2012年はかなり気合を入れて撮影して来ました。
カメラも冷却CCDを2台とK-5Ⅱsを導入し、自作フラットナー
・レデューサーを作って32年前の機材に渇を入れ、現代の高性能機
に立ち向かって来ました。(そこまで買えないってー話ですが(^^♪
今年の自適天体写真・オブ・ザ・イヤーは何と言ってもコレです!
実に素晴らしい!K-5Ⅱsで撮ったバラ星雲。
2012年10月19日の発売当日の夜に栃本広場で撮影したファースト
ライトがコレ。イヤー感動しまくりましたよ。
ローパスフィルタ無し、IRカットフィルタの透過波長特性が50nm
程度近赤外寄り、真の防塵防滴、マイナス10℃動作保障などなど。
名ばかりのデジイチは道を空けなさい!って感じだよね。
更に、自的にはこの星像の良さ。
32年前のミザール10cmF6反射望遠鏡にフラットナー・レデューサー
を入れたらアラ不思議。四隅までバッチリ点像になっちまいました。
実はコマ収差が僅少なF6だから出来たのであって、これがF4だった
らこんなナメたフラットナー・レデューサじゃ歯が立たなかった。
結果的に10cmF5.23となった訳で、これはFSQ106やε180EDと同じ
程度の焦点距離。周辺減光も四隅で70%の光量を確保出来ており
、一般的なイメージサークルの定義ではφ30mm程度と言って良い
と思う。つまり、APS-Cならフルカバー出来るわけ。
事実、このバラ星雲はダーク減算もフラット補正もやっていない。
今までデジイチでの撮影は基本、お気楽撮影でした。
でもK-5Ⅱsが出たことで、まじめにダーク減算とフラット補正を
やらにゃ~イカンと思った次第です。
さて、お次はコレ。
K-5Ⅱsは無改造APS-Cデジイチの解像度番長だ!
10cmF5.23で撮影し、約2倍にトリミングしています。
HDR撮影ですがこの解像感、たまりませんね~(^^♪
それから発色の素直さ。ワンショット冷却CCD危うしでやんすよ。
M31
やはり発売当日に栃本広場で撮影。まあ、特に言うこと無しです。
K-5Ⅱsの締めはコレ。
なんちゃってフラット補正を行い、ε180EDに対抗してみました。
---------------------------------------------------
続いてK-5LSに行きましょう。
実はローパス有りのK-5でも、天体写真における解像感はK-5Ⅱs
とあまり変わりませんでした。シンチレーションやガイド誤差
による星像の膨らみがありますからね。
K-5Ⅱsが来る直前に栃本広場で撮影したものを何点か載せます。
そう言えばコレもK-5LSで撮影しました。
--------------------------------------------------
続いてはK-30。
これまた2012年6月29日の発売当日に新潟県は魚沼スカイライン
まで飛んで行って撮影した1カット。
K-30+アストロトレーサー・ファーストライト!
どう?なかなかにワイルドだろ~?
これは三峰ヘリポート駐車場から。
これもアストロトレーサーによる1カット。(流星あり)
何度通ったことか。
---------------------------------------------------
デジイチ最後はK-rです。
K-rでの撮影はコレが最後となりました。
K-5Ⅱsを買うため、K-30共々中野のペコちゃんへ旅立ちました。
K-r + SAMYANG85mmF1.4(4.0) , 入笠山天体観測所にて
K-r + SAMYANG14mmF2.8(4.0) , 左下のカメラは友人のD800E様。
う~ん、今思ってもK-rは良く写るカメラだった・・・
SAMYANGレンズの素晴らしさも際立つ。
何故にPENTAXには無い?
---------------------------------------------------
冷却CCDへ行ってみよう!
