昨日(10月29日)、医師会講堂で5大がん地域連携パス研修会が行われました。
残念ながら、出席者は少なかったものの、荘内病院の外科から、貴重な講演を頂
き有意義な研修会でした。
外科領域では、腹腔鏡、胸腔鏡などを使った非侵襲的な手術が主流になってい
ること、荘内病院は他病院に比較しても先進的な手術にチャレンジしていること
を知りました。このようなことは、もっと、市民へ周知してはと感じます。
1、開会
2、会長あいさつ
(要旨)
がんパスのおもな目的は、二人主治医制の普及定着、勤務医の負担軽減、患者の
病気への理解利や便性の向上にあると考えてる。
当地区では、がん緩和ケア普及のための地域プロジェクト(OPTIM)の取り組み
で、患者、家族が希望すれば、十分な緩和ケアのもとで、自宅で看取る体制が整
いつつある。住み慣れた自宅で、家族に囲まれて、終末期を送り、また看取るこ
とは、患者さんにとって、家族にとって、幸せなことであることが、多くの経験
から、実証されている。
一方で、在宅へ戻すタイミングが遅すぎて、十分なコミュニケーションがとれな
いという、診療所医師の声も多い。
がん患者を、その初期から、かかりつけ医と病院医師が一緒にみていくという体制
づくりは、患者さんの安心感、利便性などの上からも、とても重要だと考えている。
当地区の5大がんパスは、まだまだ、十分機能しているとはいえないが、パスの
目的に対する理解が不十分に起因する部分が大きいと考えている。
今後、さらに進む超高齢社会では、地域全体で患者をみる!という方向性は
ますます重要になっており、今後ともがんパスの普及に向けて努力していきたい。
今日は、がんを治療している病院側から、がんパスの運用状況、最新のがん治療
について学び、今後の発展につなげたいと思う、どうぞ、よろしくお願いしたい。
3、運用状況報告
・県内の運用状況:日本海病院が多い(113)、荘内病院:58
・荘内病院の運用件数は今年になりかなり伸びている、とくに大腸がん
・部位別では、大腸>胃>肺、乳 肝臓は0
・県内の連携医療機関数内訳:村山59、最上14、置賜36、庄内40(鶴岡
17)
・荘内病院では、登録以外への連携割合が多い:27.6% (県立新庄病院:33.3%)
=がん治療連携指導料がとれていない例が多い
4、講演
■当科における消化器疾患に対する手術の現状および腹腔鏡手術
荘内病院外科 主任医長 二瓶 幸栄
・2チーム制 それぞれ5名 + 院長、計 11名
・勉強にきている若い医師が多い、
・手術件数は横ばい、今年は例年より多い
・悪性疾患手術数は、若干減少傾向(年間200前後)
・胃がん:年間70件程度
・大腸がん:70件、今年は多く、90件に届きそう
・肝胆膵:少ない(10-20件程度))
・乳がん(30-40件)):減少傾向 (乳がんの専門医がいないため)
・腹腔鏡手術:全体の20%、
・胃悪性疾患に対する腹腔鏡手術、にデルタ吻合:動画で説明
・大腸悪性疾患に対する腹腔鏡手術(超低位前方切除):
増加傾向 2013年:38%、動画で説明
・胆嚢摘出術、腹腔鏡手術が圧倒的に多い
・食道癌手術、腹腔鏡手術が主(視野を確保可能)、VATE-E
道具の進歩が腹腔鏡手術を可能としている
神経を温存しつつ手術可能
・早期胃がんの標準的入院経過
・手術前日入院
・問題なければ、術後7日前後で退院
退院後
・2週間後に外来受診、問題なければ、パスで近医へ紹介
・その後、2週間から1か月間隔で、2,3回外来受診
・それ以降はパスに沿って外来検査、診察
・パスで扱っているのはステージⅠ:再発率1-2%
手術だけで終わる症例が減少し、術後フォローは病院の外来では十分対応でき
ない可能性 → (パスを使って)診療所にお願いしたい。
■荘内病院における肺癌外科治療について
荘内病院呼吸器外科 主任医長 正岡俊明
肺癌治療にする当科の取組み
○手術の低侵襲化
1、開胸手術 から 胸腔鏡下手術(VATS)へ
開胸手術より視野が広い、操作には習熟が必要
まだ、(東北では)普及していない
完全胸腔手術は、肺活量温存効果が高い
荘内病院では、70-80%は、VATS
荘内病院:東北6県では導入率が最も高い
2、標準手術 から 縮小手術へ
部分切除、区域切除、肺葉切除があるが、より縮小した手術へ
2000年以降、2㎝以下の小型肺癌に対する縮小手術でも、
肺葉切除と同等の成績
2㎝以下の小型肺癌
画像的非侵襲:部分切除
画像的浸潤癌:肺葉切除 VS 区域切除
肺癌の標準術式、今後の展望
小型肺癌、すりガラス主体の肺癌 → 部分切除、区域切除 へ
荘内病院では、部分切除、区域切除(半分以上)が増えている、
また、小型の肺癌が多くなっている
○早期肺癌の発見率・診断率の向上
1、CT検診の普及が望まれる
2、CT読影力の強化が必須
(呼吸器検討会での共同読影 毎木曜日17:30から、三科合同)
3㎝以下の腫瘍の発見率はCTが圧倒的
山形県のがん死亡率は、全国平均
庄内地方は、県平均より悪い
さらに、鶴岡は酒田より悪い
5、連携医療機関のお願いと手続きの流れについて
遠藤より手続きについて説明
簡単な書式で登録できることなったこともあり、
