どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

久しぶりの学生演劇

2015-07-12 01:42:29 | 日記

 

岩手大学の劇団かっぱの夏季公演のゲネプロを撮影してきた。この近年では一番の良作だった。熊谷航の「焼肉大戦」以来だろうか。まず本の構成がいい。変に合理性を持たせようとせずに、タイムマシーンを出してきたり、実はこの本「泣いた××」という超有名な童話が入っているが、それをチロっとセリフに入れて客に気付かせるところとか無理が少ない。若干ここあたりのセリフは言い換えて短くできるかとかあったが、全くムダというわけでもない。とてもよくできているのだ。

多分この劇で不満を持つ人がいるとすれば、よくできているところだろう。もうちょっとギリギリまで攻められないのか?とかはあるだろう。クスっと笑えてもドッカンドッカンと受けをとれるシーンはない。そもそもある型を寄せ集めただけだし、ヒーローも怪人も元人間じゃネ?というあるあるからの本だし、新しさを感じさせない本ではある。またイジメ問題かよ、というのもある。それらをうまく料理しただけで深みはない、そういった批判はあるだろう。

 

 

そうはいっても、学生演劇である以上人生の経験値が低い。どうしても不完全にはなる。そこを体力でなんとかというのが見るべきポイントなのだ。本の不完全さとかイメージの貧弱をどう役者が補えるのかが大きい。

今回はその点がうまくいっている。正直なところ今回出ている役者はそんなにいい役者はいない。昨年に比べれば格落ちなのだが、とにかくなんとかしなければという熱がある。その熱をどう作るかというのが演出の眼目だったようだ。

その意味では熊谷航は天性の人たらしで、狭義のマネージメントができる人物ではなかった。だが全体の把握は抜群にうまかった。その秘訣は秘密だ。「焼肉大戦」はそれで成立したのだろう。だが今回の青葉はマジメ過ぎる人物だ。どうも随分苦労したようだ。その結果かもしれないが、努力でマネージメントの何かを掴んだようだ。

それはごく当たり前の話だ。役者を成長させないと演出は成立しないということだ。演技付だけが演出の仕事ではないのだ。成長させるマネージメントが必要なのだ。

ものすごく歯車がよく動いているようだ。ほんの少しで舞台が大きく動いてゆく。その瞬間に立ち会えたのは僥倖だろう。

 

 

演劇の撮影といえば、予定通りにはいかないということだ。今回もゲネが1時間以上遅れた。当然それは予想していた。それでは盛岡劇場の前には「いなだコーヒー」がある。そこで時間を潰せばいい。以前伺った時には、少しどうかとは思ったのだが、開店から時間が経った今ではかなり変わっているはずだ。なんというかいなださんはプロなのだ。接客のプロでもあるしコーヒーのプロでもある。前回はイマイチだったブラジルはどうなったのか。

「お客様、ぬるめで濃い味がお好きですよね」一回しか行っていないのに把握されてしまった。プロです。ドリップも丁寧になった。その前に豆の量が増えた。以前は多分18g程度だと思うのだが25g以上入ったような気がする。これに関してはそこまでしなくていいのにと思うが、いなださんのところのコーヒーカップは250ccくらいに大きい。だから妥当といえば妥当だ。とはいえやってくれる気概が嬉しい。

とはいえ、福井と熱田さんに話したことが筒抜けになっているような気がするのは、気のせいだろうか。

盛岡は狭い。

 

 

演劇2時間は、やっぱり疲れた。