そもそも化石機材ばっかり使っているからイケナイんだけど、
息抜きだった筈が、やっぱり突き詰めたくなってきた。
僕のTS-90S赤道儀に付いている赤経軸ドライブは、30年前に
作ったものを追加改造して使っています。
最近マジメ?に天体写真を撮影するようになり、モータギアの
ヘタリを感じるようになっていました。
それで現在、新規に作っているのですがちっとも進行せず・・・
で、改めてよ~く見てみたら!
モータギアが大きく偏芯していることに気が付きました。
SUS304の35Tギアですが、元々φ6の穴にブッシュを
詰め、φ3のモータ出力軸径に合わせてありました。
”KG”と刻印があるので教育歯車な訳ですが、 なんと、
φ3穴がφ3.25もあるではありませんか!
これをセットビスでモータ軸に固定する訳ですから、当然に
大きく偏芯してしまいます。
その結果、90SのPモーション(10分)の半分の5分で
ニセPモーションが発生していた模様。
スパーギア比が2:1減速なので、半分の5分となります。
GA-4でガイドしていると、急に大きく動き出し、また戻る
という動作をしていたんです。それも90SのPモーション
よりもかなり短い間隔で。
このモータギアによるニセPモーションは1周期5分ですから、
4象限にわけて速度が変わります。つまり、1分15秒ごとに
行ったり来たりする訳です。これで、その原因が判明しました。
てっきり古くなったモータのギアミッションがヘタッて暴れて
いるものだと思っていました。 早速修正改造です。
ニッパの先にある光っている真鍮ブッシュが今回作ったモノ。
隣がφ3.25もあるガタガタの旧ブッシュ。
こんなモノは旋盤とフライスで朝飯前です。
φ3穴はH8公差、モータシャフトは実測φ3.0でした。
旧ブッシュは250μmもガタがありましたが、H8公差では
プラス18μmですから13.9倍も高精度になります。
組みなおしました。
ハンドボックスは100円のタッパです。泣かせます。
しかも赤緯軸モータが無いのにN,Sスイッチが付いています。
これで赤経軸のスパーギアによるニセPモーションは劇的に改善
されたハズです。今までは息抜きでテキトーに撮影をしていました
から、ガイド星がズレるのは90SのPモーションだと思い込んで
おり、深くは考えませんでした。ただ、600mmでノータッチ
トラッキング撮影をやると2分と持たないのでオカシイとは思って
いました。本来、90Sの仕様は据え付け精度3’、Pモーション
±7”角程度であり、300mm望遠で15分はノータッチで撮影
出来るハズです。600mmでもPモーションの半分の5分で
あれば、成功率がかなりあると考えていました。
でも、実際はそうじゃなかった。
そりゃ~あそうだわな。
今までのノータッチデータを確認してみたら、見事に5分で
ニセPモーションが出ていました。それも±20”以上と言う、
ちょっと理解できないような大きな値で・・・
が、本当のPモーションはニセPに掻き消されてサッパリ検出
できず。まあ、そのくらい小さいってことです。
元々タカハシ純正品で固めている人や、K-ASTECさんの
システムを組み込んでいる人にはこんな問題は出ないでしょうね。
まあ、φ3のモータ軸ってのも問題アリな訳ですが、
最近のノンバックラシュギアミッション付き高トルクモータや、
ゼロバックラッシュのベルト駆動は理に叶っていますね。
さて、実はコレでノータッチトラッキングがかなり現実味を
おびてきた様に思いますが、今となってはAGの安定性がより
向上するだろうとの期待に代わってしまいそうです。
でも、少なくとも300mm以下のレンズではガイドは不要に
なったことでしょう。次回試してみよう。