鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.319 (認知症国家戦略の国際的動向)

2014-04-28 15:11:03 | 日記
医療福祉eチャンネルで、乃木坂スクールのeラーニングを定期的に受講していま
す。

http://www.ch774.com/home.php


今回は、「認知症ケアにおける地域連携最前線」という10数回のシリーズを週1
回のペース受講しています。前回の「認知症国家戦略の国際的動向」という講義
は大変興味深いものでしたので、情報提供したいと思います。

認知症には、先進各国とも首相、大統領レベルのリーダシップのもと、国家戦略
として取り組んでいます。今年の1月には、東京で、認知症国家戦略に関する国
際政策シンポジウムが開催され、認知症政策に対する国際動向について意
見交換が行われました。

認知症国家戦略に関する国際政策シンポジウム
http://www.h-gh.net/pdf/isonds/02.pdf


今回の講義は、本シンポジウムの内容を踏まえつつ、各国共通の課題と国家戦略
を知る上で大変参考になるものでした。一方で、日本での対策の遅れと、誤った
政策がとても気になりました。

とくに、啓発においては、「早く受診しないと手遅れになって大変ですよ」とい
うような恐怖心を煽って早期受診につなげるようなキャンペーンやスクリーニン
グは逆効果で、各国とも自制的とのこと。

本人が気づいて診断を受けたと思う環境づくりが大事であり、認知症になっても
生き生きと生きられるというメッセージを出していくこと、当事者にポジティブ
なメッセージをキャンペーンの前面に出すことが有効とのことでした。

また、早期診断という言葉はもはや意図的に使わず、本人にとって適切なタイミ
ングでの診断 timely diagnosis(適時診断)という用語を使うべきとのことで
した。この用語の変更は、各国の国家戦略の共通理念を具体化するために重要だ
そうです。

また、早期に医療機関を受診したとしも、診断は「告知」ではなく「宣告」となっ
ているのが現状で、診断後のサポートが不在のため(診断のしっぱなし)、
むしろ、患者・家族の絶望に繋がっているとの指摘もあります。

啓発の方法を変える必要があるし、啓発の前に、サポート体制(認知症ケアマネ
ジメント)をまずは構築する必要があると思いました。


以下、講義メモです。参考までに

「認知症国家戦略の国際的動向」
東京都医学総合研究所
西田 淳志 氏

認知症の国家戦略とは何か
・戦略:課題を克服するための将来を見通した計略(総合的・包括的な計略)
・定められた期間内に確実に目標を達成する(リアリスティックな計画、通常5
 年を目途)
・認知症国家戦略とは、認知症の人の生活(人生、life)とそれを取り巻く社会
 のありようを限られた期限内に目標に向けて確実に改善するための全国民的な
 取り組み、と言える
・”課題の紹介か”、”目標達成に向けた明確な国家意思の表明”

認知症国家戦略の目標は
・認知症という病気の撲滅という達成期限不確定な目標が主であってはならない
・今、すでに認知症を抱えておられる人、その家族、それを取り巻く社会に具体
 的な良い変化を期限内にもたらすことが目標。「認知症とともに良い生活(人
 生)を送る」ことを可能とすることこそが目標(例:米国 Living well with
 dementia)

国家レベルの戦略と対応の必要性
・様々な”分断の溝”に落ちてしまう認知症の人のニーズ
 例:国、都道府県、市町村、コミュニティの分断の克服
・認知症の人の生活(人生)を具体的に改善するためには、こられ既存制度や価
 値観等の深い溝(分断)を埋めていく(統合していく)壮大な取り組みが不可
 欠
・認知症という描記の克服(撲滅)というよりも、むしろ20世紀型社会保障制度
 の本質的課題を具体的に克服することが求められれている。

■認知症国家戦略の成立の経緯
認知症の人の声から
・忘れられる「認知症の人の声」
・度重なる事件、改善しない状況
・マスメディア、国民からの批判
・当事者組織による「問題の社会化」戦略(疫学調査、経済コスト推計)
・当事者組織の発展・拡充・成熟、国際機関の活用(アルツハイマー病協会、
 WHO、EU)

