回転数は上げられているのに、私はもう踏み込んで行く力がない。
いいや、そんなかっこいい言い方じゃない。
回し車のハムスターのような日々だ。
忙しくなると、それまで大事にしていたものなのに、
放置しても平気になってしまうことがある。
あるいは、心苦しさの中で後まわしにするものもある。
支えにしていたはずのものが揺らぐ。
その瞬間はさほど気にならない。
だけど後に必ず、自分にとってその程度のものだったのかと落ち込む。
もっとなんとかできなかったのかと悔む。
仕事していても、家事をしていても、花の手入れをしていても、
子どもと一緒に遊んでいても、趣味のお茶を淹れていても、
買い物していても、サッカー観ていても、バイトに行ってても、
ふっと感じてしまう。
満たされない寂しさってあるんだなと。
先日、帰宅が遅くなった夜道。
スーパームーンからは1日過ぎているにもかかわらず、美しい月。
今宵の月は、まんまるだ。
それを見て、私は満月だと思っても、
満月を追及している人が意見すれば、それは満月じゃないと言うだろう。
よく考えれば、満月とは一瞬しかないんじゃないか。
時間に追いつく速さの飛行機で違う方向から見れば、ずっと満月が見られるのかな。
ぶつぶつ考えながら、自転車のライトが照らす道を見る。
寂しさは、どこかで妥協するしかないのか。
夜風を受けてまとまらない髪の毛を触って、明日は美容室に行こうと思う。
かさかさの指先に気付き、こんな指先を見られるのはいやだな、と思う。
こんなことを思うなんて、まだ大丈夫なんだなと気付く。
少しずつ冷静な思考が取り戻せるだろう。
まずは、つかめそうな4つ目の星のために。
そして、少し休んでから考えてください。
妥協じゃなくて、心を満たすものを選んでください。
ああ。
日常の忙しさの中に飛び込んできた佐藤寿人移籍検討の記事に、
こんなに心揺れるなんて。
(結局それが言いたかったのかって言わないで)