医療福祉eチャンネルで、乃木坂スクールのeラーニングを定期的に受講していま
す。
http://www.ch774.com/home.php
今回は、「認知症ケアにおける地域連携最前線」という10数回のシリーズを週1
回のペース受講しています。前回の「認知症国家戦略の国際的動向」という講義
は大変興味深いものでしたので、情報提供したいと思います。
認知症には、先進各国とも首相、大統領レベルのリーダシップのもと、国家戦略
として取り組んでいます。今年の1月には、東京で、認知症国家戦略に関する国
際政策シンポジウムが開催され、認知症政策に対する国際動向について意
見交換が行われました。
認知症国家戦略に関する国際政策シンポジウム
http://www.h-gh.net/pdf/isonds/02.pdf
今回の講義は、本シンポジウムの内容を踏まえつつ、各国共通の課題と国家戦略
を知る上で大変参考になるものでした。一方で、日本での対策の遅れと、誤った
政策がとても気になりました。
とくに、啓発においては、「早く受診しないと手遅れになって大変ですよ」とい
うような恐怖心を煽って早期受診につなげるようなキャンペーンやスクリーニン
グは逆効果で、各国とも自制的とのこと。
本人が気づいて診断を受けたと思う環境づくりが大事であり、認知症になっても
生き生きと生きられるというメッセージを出していくこと、当事者にポジティブ
なメッセージをキャンペーンの前面に出すことが有効とのことでした。
また、早期診断という言葉はもはや意図的に使わず、本人にとって適切なタイミ
ングでの診断 timely diagnosis(適時診断)という用語を使うべきとのことで
した。この用語の変更は、各国の国家戦略の共通理念を具体化するために重要だ
そうです。
また、早期に医療機関を受診したとしも、診断は「告知」ではなく「宣告」となっ
ているのが現状で、診断後のサポートが不在のため(診断のしっぱなし)、
むしろ、患者・家族の絶望に繋がっているとの指摘もあります。
啓発の方法を変える必要があるし、啓発の前に、サポート体制(認知症ケアマネ
ジメント)をまずは構築する必要があると思いました。
以下、講義メモです。参考までに
「認知症国家戦略の国際的動向」
東京都医学総合研究所
西田 淳志 氏
認知症の国家戦略とは何か
・戦略:課題を克服するための将来を見通した計略(総合的・包括的な計略)
・定められた期間内に確実に目標を達成する(リアリスティックな計画、通常5
年を目途)
・認知症国家戦略とは、認知症の人の生活(人生、life)とそれを取り巻く社会
のありようを限られた期限内に目標に向けて確実に改善するための全国民的な
取り組み、と言える
・”課題の紹介か”、”目標達成に向けた明確な国家意思の表明”
認知症国家戦略の目標は
・認知症という病気の撲滅という達成期限不確定な目標が主であってはならない
・今、すでに認知症を抱えておられる人、その家族、それを取り巻く社会に具体
的な良い変化を期限内にもたらすことが目標。「認知症とともに良い生活(人
生)を送る」ことを可能とすることこそが目標(例:米国 Living well with
dementia)
国家レベルの戦略と対応の必要性
・様々な”分断の溝”に落ちてしまう認知症の人のニーズ
例:国、都道府県、市町村、コミュニティの分断の克服
・認知症の人の生活(人生)を具体的に改善するためには、こられ既存制度や価
値観等の深い溝(分断)を埋めていく(統合していく)壮大な取り組みが不可
欠
・認知症という描記の克服(撲滅)というよりも、むしろ20世紀型社会保障制度
の本質的課題を具体的に克服することが求められれている。
■認知症国家戦略の成立の経緯
認知症の人の声から
・忘れられる「認知症の人の声」
・度重なる事件、改善しない状況
・マスメディア、国民からの批判
・当事者組織による「問題の社会化」戦略(疫学調査、経済コスト推計)
・当事者組織の発展・拡充・成熟、国際機関の活用(アルツハイマー病協会、
WHO、EU)
認知症政策は超党派マター
・各国保守政党支持層の高齢化
・保守政党、革新新党ともに重視
・当事者組織の成長・発展、戦略的ロビー活動
・超党派の議員連盟
・政権や首相の交代があっても政策的な優先的位置づけが変われない、変われない