認知症政策は超党派マター
・各国保守政党支持層の高齢化
・保守政党、革新新党ともに重視
・当事者組織の成長・発展、戦略的ロビー活動
・超党派の議員連盟
・政権や首相の交代があっても政策的な優先的位置づけが変われない、変われない

認知症政策のアウトカム(目標)
・認知症をもちながらも住み慣れた地域で包摂された生活が可能となる社会
・高質かつ効率的な(費用対効果の良い)サービスモデルの整備と普及
 →ご本人とご家族の双方を最大限「地域・在宅」で支えられる仕組みづくり
 →入院・入所を前提としないサービスモデル

認知症国家戦略の意義(まとめ)
・当事者、ケアラーをはじめとする国民のニーズの顕在化(近未来の深刻な財政問題)
・当事者をはじめとする国民のニーズへの具体的対応(ニーズ:住み慣れた地域で)
・施設収容型サービス →コミュニティ包摂型サービス
・事後対応モデル →事前対応型モデル
・地域における統合ケア(マネジメント)
・スペシャリストモデル(分断的)→ジェネラリストモデル(タスクシフト)

各国の戦略に共通する基本理念と個別課題

■認知症国家戦略に関する政策の国際政策シンポジウム
平成25年1月29日、東京都、厚生省、各国大使館、関係団体、中医協委員、報道
各社などが参加、
目的:認知症政策の国際動向を把握する
共通する理念と推進体制
 ・基本理念:認知症の人の思いを尊重し、住み慣れた地域での生活の継続を目指す
 ・推進体制:首相・大統領レベルのリーダーシップ、当事者・市民の積極的関与
地域生活を可能とするための共通戦略
 ・普及啓発:認知症に対するスティグマの克服
 ・事前の意思表示:本人の意思や希望を初期に確認し、それを尊重した予防的ケア体制
 ・事前的対応:タイムリーで適切な診断と支援により危機を事前に防ぐ予防的ケア体制
 ・危機への対応:行動・心理症状等への心理・社会的ケアの強化、抗精神病薬の使用低減
 ・ケアラー支援:レスパイトやカウンセリングなどの家族介護者(ケアラー)支援を強化

普及・啓発
 認知症に対するスティグマ(偏見)の克服
 早期発見、早期治療は、むしろ 認知症に対する恐怖、不安を広げる(脅かさない)
 専門家に投げる、わたしが罹患しているはずがない、自分の否定、→受診が遅れる
 啓発のしかたを変える必要がある
事前の意思表示
 ・本人の医師や希望を初期に確認し、それを尊重したケアの提供
事前的対応
 ・タイムリーで適切な診断と支援により危機を事前に防ぐ予防ケア体制

■各国の抱える個別課題
*診断と初期支援
 ・認知症の人の約40-60%が診断を受けていない。
 ・未診断のゆえに必要な相談・支援が”タイムリー”につながらず、ケアの機
  会を逸し、危機や問題の増悪、コスト増大を招いている
 <克服したい3つの”嘘”>
 1、認知症になっても安心して暮らせる地域の”嘘”
   認知症だけにはなりたくないという認知症への強いスティグマ
 2、早期発見、早期診断の”嘘”
   診断後のサポートの不在(診断のしっぱなし、→絶望)
   診断は「告知」ではなく「宣告」となっている
 3、切れ目のない連続したケアの”嘘”
   初期のケアの不在(最初からケアは途切れている)
 →解決に向けた対策

ポイント1:啓発
 ・認知症への”恐怖感”を払しょくするためには、「疾病感」を変えるキャンペーンが必要
  (恐怖心を煽って早期受診につなげるようなキャンペーン、スクリーニング
  は逆効果)各国とも自制的、本人が気づいて診断を受けたと思う環境が大事、
  →認知症の当事者にポジティブなメッセージをキャンペーンの前面に出す
 (認知症になっても生き生きと生きられるとうメッセージを出していく)
  →アルツハイマーカフェなど身近で敷居の低いアクセスポイントの普及
  →”早期診断”から”タイムリーな診断”という認識へ(本人にとって最適なタイミングでの診断)

