鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.214 (5大がん地域連携パス研修会)

2013-10-30 17:51:34 | 日記
昨日(10月29日)、医師会講堂で5大がん地域連携パス研修会が行われました。

残念ながら、出席者は少なかったものの、荘内病院の外科から、貴重な講演を頂
き有意義な研修会でした。

外科領域では、腹腔鏡、胸腔鏡などを使った非侵襲的な手術が主流になってい
ること、荘内病院は他病院に比較しても先進的な手術にチャレンジしていること
を知りました。このようなことは、もっと、市民へ周知してはと感じます。

1、開会
2、会長あいさつ
(要旨)
がんパスのおもな目的は、二人主治医制の普及定着、勤務医の負担軽減、患者の
病気への理解利や便性の向上にあると考えてる。

当地区では、がん緩和ケア普及のための地域プロジェクト(OPTIM)の取り組み
で、患者、家族が希望すれば、十分な緩和ケアのもとで、自宅で看取る体制が整
いつつある。住み慣れた自宅で、家族に囲まれて、終末期を送り、また看取るこ
とは、患者さんにとって、家族にとって、幸せなことであることが、多くの経験
から、実証されている。

一方で、在宅へ戻すタイミングが遅すぎて、十分なコミュニケーションがとれな
いという、診療所医師の声も多い。

がん患者を、その初期から、かかりつけ医と病院医師が一緒にみていくという体制
づくりは、患者さんの安心感、利便性などの上からも、とても重要だと考えている。

当地区の5大がんパスは、まだまだ、十分機能しているとはいえないが、パスの
目的に対する理解が不十分に起因する部分が大きいと考えている。
今後、さらに進む超高齢社会では、地域全体で患者をみる!という方向性は
ますます重要になっており、今後ともがんパスの普及に向けて努力していきたい。

今日は、がんを治療している病院側から、がんパスの運用状況、最新のがん治療
について学び、今後の発展につなげたいと思う、どうぞ、よろしくお願いしたい。

3、運用状況報告
・県内の運用状況:日本海病院が多い(113)、荘内病院:58
・荘内病院の運用件数は今年になりかなり伸びている、とくに大腸がん
・部位別では、大腸>胃>肺、乳 肝臓は0
・県内の連携医療機関数内訳:村山59、最上14、置賜36、庄内40(鶴岡
17)
・荘内病院では、登録以外への連携割合が多い:27.6% (県立新庄病院:33.3%)
  =がん治療連携指導料がとれていない例が多い

4、講演
■当科における消化器疾患に対する手術の現状および腹腔鏡手術
   荘内病院外科 主任医長 二瓶 幸栄

・2チーム制 それぞれ5名 + 院長、計 11名
・勉強にきている若い医師が多い、
・手術件数は横ばい、今年は例年より多い
・悪性疾患手術数は、若干減少傾向(年間200前後)
 ・胃がん:年間70件程度
 ・大腸がん:70件、今年は多く、90件に届きそう
 ・肝胆膵:少ない(10-20件程度))
 ・乳がん(30-40件)):減少傾向 (乳がんの専門医がいないため)
・腹腔鏡手術:全体の20%、
 ・胃悪性疾患に対する腹腔鏡手術、にデルタ吻合:動画で説明
 ・大腸悪性疾患に対する腹腔鏡手術(超低位前方切除):
  増加傾向 2013年:38%、動画で説明
 ・胆嚢摘出術、腹腔鏡手術が圧倒的に多い
 ・食道癌手術、腹腔鏡手術が主(視野を確保可能)、VATE-E
  道具の進歩が腹腔鏡手術を可能としている
  神経を温存しつつ手術可能

・早期胃がんの標準的入院経過
 ・手術前日入院
 ・問題なければ、術後7日前後で退院
 退院後
 ・2週間後に外来受診、問題なければ、パスで近医へ紹介
 ・その後、2週間から1か月間隔で、2,3回外来受診
 ・それ以降はパスに沿って外来検査、診察
 ・パスで扱っているのはステージⅠ:再発率1-2% 

 手術だけで終わる症例が減少し、術後フォローは病院の外来では十分対応でき
 ない可能性 → (パスを使って)診療所にお願いしたい。

■荘内病院における肺癌外科治療について
  荘内病院呼吸器外科 主任医長 正岡俊明

肺癌治療にする当科の取組み
 ○手術の低侵襲化
  1、開胸手術 から 胸腔鏡下手術(VATS)へ
   開胸手術より視野が広い、操作には習熟が必要
   まだ、(東北では)普及していない
   完全胸腔手術は、肺活量温存効果が高い
   荘内病院では、70-80%は、VATS
   荘内病院:東北6県では導入率が最も高い

