朝っぱらからヘビーだろうか、ピザ・トーストを作ってみる。オニオン・スライスの残り、ピーマン、お叱りを受けそうなベーコン、隠し味はバジル・ソース。コーヒーがうまい。
的矢大橋までのコースは定番となった。しかし、ここから先が未踏である。
「来いよ!」
と誘っているかのようにぼくの前に立ちはだかる、向こうの坂。秋、涼しくなってからだな。
緑深い木々ののトンネルをひょっこり抜けると、気分は『隣のトトロ』の世界。現実には国府・安乗間のバイパス、国府幼稚園の前に出る。磯部大王自転車道におけるぼくのハイライトのひとつ。陽光にさらされてゾクゾク感を味わう。これぞカタルシスである。
もうひとつの見どころが、ここ。阿児の松原を左に眺め、安乗崎灯台を遠くに見やるこの場所。自転車道が海際をなめる。太陽が傾きかけた頃合いに西の空を見てると万葉の世界だ。あくまでぼくの主観だが…。我を忘れる。ただし、パンクしなければ、の話。
帰るとシェフの「オニオングラタンスープ」が待っていた。これは上品なお味。オニオンの甘みが控えめで、スキーっと爽やかかも。浮き身のパンがエモイワレヌ食感。朝食とこのスープで、21.15キロメートルの走行距離が虚しくなりそ。
ドン・ガバチョのように叫んでみたい。
「皆さ~ん、お値打ちなドレッシングばかりか、さらにお買い得のオニオングラタンスープ、早い者勝ちですぞ。」