ポイント2:初期診断
  ・かかりつけ医の認知症発見・診断能力の向上
  → かかりつけ医セクターによるガイドラインの策定、基礎自治体レベル委
員会への巻き込み
  ・EUの認知症政策会議(ALCOVE)にて
   ”早期診断”という言葉はもはや意図的に使われない、
   その代わり、timely diagnosis(適時診断)という用語を使う
   当事者にとってベストなタイミングで診断を目指すべき、というパーソン
   センタードな考え方
   この用語の変更は、各国の国家戦略の共通理念を具体化するために重要
   適時診断は、スペシャリストではなく、ジェネラリストで、
ポイント3:初期支援
  ・医学的診断と同時に「社会的アセスメント」をチームで実施
  → 診断後のスムーズな生活支援、”ナビゲート”と十分な情報・心理的支援の提供

*統合されたケア
・多くの支援関係者が分断構造の中でバラバラと登場し、連携も不十分なため利
 用者が混乱し、適切なタイミングでサービスを受けられず、機器や問題が発生
 している
・パーソンセンタードの視点が不十分で画一的なケースマネジメントにより、当
 事者の個別的なニーズに十分に対応できていない。

*認知症の人と家族への支援に十分な支援技術をもったケースマネジャーの確保
・障壁となるさまざまな”分断”が存在:医療と介護、かかりつけ医と専門医、
 地方政府と中央政府の分断など。
 →対策
 ポイント1:認知症ケースマネジメント 
 ・サービスを統合的に提供するための分かりやすくシンプルなケアマネ
  ジメントの拠点の設置
 ・診断後速やかに認知症ケースマネジャーがナビゲートを開始

*危機時の支援
 ・事前的、予防的支援の不足により、心理・行動症状(BPSD)が発生。その際に
  処方される抗精神病薬処方に起因する突然死などが各国共通の大きな問題と
  なっている。
 →対策
 ポイント1:最前線のケアスタッフの支援
 ・ケアスタッフを対象としてBPSDの予防
 ・ケアスタッフや家族介護者を支える24時間の相談・支援サービス
 ポイント2:危機対応サービスの原則はシンプル
 ・問題が発生している場での解決を原則とする。アウトリーチと携帯電話によ
  るコンサルテーション
 ・在宅やケア現場を支えるコンサルテーション機能(後方支援体制)が不可欠。
 ポイント3:抗精神病薬処方率による政策評価
 ・認知症政策・施策の推進によりケアの質がたかまったがどうかのアウトカム
  評価として各国共通で「抗精神病薬処方率」を採用している。
  抗精神病薬の処方率低減が指標

外国では、ほとんど精神科には入院させない。
ベットがあれば利用される。
まずはベットをなくすことと、地域ケアを同時に行う!
抗精神病薬処方、英国 17% →6%
抗精神病薬で10%死亡
最大の課題は、「地域づくり」

まとめ
・最初から最後まで当事者の声を中心に据える
・成熟した当事者組織による問題の社会化
・強い政治的・政策的リーダーシップ
・期限内に目標を達成する仕組み
・地域・国・国際社会の間の強く迅速な連携
・地域レベルの取り組みをいかに活性化することができるか、国レベルの役割


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No.318 (散りゆく桜)

2014-04-25 10:21:53 | 日記


今日は早く起きたので、満開も過ぎ、名残惜しい鶴岡公園の桜を撮ってきました。


写真
https://plus.google.com/photos/101791822828330277284/albums/6006033051265585249

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No. 317 (在宅医療を考える会世話人会)

2014-04-22 16:20:41 | 日記


21日19:00~、在宅医療を考える会の世話人会を行いました。

本年度も年3回の「考える会」を予定していますが、今回はその内容について話し合いでした。いろいろと話し合った結果、以下の内容でやってみようということになりました。

6月「救急医療に関する意見交換会」

保健所が、庄内地区の診療所、病院、救急隊を対象に、救急医療に関する大規模なアンケート調査を行っている。このアンケート調査結果について、救急医療課題検討WGが検討を行っている。「考える会」でも、診療所、病院からの意見・要望をもとに、在宅医と荘内病院救急に携わる関係者との間での意見交換会を企画する。