認知症政策のアウトカム(目標)
・認知症をもちながらも住み慣れた地域で包摂された生活が可能となる社会
・高質かつ効率的な(費用対効果の良い)サービスモデルの整備と普及
→ご本人とご家族の双方を最大限「地域・在宅」で支えられる仕組みづくり
→入院・入所を前提としないサービスモデル
認知症国家戦略の意義(まとめ)
・当事者、ケアラーをはじめとする国民のニーズの顕在化(近未来の深刻な財政問題)
・当事者をはじめとする国民のニーズへの具体的対応(ニーズ:住み慣れた地域で)
・施設収容型サービス →コミュニティ包摂型サービス
・事後対応モデル →事前対応型モデル
・地域における統合ケア(マネジメント)
・スペシャリストモデル(分断的)→ジェネラリストモデル(タスクシフト)
各国の戦略に共通する基本理念と個別課題
■認知症国家戦略に関する政策の国際政策シンポジウム
平成25年1月29日、東京都、厚生省、各国大使館、関係団体、中医協委員、報道
各社などが参加、
目的:認知症政策の国際動向を把握する
共通する理念と推進体制
・基本理念:認知症の人の思いを尊重し、住み慣れた地域での生活の継続を目指す
・推進体制:首相・大統領レベルのリーダーシップ、当事者・市民の積極的関与
地域生活を可能とするための共通戦略
・普及啓発:認知症に対するスティグマの克服
・事前の意思表示:本人の意思や希望を初期に確認し、それを尊重した予防的ケア体制
・事前的対応:タイムリーで適切な診断と支援により危機を事前に防ぐ予防的ケア体制
・危機への対応:行動・心理症状等への心理・社会的ケアの強化、抗精神病薬の使用低減
・ケアラー支援:レスパイトやカウンセリングなどの家族介護者(ケアラー)支援を強化
普及・啓発
認知症に対するスティグマ(偏見)の克服
早期発見、早期治療は、むしろ 認知症に対する恐怖、不安を広げる(脅かさない)
専門家に投げる、わたしが罹患しているはずがない、自分の否定、→受診が遅れる
啓発のしかたを変える必要がある
事前の意思表示
・本人の医師や希望を初期に確認し、それを尊重したケアの提供
事前的対応
・タイムリーで適切な診断と支援により危機を事前に防ぐ予防ケア体制
■各国の抱える個別課題
*診断と初期支援
・認知症の人の約40-60%が診断を受けていない。
・未診断のゆえに必要な相談・支援が”タイムリー”につながらず、ケアの機
会を逸し、危機や問題の増悪、コスト増大を招いている
<克服したい3つの”嘘”>
1、認知症になっても安心して暮らせる地域の”嘘”
認知症だけにはなりたくないという認知症への強いスティグマ
2、早期発見、早期診断の”嘘”
診断後のサポートの不在(診断のしっぱなし、→絶望)
診断は「告知」ではなく「宣告」となっている
3、切れ目のない連続したケアの”嘘”
初期のケアの不在(最初からケアは途切れている)
→解決に向けた対策
ポイント1:啓発
・認知症への”恐怖感”を払しょくするためには、「疾病感」を変えるキャンペーンが必要
(恐怖心を煽って早期受診につなげるようなキャンペーン、スクリーニング
は逆効果)各国とも自制的、本人が気づいて診断を受けたと思う環境が大事、
→認知症の当事者にポジティブなメッセージをキャンペーンの前面に出す
(認知症になっても生き生きと生きられるとうメッセージを出していく)
→アルツハイマーカフェなど身近で敷居の低いアクセスポイントの普及
→”早期診断”から”タイムリーな診断”という認識へ(本人にとって最適なタイミングでの診断)
ポイント2:初期診断
・かかりつけ医の認知症発見・診断能力の向上
→ かかりつけ医セクターによるガイドラインの策定、基礎自治体レベル委
員会への巻き込み
・EUの認知症政策会議(ALCOVE)にて
”早期診断”という言葉はもはや意図的に使われない、
その代わり、timely diagnosis(適時診断)という用語を使う
当事者にとってベストなタイミングで診断を目指すべき、というパーソン
センタードな考え方
この用語の変更は、各国の国家戦略の共通理念を具体化するために重要
適時診断は、スペシャリストではなく、ジェネラリストで、
ポイント3:初期支援
・医学的診断と同時に「社会的アセスメント」をチームで実施
→ 診断後のスムーズな生活支援、”ナビゲート”と十分な情報・心理的支援の提供
*統合されたケア