会員へ周知し、登録医療機関を増やしていきた
残念ながら、出席者は少なかったものの、荘内病院の外科から、貴重な講演を頂
き有意義な研修会でした。
外科領域では、腹腔鏡、胸腔鏡などを使った非侵襲的な手術が主流になってい
ること、荘内病院は他病院に比較しても先進的な手術にチャレンジしていること
を知りました。このようなことは、もっと、市民へ周知してはと感じます。
1、開会
2、会長あいさつ
(要旨)
がんパスのおもな目的は、二人主治医制の普及定着、勤務医の負担軽減、患者の
病気への理解利や便性の向上にあると考えてる。
当地区では、がん緩和ケア普及のための地域プロジェクト(OPTIM)の取り組み
で、患者、家族が希望すれば、十分な緩和ケアのもとで、自宅で看取る体制が整
いつつある。住み慣れた自宅で、家族に囲まれて、終末期を送り、また看取るこ
とは、患者さんにとって、家族にとって、幸せなことであることが、多くの経験
から、実証されている。
一方で、在宅へ戻すタイミングが遅すぎて、十分なコミュニケーションがとれな
いという、診療所医師の声も多い。
がん患者を、その初期から、かかりつけ医と病院医師が一緒にみていくという体制
づくりは、患者さんの安心感、利便性などの上からも、とても重要だと考えている。
当地区の5大がんパスは、まだまだ、十分機能しているとはいえないが、パスの
目的に対する理解が不十分に起因する部分が大きいと考えている。
今後、さらに進む超高齢社会では、地域全体で患者をみる!という方向性は
ますます重要になっており、今後ともがんパスの普及に向けて努力していきたい。
今日は、がんを治療している病院側から、がんパスの運用状況、最新のがん治療
について学び、今後の発展につなげたいと思う、どうぞ、よろしくお願いしたい。
3、運用状況報告
・県内の運用状況:日本海病院が多い(113)、荘内病院:58
・荘内病院の運用件数は今年になりかなり伸びている、とくに大腸がん
・部位別では、大腸>胃>肺、乳 肝臓は0
・県内の連携医療機関数内訳:村山59、最上14、置賜36、庄内40(鶴岡
17)
・荘内病院では、登録以外への連携割合が多い:27.6% (県立新庄病院:33.3%)
=がん治療連携指導料がとれていない例が多い
4、講演
■当科における消化器疾患に対する手術の現状および腹腔鏡手術
荘内病院外科 主任医長 二瓶 幸栄
・2チーム制 それぞれ5名 + 院長、計 11名
・勉強にきている若い医師が多い、
・手術件数は横ばい、今年は例年より多い
・悪性疾患手術数は、若干減少傾向(年間200前後)
・胃がん:年間70件程度
・大腸がん:70件、今年は多く、90件に届きそう
・肝胆膵:少ない(10-20件程度))
・乳がん(30-40件)):減少傾向 (乳がんの専門医がいないため)
・腹腔鏡手術:全体の20%、
・胃悪性疾患に対する腹腔鏡手術、にデルタ吻合:動画で説明
・大腸悪性疾患に対する腹腔鏡手術(超低位前方切除):
増加傾向 2013年:38%、動画で説明
・胆嚢摘出術、腹腔鏡手術が圧倒的に多い
・食道癌手術、腹腔鏡手術が主(視野を確保可能)、VATE-E
道具の進歩が腹腔鏡手術を可能としている
神経を温存しつつ手術可能
・早期胃がんの標準的入院経過
・手術前日入院
・問題なければ、術後7日前後で退院
退院後
・2週間後に外来受診、問題なければ、パスで近医へ紹介
・その後、2週間から1か月間隔で、2,3回外来受診
・それ以降はパスに沿って外来検査、診察
・パスで扱っているのはステージⅠ:再発率1-2%
手術だけで終わる症例が減少し、術後フォローは病院の外来では十分対応でき
ない可能性 → (パスを使って)診療所にお願いしたい。
■荘内病院における肺癌外科治療について
荘内病院呼吸器外科 主任医長 正岡俊明
肺癌治療にする当科の取組み
○手術の低侵襲化
1、開胸手術 から 胸腔鏡下手術(VATS)へ
開胸手術より視野が広い、操作には習熟が必要
まだ、(東北では)普及していない
完全胸腔手術は、肺活量温存効果が高い
荘内病院では、70-80%は、VATS
荘内病院:東北6県では導入率が最も高い
2、標準手術 から 縮小手術へ
部分切除、区域切除、肺葉切除があるが、より縮小した手術へ
2000年以降、2㎝以下の小型肺癌に対する縮小手術でも、
肺葉切除と同等の成績
2㎝以下の小型肺癌
画像的非侵襲:部分切除
画像的浸潤癌:肺葉切除 VS 区域切除
肺癌の標準術式、今後の展望
小型肺癌、すりガラス主体の肺癌 → 部分切除、区域切除 へ
荘内病院では、部分切除、区域切除(半分以上)が増えている、
また、小型の肺癌が多くなっている
○早期肺癌の発見率・診断率の向上
1、CT検診の普及が望まれる
2、CT読影力の強化が必須
(呼吸器検討会での共同読影 毎木曜日17:30から、三科合同)
3㎝以下の腫瘍の発見率はCTが圧倒的
山形県のがん死亡率は、全国平均
庄内地方は、県平均より悪い
さらに、鶴岡は酒田より悪い
5、連携医療機関のお願いと手続きの流れについて
遠藤より手続きについて説明
簡単な書式で登録できることなったこともあり、
会員へ周知し、登録医療機関を増やしていきた