10月 「在宅緩和ケア」

荘内病院の和泉医師から、病院のPCTの在宅支援活動について話をしたいという要望がでている。和泉医師からの講演のほかに、庄内プロジェクトの現状(退院前カンファレンスの実施数、在宅看取りの数、在宅主治医数など)や緩和ケア症例検討会からの話題などについても話題とし当地区における在宅緩和ケアの現状について、共通の認識を共有する。

2~3月 「在宅患者における 食と栄養」

在宅患者が長く食べられるためには、嚥下専門医、歯科、歯科衛生士、栄養士、STなどとの連携が必要である。一方で、在宅医が食べる機能(咀嚼や嚥下機能)の基礎的な知識を十分にもちあわせてはいないという現状がある。昨年度、歯科医師会が主催した日本歯科大学教授、菊谷先生の「地域行う食支援」についての講演は、非常に分かりやすく、実践的であった。菊谷先生をもう一度お呼びして、多職種で高齢者における食支援について学ぶ機会を設ける。

2、ゆきちネットの今後

 利用は限られている。現状を把握する必要がある。
MLを利用して、情報を収集する。

3、その他

以上

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No.316 (鶴岡市民写真展)

2014-04-22 09:31:28 | 日記
19日(土曜)午後、第7回鶴岡市民写真展の表彰式に出席して来ました。この写
真展には鶴岡地区医師会も協賛しており、鶴岡地区医師会賞を提供しています。
今回初めて出席し、賞状を授与して来ました。

7回目となる市民写真展には761点の応募があり、入賞は33点だったようです。因
みに鶴岡地区医師会長賞は、「仲良くテレビ鑑賞を撮るじじ」というタイトルの
写真で、若い女性の作品でした。

以下、荘内日報より
http://www.shonai-nippo.co.jp/cgi/ad/day.cgi?p=2014:04:12:5911

 第7回鶴岡市民写真展が11日、鶴岡アートフォーラムで始まった。庄内の豊か
な自然や人々の表情など、さまざまな部門で受賞した約200点が会場に飾られ、
訪れた人たちを楽しませている。

 市民写真展は市内の写真愛好家たちが実行委員会(齋藤勝元委員長)を組織し
2008年から毎年開催している。今回は「身近な人々」「イベント」「鶴岡の桜」
など7テーマで一般部門と、テーマ自由の学生部門で広く市民に呼び掛けたとこ
ろ、9歳から89歳までの239人から計761点の応募があった。

 同市のプロカメラマンの八尾坂弘喜さんを委員長に計4人が応募作品を審査。
最高賞の鶴岡市長賞をはじめとする入賞33点と準入賞40点、入選130点を決めた。

 会場には満開の桜や青々とした田んぼなど庄内の四季折々の自然風景や、仲良
く昼寝する兄弟や家族の生き生きした表情、祭りの様子などさまざまなジャンル
の作品が並んだ。また、今回初めて「推挙部門」を設定し、第1―6回までに4回
以上入賞したベテランの作品を展示。訪れた人たちは作品一点一点をじっくりと
眺めていた。

 展示は20日まで。19日午後1時半から同フォーラムで表彰式が開かれる。

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No.315 (桜 Part2)

2014-04-21 15:06:08 | 日記


今年の鶴岡周辺の桜は、天候に恵まれ、とてもきれいでしたね。
カメラ片手に、鶴岡公園をはじめ、櫛引馬渡、松ヶ岡、羽黒、松山など回ってみ
ました。月山、鳥海、青空を背景に今年の桜は大いに楽しませてくれました。

写真集

https://plus.google.com/photos/101791822828330277284/albums/6004568344852741377

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No.314 (桜)

2014-04-18 17:25:15 | 日記



桜が満開の季節ですね。
昨日は、櫛引の馬渡と鶴岡公園へ行ってみました。
櫛引は、まだ5分咲きかな。
夜の鶴岡公園は人がいっぱいでした。

写真
https://plus.google.com/photos/101791822828330277284/albums/6003511545698190097

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No.313 (行政とのミーティング)