  2、標準手術 から 縮小手術へ
   部分切除、区域切除、肺葉切除があるが、より縮小した手術へ
   2000年以降、2㎝以下の小型肺癌に対する縮小手術でも、
   肺葉切除と同等の成績
   2㎝以下の小型肺癌
    画像的非侵襲:部分切除
    画像的浸潤癌:肺葉切除 VS 区域切除
  
   肺癌の標準術式、今後の展望
    小型肺癌、すりガラス主体の肺癌 → 部分切除、区域切除 へ
   荘内病院では、部分切除、区域切除(半分以上)が増えている、
   また、小型の肺癌が多くなっている

 ○早期肺癌の発見率・診断率の向上
  1、CT検診の普及が望まれる
  2、CT読影力の強化が必須
    (呼吸器検討会での共同読影 毎木曜日17:30から、三科合同)
  3㎝以下の腫瘍の発見率はCTが圧倒的

 山形県のがん死亡率は、全国平均
 庄内地方は、県平均より悪い
 さらに、鶴岡は酒田より悪い
  
 
5、連携医療機関のお願いと手続きの流れについて
 遠藤より手続きについて説明
  簡単な書式で登録できることなったこともあり、
  会員へ周知し、登録医療機関を増やしていきた

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No.213  (地域ICT利活用シンポジウム)

2013-10-28 12:18:26 | 日記



土曜日、大津行われた地域ICT利活用シンポジウムに参加、講演してきました。

今回は、元京都大学病理の教授で現在、滋賀県立成人病センターの所長をされている真鍋先生から声をかけて頂きました。

私は、1980年前後に2年間、ニューヨーク大学のアッカーマン教授のもとで皮膚病理学を学びましたが、ニューヨーク大学へ留学しているときに知り合ったのが真鍋先生です。真鍋先生は、アメリカで医師会免許をとり、その後、川崎医大の病理学教授、京都大学病理学教授を経て、現在、滋賀県立成人病センターの所長をされていますが、極めて優秀というだけではなく、温厚、実直という性格もあり、誰からも尊敬されてほんとに素敵な先生です。
私にとっても、もっとも尊敬する先輩の一人です。

真鍋先生のご略歴については以下を参照下さい。

http://www.shigamed.jp/divisions/pathology.html

尚、恩師アッカーマン教授は、すでに他界していますが、皮膚病理学の分野でとても有名な人で、革命的な発想で皮膚病理学を根底から変えた人でもあります。

さて、今回のシンポジウムは、2部構成で、前半が「IT利活用による地域医療の連携」
後半が「遠隔病理診断ネットワークの現状」でした。私は、前半のシンポジウムでNet4Uの話をしてきましたが、滋賀県では全県的な医療情報ネットワーク構築が始まっているようでした。病院から在宅までの広域ネットワークということで、大変だな~というのが率直な感想です。

午後からが、メインとなる「遠隔病理診断ネットワークの現状」というシンポジウムでした。

病理の世界では、病理医不足が深刻化していて、必要な病理医を確保できない、あるいは
一人病理医の病院が多く、病理医の過重労働のみならず、病理診断の制度管理という意味でも、危険な状態にあるとのことでした。

一方、バーチャルスライド(Whole slide image 、バーチャルマイクロスコピーとも呼ぶ)、というガラス標本を一枚のデジタル画像とする技術が普及しつつあり、今では十分診断に耐え得るレベルになってきているそうです。バーチャルスライドを普及させることにより、診断までのスピードアップ、複数の病理医によるより信頼性の高い診断、病理医の負担軽減、などが可能となり得るとのことで、滋賀県、長野県では、すでに検査所、病理医、病院間でのネットワーク構築が始めているとの報告でした。

一方で、課題はバーチャルスライドによる診断が、診療報酬上認められていないこと。
真鍋先生たちは、バーチャルスライドで、ガラス標本と同等の診断が可能と考えていますが、国は100%の信頼性がないと認めない方針とのことで、そのあたりを打開するには、誰かがやらないと、変わらない。その先陣になるというのが真鍋先生の意気込みでした。今後どうなっていくのが注目されます。

バーチャルスライドでの診断が認められるようになると、将来、ガラススライドや顕微鏡がなくなる時代がくるかもしれません。病理の世界も、レントゲンがそうであったように、顕微鏡ではなく、ディスプレイをみて診断する時代になるのでしょう。興味深いシンポジウムでした。

http://www.claro-inc.jp/product/virtual-slide

シンポジウムの後は、病理の先生たちと、歴史ある居酒屋で懇親会でした。皆さん、いい人ばかりでとても楽しい時間を過ごしました。翌日は、生まれた初めての琵琶湖を遊覧船に乗ったりして楽しみました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
地域ICT利活用連携 シンポジウム
  -情報通信技術の地域医療への活用-

