの絶妙制御
で大型インダクションモータ&ハイデンハイン社の軸付け
ロータリーエンコーダでビシッ!と動きます。
この望遠鏡を作った人がこの記事を見ていたらご心配なく。
あっしが一匹いれば光学、機械、電気制御、コンピュータ、ドーム
電源関連まで全部OKです。2015年から延命保守作業をやっており、
現在でも元気に稼働しています。
制御系はピッカピカでっせ~~( ̄▽ ̄)
ただ・・・
誰も使ってくれないこの現状。
コロナのバカヤローですねまったく。
副鏡部もこんなにデカイ。
主鏡開閉は12枚花びら式。
自動導入画面。モニターはI/Oデータの液晶に変更済み。
驚異の赤経軸スリップリング機構!
イヤ、このスリップリングが本当の脅威でして・・・
初期の制御回路はリレーシーケンスだったので大電流が流れます。
なので、リン青銅の接点でも問題が無かった。
1992年の制御系大改修でイマドキなDC24Vセンサー系統に入れ替わりました。
しかも、設定電流が10[mA]以下です。
つまり、接触抵抗に電流値が負けてしまうのです。
よって、接点クリーニングが非常に大切なお仕事になってしまった。
全体的にスバラシイ設計ですが、ココだけはイケマセン。
まあ、どうしてもってなったらアナコンダケーブルで直結します。
その方が確実に動作する筈です。180度も回転しませんし。
山頂ゆえ、雷対策も抜かりなく。コネクター引っこ抜き!!
イヤ、これが一番確実ですよね。
うーん、良い天気じゃ。北群馬のお山方面を望む。