2014-04-15 12:06:16 | 日記


昨日の昼(13:00-14:00)、本年度の第1回目となる、ほたると行政とのミーティ
ングを行いました。今回は、鶴岡市、三川町、庄内総合支庁のほか、山形県健康
福祉部から2名の参加もあり、総勢15名の大きなミーティングになりました。

内容につき、以下報告します。

1、ほたるより
26年度のアクションプランについて
 本年度もたくさんの事業を予定しているが、その概要説明。
 詳細については次回のミーティングまで詰める予定。
 また、総合相談業務などから課題を抽出し、項目ごとに対策を考えて行く。
 課題例:
 介護事業所でのがん患者の対応が困難、
 感染症のある患者の受け入れ困難、
 経鼻栄養を受け入れる施設が少ない
 ケアマネ関連
  病院との連携が不十分
  主治医との連携が不十分
  他地域の医療機関との調整が困難
  医療機関でのレスパイト情報の相談先がない
 情報関連
  訪問して嚥下リハを実施できる医療機関、サービスがない
  訪問理美容、はり・きゅう・マッサージの訪問サービスの情報が分からない
  喀痰吸引等を行ることがDけいる訪問看護事業所の情報がない
  診療報酬や介護報酬、などの相談窓口が分からない
  鶴岡病院との関係性が不十分
  精神科訪問看護の実態を把握できていない
 退院支援
  医療機関からの退院支援に不満を感じている
 難病患者
  神経難病患者の在宅療養の支援体制が不十分、
  透析患者が利用できる介護サービス、施設がない(在宅療養ができない)

2、鶴岡市より
 *認知症選任の保健師を1名配置した
 *医療介護連携を進めていく

・共通書式の検討について
 在宅医療を考える会で出た課題から、以下の連絡様書式を整備し、ケアマネと
 医療機関との連携ツールとして活用したい。
  ケアマネからの受診同行連絡票
  ケアマネからの情報提供書
  サービス担当者会議の日程調整について、
  サービス担当者会議の開催について

・認知症対策について
 専任(保健婦)を配置
 もの忘れ相談医制度の利用状況について会員へ周知する
 患者・家族教室を年6回、開催する (講師:中目、丸谷先生)
(意見)
 もの忘れ相談医制度は、もの忘れ相談医の資質も含めて課題が多い
 もの忘れ相談医と専門医や地域との連携が不十分
 認知症対策は、住民を含む地域全体で取り組むべき課題

3、三川町より
 今年度の取り組みについて報告

4、山形県より
 在宅医療については、鶴岡をモデルに全県的に進めていく
 地域ケア会議を推進する
 首長(市長など)を対象とした田中滋氏によるトップセミナーを7月11日に開催予定

5、その他
 鶴岡市から、給付適正化事業(ケアプラン検証会議)を年3回行っている
 今年は、認知症加算を算定している事業所から6ケースを提示してもらい、
 作業療法士なども入れて検討する予定。

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No.312 (鳥屋野潟公園)

2014-04-14 17:06:42 | 日記


昨日は、天気が良かったので、新潟まで足を延ばし、満開の桜を堪能してきまし
た。当地ではこれからですね。一足早い桜をお楽しみ下さい。帰り道の由良での
夕陽も素敵でした。

写真集
https://plus.google.com/photos/101791822828330277284/albums/6001978809098136177

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No.311 (庄内南部地域うつ医療連携の会)

2014-04-12 15:35:41 | 日記


4月11日、19:00~ 東谷心療内科 院長であられる東谷先生のうつ病の勉強会があり、聴講してきましたので報告します。

座長: 鶴岡病院 医長 東海林 岳樹 先生
演者: 東谷心療内科 院長 東谷 慶昭 先生

東谷先生の講演に先立ち、座長の東海林先生から、本年度開院予定の山形県立こころの医療センターのストレスケア病棟についての説明がありました。ストレスケア病棟は、うつ病、神経性障害、アルコール依存症、マイルドな統合失調症、パーソナリティー障害などの患者用病棟で、認知行動療法、修正型電気痙攣法や疾病教育、家族支援、職場面接などにも新たに取り組むとのことでした。



