鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

Dr.John Ym Kooを交えて考える乾癬治療

2018-11-02 16:31:48 | 日記
乾癬治療を考える会にシンポジストとして参加してきた。



上の表は、当院で過去1年間に経験した乾癬患者を重症度で分類し、内服治療、外用療法、通院回数をみたものである。治療を継続するためには少なくとも3か月に1回程度の通院は必要であるが、軽症例ではなんと78%の患者が4回以下の受診であった。また重症例においても、4回以下しか受診しない患者が40%を占めた。また、全体として、1回しか受診しない患者が25%に及んだ。乾癬患者が治療の効果に対し、十分満足していない表れと思われる。初診時における、十分な説明の必要性を感じた。


日時:11月2日 19:00~
場所:山形国際ホテル「平成の間」

外用療法の成功の3つの鍵
米国におけるカルシポトリオール/ベタメタゾンジプロピオン配合剤の使い方

面積1%以下の患者が圧倒的に多い

外用療法:3つの成功の鍵
 有効性 速く良く効く
 安全性 危ない薬と思われない
 アドヒアランス 1日1回

ドボベット
 安定pH域の異なる2つの薬効成分の配合を実現した
 効果は高い
 1年以上の長期投与でも効果が落ちない
 副作用:灼熱間、紅斑、痒みなどの副作用はドボネックスより少ない、副腎抑制はない
 ステロイドの外用の副作用はstrongestでのみ生じたとうデータがある

 患者にとって、治療に時間がかかるのが問題 1日1回はメリット
 症状が良くなっても悪化しても1剤で症状コントロールできる、多くの薬は、アドヒアランスの低下
 ストロンゲストのステロイドを長期使ってはいけない
 ストロンゲストは良く効くので、患者が変えようとしない
 sequential therapy
  ステップ1 導入期 毎日塗布
   早く治す
   皮疹状態、肥厚、鱗屑、紅斑
   落屑、角化、肥厚がなくなるまで 
  ステップ2 移行期 2日に1回塗布
   肥厚なし
   紅斑あり 
  ステップ3 維持期 週末のみ
   週末 のみ塗布
   完全に紅斑が消えたら、2-3週間続け、そのあと徐々に休薬にもっていきましょう

  ドボベットゲルは、医療用医薬品で唯一の油性ゲル剤
   効果の発現は早い
   体に使っても効果はそれ程変わらない
   アルコールや水を含まず刺激感がない
   頭部の乾癬に症状を引き起こす2つの理由:炎症と乾燥 両方に効くのがドボベットゲル
   油性ゲルが乾癬の乾いた皮膚に良いことを伝える
   そして、塗り方を教える (振って、取り出し、頭皮や体に塗布する)
   指に出して、左手で髪を分けて、右示指で塗布する
   使いこなし難しいので、褒めることも大事
   sequential therapyは必要ない
   頭皮の皮膚は委縮しないので継続しても安全

オテズラ(アプレ身ラスト)
 減量しても維持できる
シクロスポリン


discussion
1、頭部の治療
  現在は、ステロイド、ViDを外用している施設が多いが、今後は、頭部、体、共に、配合剤を使いたいと思っている。

 2、体の治療
  多くの施設でドボベットが使われている
  症状が軽快した場合の対応は、さまざま
  塗り方を丁寧に説明することが大事。
 
 3、全身療法
  オテズラ錠で良好な効果
  PASIクリアを目指したい人
  関節症性乾癬はバイオの適応
  重症難治例
   
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