滋賀県では、先進医療機器と情報通信技術(ICT)の活用による広域連携事業を進めており、その一環として全県型遠隔病理診断ネットワーク事業を展開し、この度、システムの稼働を迎えたところです。

 どこに住んでいても、誰もが至適な医療を受けられる社会にしていくためには、限りある医療資源を最大限に活用し、医療機関同士が連携または分担することで、無駄のない医療体制を構築する必要があります。 ICT技術はこれを円滑に促進し得る手段となります。

  この度、事業の普及と稼働を記念して、地域ICT利活用連携の現状と他府県の取り組みをともに学ぶシンポジウムを開催することとなりました。

 地域医療の現場、遠隔病理診断の第一線でご活躍されています先生方の貴重な講演を聞く絶好の機会ですので、医療関係者、健康に興味のある方はふるってご参加ください


日 時 : 平成25年10月26日(土)  10時~16時30分
  場 所 : コラボしが21(大会議室)  
       (滋賀県大津市打出浜2-1)    入 場 無 料

基調講演 『ICT利活用による地域活性化への取り組み』
       総務省近畿総合通信局  情報通信振興課長  松山 和馬 様
 
第一部:シンポジウム『ICT利活用による地域医療の連携』 10:30~
 (1) かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)の紹介
     香川大学瀬戸内圏研究センター     特任教授 原  量宏 先生
 (2) 医療と介護を繋ぐヘルスケア・ソーシャル・ネットワーク「Net4U」
     山形県鶴岡地区医師会         会  長  三原 一郎 先生
 (3) 滋賀県ICT医療ネットワーク構築の進捗状況と今後の課題
    NTTデータ経営研究所     マネージャー  中林 裕詞 様   
第二部:シンポジウム『遠隔病理診断ネットワークの現状』  13:30~
 (1) 滋賀県の現状
     滋賀県立成人病センター研究所   所 長  真鍋 俊明 先生
 (2) 長野県での遠隔病理診断の現状
      信州大学医学部             講 師  吉澤 明彦 先生
 (3) 遠隔病理診断医療機関間連携の活用と今後のがん診療国策最前線
      東京大学医学部            准教授  佐々木 毅 先生
 (4) 大阪地区における病理診断の現状と遠隔診断ネットワークの必要性
      大阪大学医学部            教 授  森井 英一 先生 
 (5) 米国のデジタルパソロジーの現状と遠隔病理診断
      マサチューセッツ総合病院PICTセンターを訪問して
          自治医科大学        教 授 福嶋 敬宜 先生

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No.212  (竹田 浩洋先生 山形県病院協議会表彰受賞 祝賀会)

2013-10-25 12:17:09 | 日記


23日、竹田浩洋先生の山形県病院協議会表彰受賞 祝賀会が、グランド・エルサ
ンで行われました。竹田先生の湯田川温泉リハビリテーション院長時代の功績が
評価されたわけですので、鶴岡地区医師会としても大きな誇りでもあります。

会は、まず、武田院長から受賞の経緯や竹田先生の経歴などのあいさつがあり、私か
ら祝辞を述べ、花束贈呈の後、竹田先生から受賞に当たってのあいさつを頂き、
土田副会長の乾杯の音頭で祝宴となりました。竹田先生のお人柄もあり、とても和やか
ないい会だったと思います。

私からの祝辞を載せておきます。竹田先生へというよりは、竹田先生と一緒に頑
張ってこられた職員に向けての祝辞になってしまいました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
竹田 浩洋先生、この度の受賞、誠におめでとうございます。
この祝賀会には、とくに、湯田川温泉リハ病院の職員の皆さまにたくさん多く集
まって頂きました。
是非、お祝いをしたいという、職員の皆さんの要望に沿ったものです、
竹田 浩洋先生と職員の皆さんが、固い絆で結ばれていたんだな~
湯田川温泉リハ病院の連帯感みたいなものを感じました。

湯田川温泉リハ病院は、まさにゼロからのスタートでした。
大変なご苦労があったと思います。
病床を転換したり、365日リハを実施したり、
病院機能評価を受審するなど、
常に時代の先をみながら、
健全な経営、また、病院機能の質の向上、維持に努めてこれらました。
今では、地域になくてはならない、リハビリテーション専門病院として、
立派な地位を築いたと評価しています。
湯田川温泉リハ病院は、数ある当地区医師会のなかでも模範となる事業体である
と高く評価しています。

これもひとえに、竹田先生を先頭に、職員の皆さんがそれぞれの役割をしっかり
とやってこられたことの賜物であり、感服するとともに、これまでのご努力に感
謝申し上げたいと思います。