講演「うつ医療連携の工夫」
 東谷心療内科 院長 東谷 慶昭先生 (専門は産業医)
 山形県産業保健総合支援センター


東谷先生の専門は、職場で働く人の「こころの健康」(メンタルヘルスケア)とのことで、講演の内容はうつ病というよりは適応障害が主でした。

講演のポイント
適応障害(うつ病)は、
・(精神症状より)身体症状を訴えることが多い
・眠れない、食欲がない、だるいの訴えは要注意
・適応障害(うつ)はこころのエネルギーが下がった状態と理解する
・適応障害の対応は、(薬ではなく)労務管理が中心になる
・時間の経過ととこころのエネルギーの関係を図で説明し、自分が今どの状態に
 いるのかを理解させることが有用
・職場復帰後2か月遅れて、症状が出てくることを知っておく
・職場復帰可能の判定条件は、1)本人からの「やれそうだ」、「復帰したい」の
 復帰の希望、2)リズム表の提出、3)振り返りレポート提出
・家族とは別にもうひとつの家族(職場、学校、友人、コミュニティー・・)が
 必要
・ストレスはバランスで理解する
  (「やりがい」、「趣味」などのプラス要素を増やすことも大事)

以下講演メモ


1、メンタルヘルスケアの担い手
 初診は内科、婦人科医がかかわることが多い、
 産業保健においては、判断は産業医が担うが、
 対応は、人事労務管理者

2、精神症状よりも身体症状や行動
 不安、怒り、焦り、緊張などの精神症状より、頭痛、めまい、動悸、胸痛、はきけなどの消化器症状、呼吸困難、関節痛など身体症状の訴えることが多い。

 職場では、「ケチな飲み屋」
 ケ:欠勤、チ:遅刻、な:泣き言、飲:能率が下がる、み:ミス、屋:辞めたいといだす

 勤労者のうつの診たて
  睡眠(眠れない、寝つきは悪くないが、目が覚める、2週間継続)、
 食欲(がない、体重が減った)、
 休日の過ごし方(休日に何もできない、寝ている)、
    ☚ 大事な質問、うつ病では1日寝ていることが多い
 原因不明の身体症状

3、メンタルヘルスは3か月単位

時間経過とこころのエネルギーの変化
 一般的には、大きな変化(昇進、異動)後2か月で落ちて、6か月で戻る(適応)
  適応障害、うつ状態では、下がったままで、戻らない
 うつ病は、こころのエネルギーが下がった状態
 *メンタルヘルスは3か月単位
  3か月以内の疲労感辛さは、誰にでもある
  3-6か月は、慣れていく過程
  6か月以上経過しても慣れないケースは要注意
  1年以上経過してさらに状態が悪化する時は休養が必要なことが多い

 うつ病と適応障害
  適応障害では、職場で症状が強い、休日には楽になる、好きなことはできる、
   こころのエネルギーそれなりにある、
   対応は、職場環境の調整など労務管理が中心で抗うつ剤の効果はあrまりない、
   短期間の休養で改善する

4、職場復帰のポイントは続けて働けること

 適応障害、休むと症状が改善する、 うつ病は、改善しない
  人間関係や仕事との相性などに問題があることが多い
  休んで元気になったとして、再開で再発
  適応障害、職場環境の調整で解決することが多い
  図で説明すると納得してもらうことが多い
  振り返りレポートを書くことで、問題が抽出できる
  職場復帰後2か月遅れて出てくることを知っておく
  復帰時のエネルギーを高くすることが必要

 職場復帰可能の判定条件
  1)本人からの「やれそうだ」、「復帰したい」の復帰の希望
  2)リズム表の提出
  3)振り返りレポート提出

5、こころの健康はからだの健康から
種々の身体疾患は、うつ病を伴う頻度が高い
 例:脳卒中、消化器疾患、心不全、COPD、虚血性心疾患、
平日の睡眠時間:6時間以下、9時間以上寝ている人はうつ病に多い
睡眠不足
肥満、糖尿病、・・・・・
老化が早まる
成績が下がる
生理が早く来るなど性成熟が早まる