・多くの支援関係者が分断構造の中でバラバラと登場し、連携も不十分なため利
用者が混乱し、適切なタイミングでサービスを受けられず、機器や問題が発生
している
・パーソンセンタードの視点が不十分で画一的なケースマネジメントにより、当
事者の個別的なニーズに十分に対応できていない。
*認知症の人と家族への支援に十分な支援技術をもったケースマネジャーの確保
・障壁となるさまざまな”分断”が存在:医療と介護、かかりつけ医と専門医、
地方政府と中央政府の分断など。
→対策
ポイント1:認知症ケースマネジメント
・サービスを統合的に提供するための分かりやすくシンプルなケアマネ
ジメントの拠点の設置
・診断後速やかに認知症ケースマネジャーがナビゲートを開始
*危機時の支援
・事前的、予防的支援の不足により、心理・行動症状(BPSD)が発生。その際に
処方される抗精神病薬処方に起因する突然死などが各国共通の大きな問題と
なっている。
→対策
ポイント1:最前線のケアスタッフの支援
・ケアスタッフを対象としてBPSDの予防
・ケアスタッフや家族介護者を支える24時間の相談・支援サービス
ポイント2:危機対応サービスの原則はシンプル
・問題が発生している場での解決を原則とする。アウトリーチと携帯電話によ
るコンサルテーション
・在宅やケア現場を支えるコンサルテーション機能(後方支援体制)が不可欠。
ポイント3:抗精神病薬処方率による政策評価
・認知症政策・施策の推進によりケアの質がたかまったがどうかのアウトカム
評価として各国共通で「抗精神病薬処方率」を採用している。
抗精神病薬の処方率低減が指標
外国では、ほとんど精神科には入院させない。
ベットがあれば利用される。
まずはベットをなくすことと、地域ケアを同時に行う!
抗精神病薬処方、英国 17% →6%
抗精神病薬で10%死亡
最大の課題は、「地域づくり」
まとめ
・最初から最後まで当事者の声を中心に据える
・成熟した当事者組織による問題の社会化
・強い政治的・政策的リーダーシップ
・期限内に目標を達成する仕組み
・地域・国・国際社会の間の強く迅速な連携
・地域レベルの取り組みをいかに活性化することができるか、国レベルの役割
す。
http://www.ch774.com/home.php
今回は、「認知症ケアにおける地域連携最前線」という10数回のシリーズを週1
回のペース受講しています。前回の「認知症国家戦略の国際的動向」という講義
は大変興味深いものでしたので、情報提供したいと思います。
認知症には、先進各国とも首相、大統領レベルのリーダシップのもと、国家戦略
として取り組んでいます。今年の1月には、東京で、認知症国家戦略に関する国
際政策シンポジウムが開催され、認知症政策に対する国際動向について意
見交換が行われました。
認知症国家戦略に関する国際政策シンポジウム
http://www.h-gh.net/pdf/isonds/02.pdf
今回の講義は、本シンポジウムの内容を踏まえつつ、各国共通の課題と国家戦略
を知る上で大変参考になるものでした。一方で、日本での対策の遅れと、誤った
政策がとても気になりました。
とくに、啓発においては、「早く受診しないと手遅れになって大変ですよ」とい
うような恐怖心を煽って早期受診につなげるようなキャンペーンやスクリーニン
グは逆効果で、各国とも自制的とのこと。
本人が気づいて診断を受けたと思う環境づくりが大事であり、認知症になっても
生き生きと生きられるというメッセージを出していくこと、当事者にポジティブ
なメッセージをキャンペーンの前面に出すことが有効とのことでした。
また、早期診断という言葉はもはや意図的に使わず、本人にとって適切なタイミ
ングでの診断 timely diagnosis(適時診断)という用語を使うべきとのことで
した。この用語の変更は、各国の国家戦略の共通理念を具体化するために重要だ
そうです。
また、早期に医療機関を受診したとしも、診断は「告知」ではなく「宣告」となっ
ているのが現状で、診断後のサポートが不在のため(診断のしっぱなし)、
むしろ、患者・家族の絶望に繋がっているとの指摘もあります。
啓発の方法を変える必要があるし、啓発の前に、サポート体制(認知症ケアマネ
ジメント)をまずは構築する必要があると思いました。