天体写真機材は金が掛かる。主流の機材を揃えれば150万程度。
まあ車趣味に比べればまだ安いが、上を見ればキリが無い。
冷却CCDは現在の天体撮影では王道だが、やはり敷居は高い。
K-5Ⅱsでこれだけ撮影できると、もはや冷却CCDは必要ないの
ではないか?そう思っていたがさにあらず。
長時間露光耐性、専用ソフト、ダーク&フラット、16bit諧調、
フィルターワークなど、デジイチの”流用”とは違った世界がある。
Another Worldだね。
特にSAO合成は凄い。Hubble Paletteってやつね。
これらは10cmF6で飯能市郊外の林道、標高450mで撮影したもの。
透明度さえ良ければ、遠征する必要がないのも有難い。
今年はこれのルーチンワークを確立出来ただけでも意味があった。
これを撮影したのは米ORION社の
StarShoot MonoⅢ + NarrowBandFilter。ジズコから買える、
国内最安のモノクロ冷却CCDである。2/3型SONY ICX285ALは
量子効率も良くノイズが非常に少ない。撮像鏡筒の光量100%領域
に完全にスッポリと入るため、周辺減光は皆無。
32年前のミザール10cmF6でコレが撮れちゃうんである!
説明しなけりゃ、どこぞの天文台で撮りましたって絵だよね。
やればやっただけの効果が出るのがモノクロ冷却CCDの世界。
面白い。
Hα_NarrowBandで撮るとこうなる訳です。
普通はLRGB合成ですね。これも飯能市郊外の裏山林道にて。
-----------------------------------------------------
最後はワンショット・カラー冷却CCDカメラです。
これも米ORION社の製品で、日本ではジズコ扱い。
StarShootPro Ver2.0 DeepSky Cooled CCD Camera である。
14万円程度で買え、これまた国内最安なんである。
僅か600万画素のベイヤー配列カラーCCDに価値があるのか?
この素子もSONY製でICX413AQというもの。PENTAX istDや
Nikon D70に使われていたのと同じらしい。
M78付近(埼玉県民の森駐車場にて)
フラットナー・レデューサを作ってから撮影したのはM78とIC1805
、NGC2024しか無いのだが、まず感じたことが”色の深さ”である。
特に恒星の色。K-5などのデジイチはもとより、LRGB合成した
モノクロ冷却CCDよりも深い色表現が出来ているように思う。
LRGB合成はその原理上、色が飛びやすいのは承知の上。
感度は低いけど、それでもこのM78は20分 X 5カットの100分。
冷却CCDでの撮像時間からすれば短い方ですね。
1カットの露光時間を長くしなければならないのは仕方ない。
600万画素と言っても、PCモニタでは当然縮小表示だし、
プリントもA4までならボロも出ない。案外良いかもしれません。
NGC2024(飯能市郊外の裏山林道、標高450mにて)
LPS-P2を使っているのでゴーストが出ちゃいましたが、
MaxImDLによるダーク減算とフラット補正を正しく行っています。
光害残存地で撮影したのにフラットな絵になっています。
強調しても大丈夫。流石に専用ソフトでRAWから処理すると強い
ですね。同じことをデジイチでやると、フラットにはなっても
恒星の色抜けが起こるような気がします。
冷却CCDは光害残存地でもまともに撮影が出来ますが、
デジイチでは遠征しないと無理。
どうもこの辺りが結論のようです。
特にワンショット・カラー冷却CCDは、噛めば噛むほど味が出る
スルメのような気配がします。LRGBやNarrowBandはやはり手間。
K-5Ⅱsで撮るなら遠征覚悟です。
そんな隙間にワンショット・カラー冷却CCDがハマりそうですね。
---------------------------------------------------
これはK-5Ⅱsでのフラット用画像です。
これでも周辺で70%の光量を確保できています。
APS-Cのエリアですから、2/3型のSSMonoⅢではスッポリ100%光量
エリアに入ります。この撮像鏡筒を最も効率良く使い倒すには、
KAF8300系冷却CCD(17X13mm程度)が一番適している事が分か
ります。フラット補正は確かにフラットにはなりますが、
光量十分な中心画像をスポイルしている気がするんですよね。
この素子ならば現在のフィルタがそのまま使えるし、光量の90%
は有効利用出来そうだし、最近は1100万画素のワンショットなんて
のも出て来たし・・・
あ、2013年にPENTAXからフルサイズ機が出ても買いませんよ、
たぶん。だって撮像鏡筒のイメージサークル小さすぎだしね。
ってな訳で今年は楽しかった。
当面の課題はDECガイドの安定駆動とスパイダー光状の改善です。
イメージサークルの有効活用を考えながら、今年の活動も終い
です。拙いブログにご訪問下さいました皆様、どうも有難う。
来年も良い年になりますように。
カメラも冷却CCDを2台とK-5Ⅱsを導入し、自作フラットナー
・レデューサーを作って32年前の機材に渇を入れ、現代の高性能機
に立ち向かって来ました。(そこまで買えないってー話ですが(^^♪
今年の自適天体写真・オブ・ザ・イヤーは何と言ってもコレです!