 こころの健康のために有用な要素
 朝食、栄養バランス、禁煙、禁酒、趣味、運動、満足、規則正しい生活
 

 ストレスはバランスで理解する
「つらいストレス(仕事の負担度など)」と「ストレス緩和(やりがい、評価、裁量権)」 とのバランス
プラス要因を増やすことが大事

人と人とが連携することが大事
自殺のキーワードは、「孤立」
相談する相手がいない
!家以外のもうひとつの家族が必要
「わいわいがやがや」 がお互いの良い関係を形成
自分が安心して過ごせるふたつ以上のコミュニティーが必要
良好なワークバランス


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No.310 (准看学院入学式)

2014-04-11 10:57:37 | 日記
昨日(10日)、新入生26名を迎え、鶴岡准看護学院入学式が行われました。

プロを意識すること、人間力を磨くこと、健康であることを心かげて欲しいと挨
拶しました。心豊かな看護師に育ってもらいたいものです。


平成26年度鶴岡准看護学院入学式式辞

ただ今、鶴岡准看護学院に入学が許可された新入生の皆さん、入学おめでとうご
ざいます。教職員一同大変嬉しく思うと共に、皆さんを心から歓迎いたします。
また、今日まで深い愛情をもって、お子様の成長を支えてこられた保護者の皆さ
ん、心からお喜び申し上げます。また、ご来賓の皆様におかれましては、お忙し
いところご臨席賜りましたことを厚く御礼申し上げます。

さて本学院は、准看護師を養成することを目的とした学校です。まずは、准看
護師という資格を得るのだという、強い目的意識をもって欲しいと思いす。3月
に卒業した皆さんの先輩の合格率は100%というすばらしい結果でした。是非、皆
さんも、一人も落ちこぼれることなく、全員が資格試験に合格し、看護職として
社会に巣立ってくれることを願っています。

 そういう皆さんに、本学院でこれからの学生生活を送るにあたって、3つの
ことを心がけるように、お願いをしておきたいと思います。

ひとつ目は、プロを意識せよ、と言うことです。プロとは、専門的な知識・技
術を持ち合わせた専門職ということです。医療に従事するプロとなるために学ん
でいるのだ、と言う明確な意識を持ってほしい、持ち続けてほしい、と言うこと
です。医療の世界は日進月歩です。基礎から先端的なことまで、学ぶことはたく
さんあり、しかも、どんどん増えています。学年の進行とともに、授業だけでな
く、病院での実習など、過密なスケジュールが待っています。最後の段階で資格
試験を受けて、資格を得ることになりますが、立派なプロになるのだ、と言う強
い意識を持ち続けて、途中でくじけることなく、頑張ってついてきて頂きたいと
思います。

ふたつ目は、人間力を磨いてほしいと言うことです。看護師は患者さんやその
家族と接する時間が長い職種ですし、医師、薬剤師、リハスタッフ、事務職、介
護職などさまざまな職種の調整的な役割も担わなければなりません。専門的な知
識や技術に加えて、他人への思いやり、周囲を理解する力、それらを上手に表現
する力、協調性や判断力、そういった総合的な人間力が必要ということです。そ
れを欠いては現場では使い物になりませんし、「困った人」「現場のお荷物」に
なってしまうかも知れません。これはもちろん一生をかけて磨いていくものです
が、現場に出ればすぐに要求されることなので、学生のうちからしっかり心がけ
て頂きたいと思います。

三つ目は丈夫な体を作り健康に気をつけるということです。医療の世界は激務
です。肉体的にきついだけではなく、精神的なストレスもあるでしょう。それに
対応するには、体力・気力が必要です。忙しい中にあっても、体を鍛えることに、
意識的に気を配っていただきたいと思います。規則正しい生活や生活習慣に気を
つけ、体調を崩すことのないように気をつけてください。丈夫で健康な体はすべ
ての基盤です。

看護職になるために本学に入学した皆さんが、専門的な知識や技術を身につける
だけでなく、精神的にも身体的にも強靭で、周囲から信頼される人間性豊かな人
として育っていかれることを願って止みません。新入生の前途を祝福し、本学院
における勉学が有意義なものになるよう期待して、入学式の式辞といたします。

平成26年4月10日
鶴岡准看護学院 学院長 三原一郎

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