以下、講義メモです。参考までに
「認知症国家戦略の国際的動向」
東京都医学総合研究所
西田 淳志 氏
認知症の国家戦略とは何か
・戦略:課題を克服するための将来を見通した計略(総合的・包括的な計略)
・定められた期間内に確実に目標を達成する(リアリスティックな計画、通常5
年を目途)
・認知症国家戦略とは、認知症の人の生活(人生、life)とそれを取り巻く社会
のありようを限られた期限内に目標に向けて確実に改善するための全国民的な
取り組み、と言える
・”課題の紹介か”、”目標達成に向けた明確な国家意思の表明”
認知症国家戦略の目標は
・認知症という病気の撲滅という達成期限不確定な目標が主であってはならない
・今、すでに認知症を抱えておられる人、その家族、それを取り巻く社会に具体
的な良い変化を期限内にもたらすことが目標。「認知症とともに良い生活(人
生)を送る」ことを可能とすることこそが目標(例:米国 Living well with
dementia)
国家レベルの戦略と対応の必要性
・様々な”分断の溝”に落ちてしまう認知症の人のニーズ
例:国、都道府県、市町村、コミュニティの分断の克服
・認知症の人の生活(人生)を具体的に改善するためには、こられ既存制度や価
値観等の深い溝(分断)を埋めていく(統合していく)壮大な取り組みが不可
欠
・認知症という描記の克服(撲滅)というよりも、むしろ20世紀型社会保障制度
の本質的課題を具体的に克服することが求められれている。
■認知症国家戦略の成立の経緯
認知症の人の声から
・忘れられる「認知症の人の声」
・度重なる事件、改善しない状況
・マスメディア、国民からの批判
・当事者組織による「問題の社会化」戦略(疫学調査、経済コスト推計)
・当事者組織の発展・拡充・成熟、国際機関の活用(アルツハイマー病協会、
WHO、EU)
認知症政策は超党派マター
・各国保守政党支持層の高齢化
・保守政党、革新新党ともに重視
・当事者組織の成長・発展、戦略的ロビー活動
・超党派の議員連盟
・政権や首相の交代があっても政策的な優先的位置づけが変われない、変われない
認知症政策のアウトカム(目標)
・認知症をもちながらも住み慣れた地域で包摂された生活が可能となる社会
・高質かつ効率的な(費用対効果の良い)サービスモデルの整備と普及
→ご本人とご家族の双方を最大限「地域・在宅」で支えられる仕組みづくり
→入院・入所を前提としないサービスモデル
認知症国家戦略の意義(まとめ)
・当事者、ケアラーをはじめとする国民のニーズの顕在化(近未来の深刻な財政問題)
・当事者をはじめとする国民のニーズへの具体的対応(ニーズ:住み慣れた地域で)
・施設収容型サービス →コミュニティ包摂型サービス
・事後対応モデル →事前対応型モデル
・地域における統合ケア(マネジメント)
・スペシャリストモデル(分断的)→ジェネラリストモデル(タスクシフト)
各国の戦略に共通する基本理念と個別課題
■認知症国家戦略に関する政策の国際政策シンポジウム
平成25年1月29日、東京都、厚生省、各国大使館、関係団体、中医協委員、報道
各社などが参加、
目的:認知症政策の国際動向を把握する
共通する理念と推進体制
・基本理念:認知症の人の思いを尊重し、住み慣れた地域での生活の継続を目指す
・推進体制:首相・大統領レベルのリーダーシップ、当事者・市民の積極的関与
地域生活を可能とするための共通戦略
・普及啓発:認知症に対するスティグマの克服
・事前の意思表示:本人の意思や希望を初期に確認し、それを尊重した予防的ケア体制
・事前的対応:タイムリーで適切な診断と支援により危機を事前に防ぐ予防的ケア体制
・危機への対応:行動・心理症状等への心理・社会的ケアの強化、抗精神病薬の使用低減
・ケアラー支援:レスパイトやカウンセリングなどの家族介護者(ケアラー)支援を強化
普及・啓発
認知症に対するスティグマ(偏見)の克服
早期発見、早期治療は、むしろ 認知症に対する恐怖、不安を広げる(脅かさない)
専門家に投げる、わたしが罹患しているはずがない、自分の否定、→受診が遅れる
啓発のしかたを変える必要がある
事前の意思表示
・本人の医師や希望を初期に確認し、それを尊重したケアの提供
事前的対応
・タイムリーで適切な診断と支援により危機を事前に防ぐ予防ケア体制
■各国の抱える個別課題