実に素晴らしい!K-5Ⅱsで撮ったバラ星雲。
2012年10月19日の発売当日の夜に栃本広場で撮影したファースト
ライトがコレ。イヤー感動しまくりましたよ。
ローパスフィルタ無し、IRカットフィルタの透過波長特性が50nm
程度近赤外寄り、真の防塵防滴、マイナス10℃動作保障などなど。
名ばかりのデジイチは道を空けなさい!って感じだよね。
更に、自的にはこの星像の良さ。
32年前のミザール10cmF6反射望遠鏡にフラットナー・レデューサー
を入れたらアラ不思議。四隅までバッチリ点像になっちまいました。
実はコマ収差が僅少なF6だから出来たのであって、これがF4だった
らこんなナメたフラットナー・レデューサじゃ歯が立たなかった。
結果的に10cmF5.23となった訳で、これはFSQ106やε180EDと同じ
程度の焦点距離。周辺減光も四隅で70%の光量を確保出来ており
、一般的なイメージサークルの定義ではφ30mm程度と言って良い
と思う。つまり、APS-Cならフルカバー出来るわけ。
事実、このバラ星雲はダーク減算もフラット補正もやっていない。
今までデジイチでの撮影は基本、お気楽撮影でした。
でもK-5Ⅱsが出たことで、まじめにダーク減算とフラット補正を
やらにゃ~イカンと思った次第です。
さて、お次はコレ。
K-5Ⅱsは無改造APS-Cデジイチの解像度番長だ!
10cmF5.23で撮影し、約2倍にトリミングしています。
HDR撮影ですがこの解像感、たまりませんね~(^^♪
それから発色の素直さ。ワンショット冷却CCD危うしでやんすよ。
M31
やはり発売当日に栃本広場で撮影。まあ、特に言うこと無しです。
K-5Ⅱsの締めはコレ。
なんちゃってフラット補正を行い、ε180EDに対抗してみました。
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続いてK-5LSに行きましょう。
実はローパス有りのK-5でも、天体写真における解像感はK-5Ⅱs
とあまり変わりませんでした。シンチレーションやガイド誤差
による星像の膨らみがありますからね。
K-5Ⅱsが来る直前に栃本広場で撮影したものを何点か載せます。
そう言えばコレもK-5LSで撮影しました。
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続いてはK-30。
これまた2012年6月29日の発売当日に新潟県は魚沼スカイライン
まで飛んで行って撮影した1カット。
K-30+アストロトレーサー・ファーストライト!
どう?なかなかにワイルドだろ~?
これは三峰ヘリポート駐車場から。
これもアストロトレーサーによる1カット。(流星あり)
何度通ったことか。
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デジイチ最後はK-rです。
K-rでの撮影はコレが最後となりました。
K-5Ⅱsを買うため、K-30共々中野のペコちゃんへ旅立ちました。
K-r + SAMYANG85mmF1.4(4.0) , 入笠山天体観測所にて
K-r + SAMYANG14mmF2.8(4.0) , 左下のカメラは友人のD800E様。
う~ん、今思ってもK-rは良く写るカメラだった・・・
SAMYANGレンズの素晴らしさも際立つ。
何故にPENTAXには無い?
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冷却CCDへ行ってみよう!
