9月過ぎても今日は猛暑日だそう。それでも出かけるのだから被虐的傾向は日増しに募るようだ。
「あまり過激な運動は止した方が…。」
と心配してもらったが、産まれついてのナマクラモノである。乳酸値を高めるような動きは極力控えている。こんな場合の対応というか自主規制は早い。21段変速機がものを言い余計な筋肉を付けない工夫をしている。
それでも今日のは利いた。お膝元の存知よりからかねて聞いていた。
「いい道があります。ずっと下りです。」
さば寿司で知られる伊勢道路のドライブインほんの少し手前を右に折れる林道のことだ。
ところがかって体験したことのない登りが延々と続く。先が読めないのと、楽だとなめていた分、ヘバリが強い。6合目で息が上がり8合目でヘタバッタ。
吹き出る汗に倍する水分補給を取りながら考えた。聞き漏らしたんや、きっとこう教えてくれたんさ。
「登り終わったらずっと下りやんな」
当たり前やん!
それでも車との遭遇は一切無くて気持ちの好い綺麗な空気をいっぱい嗅いだ。屏風を並べたような志摩と伊勢境、また、志摩と鳥羽の境の山波は見事な眺めとなる。じっくり堪能した。しかし…。
余はここに宣言する。本日の林道、余の記念すべき最後の走行路として記すなり。
きっと娘が見たら、いや姪っこだって、きっと感動してくれるだろう道を見つけたのが今年の夏だ。息子たちにも教えておきたい場所がある。共有したいものが増えている。驚く表情が一日も早く見たいものだ。分かち合いたいものが確かにある。