*診断と初期支援
・認知症の人の約40-60%が診断を受けていない。
・未診断のゆえに必要な相談・支援が”タイムリー”につながらず、ケアの機
会を逸し、危機や問題の増悪、コスト増大を招いている
<克服したい3つの”嘘”>
1、認知症になっても安心して暮らせる地域の”嘘”
認知症だけにはなりたくないという認知症への強いスティグマ
2、早期発見、早期診断の”嘘”
診断後のサポートの不在(診断のしっぱなし、→絶望)
診断は「告知」ではなく「宣告」となっている
3、切れ目のない連続したケアの”嘘”
初期のケアの不在(最初からケアは途切れている)
→解決に向けた対策
ポイント1:啓発
・認知症への”恐怖感”を払しょくするためには、「疾病感」を変えるキャンペーンが必要
(恐怖心を煽って早期受診につなげるようなキャンペーン、スクリーニング
は逆効果)各国とも自制的、本人が気づいて診断を受けたと思う環境が大事、
→認知症の当事者にポジティブなメッセージをキャンペーンの前面に出す
(認知症になっても生き生きと生きられるとうメッセージを出していく)
→アルツハイマーカフェなど身近で敷居の低いアクセスポイントの普及
→”早期診断”から”タイムリーな診断”という認識へ(本人にとって最適なタイミングでの診断)
ポイント2:初期診断
・かかりつけ医の認知症発見・診断能力の向上
→ かかりつけ医セクターによるガイドラインの策定、基礎自治体レベル委
員会への巻き込み
・EUの認知症政策会議(ALCOVE)にて
”早期診断”という言葉はもはや意図的に使われない、
その代わり、timely diagnosis(適時診断)という用語を使う
当事者にとってベストなタイミングで診断を目指すべき、というパーソン
センタードな考え方
この用語の変更は、各国の国家戦略の共通理念を具体化するために重要
適時診断は、スペシャリストではなく、ジェネラリストで、
ポイント3:初期支援
・医学的診断と同時に「社会的アセスメント」をチームで実施
→ 診断後のスムーズな生活支援、”ナビゲート”と十分な情報・心理的支援の提供
*統合されたケア
・多くの支援関係者が分断構造の中でバラバラと登場し、連携も不十分なため利
用者が混乱し、適切なタイミングでサービスを受けられず、機器や問題が発生
している
・パーソンセンタードの視点が不十分で画一的なケースマネジメントにより、当
事者の個別的なニーズに十分に対応できていない。
*認知症の人と家族への支援に十分な支援技術をもったケースマネジャーの確保
・障壁となるさまざまな”分断”が存在:医療と介護、かかりつけ医と専門医、
地方政府と中央政府の分断など。
→対策
ポイント1:認知症ケースマネジメント
・サービスを統合的に提供するための分かりやすくシンプルなケアマネ
ジメントの拠点の設置
・診断後速やかに認知症ケースマネジャーがナビゲートを開始
*危機時の支援
・事前的、予防的支援の不足により、心理・行動症状(BPSD)が発生。その際に
処方される抗精神病薬処方に起因する突然死などが各国共通の大きな問題と
なっている。
→対策
ポイント1:最前線のケアスタッフの支援
・ケアスタッフを対象としてBPSDの予防
・ケアスタッフや家族介護者を支える24時間の相談・支援サービス
ポイント2:危機対応サービスの原則はシンプル
・問題が発生している場での解決を原則とする。アウトリーチと携帯電話によ
るコンサルテーション
・在宅やケア現場を支えるコンサルテーション機能(後方支援体制)が不可欠。
ポイント3:抗精神病薬処方率による政策評価
・認知症政策・施策の推進によりケアの質がたかまったがどうかのアウトカム
評価として各国共通で「抗精神病薬処方率」を採用している。
抗精神病薬の処方率低減が指標
外国では、ほとんど精神科には入院させない。
ベットがあれば利用される。
まずはベットをなくすことと、地域ケアを同時に行う!
抗精神病薬処方、英国 17% →6%
抗精神病薬で10%死亡
最大の課題は、「地域づくり」
まとめ
・最初から最後まで当事者の声を中心に据える
・成熟した当事者組織による問題の社会化
・強い政治的・政策的リーダーシップ
・期限内に目標を達成する仕組み
・地域・国・国際社会の間の強く迅速な連携
・地域レベルの取り組みをいかに活性化することができるか、国レベルの役割