天体写真機材は金が掛かる。主流の機材を揃えれば150万程度。
まあ車趣味に比べればまだ安いが、上を見ればキリが無い。
冷却CCDは現在の天体撮影では王道だが、やはり敷居は高い。
K-5Ⅱsでこれだけ撮影できると、もはや冷却CCDは必要ないの
ではないか?そう思っていたがさにあらず。
長時間露光耐性、専用ソフト、ダーク&フラット、16bit諧調、
フィルターワークなど、デジイチの”流用”とは違った世界がある。
Another Worldだね。
特にSAO合成は凄い。Hubble Paletteってやつね。
これらは10cmF6で飯能市郊外の林道、標高450mで撮影したもの。
透明度さえ良ければ、遠征する必要がないのも有難い。
今年はこれのルーチンワークを確立出来ただけでも意味があった。
これを撮影したのは米ORION社の
StarShoot MonoⅢ + NarrowBandFilter。ジズコから買える、
国内最安のモノクロ冷却CCDである。2/3型SONY ICX285ALは
量子効率も良くノイズが非常に少ない。撮像鏡筒の光量100%領域
に完全にスッポリと入るため、周辺減光は皆無。
32年前のミザール10cmF6でコレが撮れちゃうんである!
説明しなけりゃ、どこぞの天文台で撮りましたって絵だよね。
やればやっただけの効果が出るのがモノクロ冷却CCDの世界。
面白い。
Hα_NarrowBandで撮るとこうなる訳です。
普通はLRGB合成ですね。これも飯能市郊外の裏山林道にて。
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最後はワンショット・カラー冷却CCDカメラです。
これも米ORION社の製品で、日本ではジズコ扱い。
StarShootPro Ver2.0 DeepSky Cooled CCD Camera である。
14万円程度で買え、これまた国内最安なんである。
僅か600万画素のベイヤー配列カラーCCDに価値があるのか?
この素子もSONY製でICX413AQというもの。PENTAX istDや
Nikon D70に使われていたのと同じらしい。
M78付近(埼玉県民の森駐車場にて)
フラットナー・レデューサを作ってから撮影したのはM78とIC1805
、NGC2024しか無いのだが、まず感じたことが”色の深さ”である。
特に恒星の色。K-5などのデジイチはもとより、LRGB合成した
モノクロ冷却CCDよりも深い色表現が出来ているように思う。
LRGB合成はその原理上、色が飛びやすいのは承知の上。
感度は低いけど、それでもこのM78は20分 X 5カットの100分。
冷却CCDでの撮像時間からすれば短い方ですね。
1カットの露光時間を長くしなければならないのは仕方ない。
600万画素と言っても、PCモニタでは当然縮小表示だし、
プリントもA4までならボロも出ない。案外良いかもしれません。
NGC2024(飯能市郊外の裏山林道、標高450mにて)
LPS-P2を使っているのでゴーストが出ちゃいましたが、
MaxImDLによるダーク減算とフラット補正を正しく行っています。
光害残存地で撮影したのにフラットな絵になっています。
強調しても大丈夫。流石に専用ソフトでRAWから処理すると強い
ですね。同じことをデジイチでやると、フラットにはなっても
恒星の色抜けが起こるような気がします。
冷却CCDは光害残存地でもまともに撮影が出来ますが、
デジイチでは遠征しないと無理。
どうもこの辺りが結論のようです。
特にワンショット・カラー冷却CCDは、噛めば噛むほど味が出る
スルメのような気配がします。LRGBやNarrowBandはやはり手間。
K-5Ⅱsで撮るなら遠征覚悟です。
そんな隙間にワンショット・カラー冷却CCDがハマりそうですね。
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これはK-5Ⅱsでのフラット用画像です。
これでも周辺で70%の光量を確保できています。
APS-Cのエリアですから、2/3型のSSMonoⅢではスッポリ100%光量
エリアに入ります。この撮像鏡筒を最も効率良く使い倒すには、
KAF8300系冷却CCD(17X13mm程度)が一番適している事が分か
ります。フラット補正は確かにフラットにはなりますが、
光量十分な中心画像をスポイルしている気がするんですよね。
この素子ならば現在のフィルタがそのまま使えるし、光量の90%
は有効利用出来そうだし、最近は1100万画素のワンショットなんて
のも出て来たし・・・
あ、2013年にPENTAXからフルサイズ機が出ても買いませんよ、
たぶん。だって撮像鏡筒のイメージサークル小さすぎだしね。
ってな訳で今年は楽しかった。
当面の課題はDECガイドの安定駆動とスパイダー光状の改善です。
イメージサークルの有効活用を考えながら、今年の活動も終い
です。拙いブログにご訪問下さいました皆様、どうも有難う。
来年も良い年になりますように。