さて、鶴岡地区医師会は、全国からも注目される地域へと成長しています。
柱になっているのは、IT、地域連携パス、緩和ケアを含む在宅医療だと思っていますが、
それぞれが、時代の先を常に歩んできたこと、そしてそれぞれが高いレベルでの成果をだし、
今も継続して活発に運営されていることが評価されているのだと思っています。

また、今、地域に求めらているのは超高齢社会を支える、仕組みづくり、まちづくりです。
具体的には、地域包括ケアシステムですが、それを実現するためには、
多職種、多施設協働、みんなんで、支えあう仕組みが必要です。
鶴岡は、多職種、多施設協働がかなり進んでいることが全国から注目されるゆえ
んだと思っています。

ここまで成長できた基盤になっているのが鶴岡地区医師会だと思っています。
今日ご列席の斎藤壽一先生、中目先生などの先達が、来るべく超高齢時代に備えて、
訪問看護や訪問リハなどの居宅系サービス、ケアプランセンター、包括支援セン
ター、そして、湯田川温泉リハ病院、老健施設みずばしょうなどを次々に開設し、
医師会が、責任をもって地域の医療・介護の質を担保していくのだという
強い意志表示があったからこそ、ここまでこれたのだと思っています。

今後とも、全国のモデルとなる地域を目指して、皆さんとともに努力していきた
と思っています。どうぞ、よろしくお願います。

どうも職員へ向けた話になってしまいましたが、竹田先生なくして、今の湯田川
温泉リハ病院はなかったと思いますし、今の医師会もなかったと思います。竹田
先生には、今後ともますますご健勝で活躍されること、またご指導頂くことをお
願いしたいと思います。

これからは、武田新院長とともに、さらにスケールアップした湯田川温泉リハ病
院へと発展していくことを期待しております。

今宵は、皆さんと竹田 浩洋先生の受賞のよろこびを分かちあいたいと思います。
今回の受賞、誠におめでとうございました。

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No.211  (紅葉の月山)

2013-10-24 15:28:40 | 日記



昨日は、年に1回の健診日でした。いつもながら、健康管理センターでは、優し
く、丁寧で、スムースな対応をして頂き、気持ちよく健診を受けることができま
した。ありがとうございました。

健診後は、父もお世話なった隣組の方の葬儀に出席してきました。脳卒中の後遺
症で9年間も不自由な生活を余儀なくされた後に亡くなったそうです。脳卒中発
作3回目で準寝たきりになったそうで、脳卒中後はその再発をしっかり予防する
必要性を感じました。

昨日は天気がとても良かったので、昼過ぎから、月山へ紅葉を撮りにでかけてき
ました。米の粉の滝ドライブイン、梵字川渓谷、田麦荘ななかまど亭を通って、
志津温泉の五色沼まで足を延ばしてみました。車はオープントップ、寒くもなく、
気持ちよいドライブでした。

実際の景色より、きれいに撮れていたので、ちょっと驚いています。米の粉の滝
では、丁度日が当たって虹がきれいでした。

ご笑覧頂ければ幸いです。

写真集


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No.210  (みずばしょう運営委員会)

2013-10-24 15:28:01 | 日記
22日は、みずばしょうの運営委員会でした。
報告しておきます。

1、開会

2、会長あいさつ
まず、会長挨拶として、これからの国の施策のなかで、老健施設のあるべき方向
性について私の考えを述べました。

国が議論していること<在宅医療の・介護の推進について>
・理念
できる限り、住み慣れた地域で、必要な医療・介護サービスをうけつつ、安心し
て自分らしい生活を実現できる社会をめざす

・背景
65歳以上の高齢者は、2025年には3657万人、2042年にピークを迎える予測
(3,878万人)
世帯主が65歳以上の単独世帯、夫婦のみ世帯が増加していく
国民の60%以上が自宅での療養を望んでいる
ケアマネジャーの50%近くが医師との連携が取りづらいと感じているなど医療・
介護の連携が十分とはいえない

・方向性
国民の希望に応える療養の場(=自宅)の確保は、喫緊の問題。
病院・病床機能の分化・強化と連携、在宅医療の充実、重点化・効率化、地域包
括ケアシステムの構築等を着実に実現していく必要があり、2025年のイメージを
見据えつつ、あるべき医療介護の実現に向けた策が必要。

・施策を総動員し、「在宅医療・介護」を推進
 予算での対応
  平成24年度補正予算、25年度予算により、在宅医療・介護を推進
 制度的対応
  平成25年から5か年医療計画に、新たに「在宅医療について達成すべき目標、
  医療連携体制」などを明記
 診療報酬・介護報酬
  24年度同時改訂において、在宅医療・介護を重点的に評価
 組織
  省内に「在宅医療・介護推進プロジェクトチーム」を設置し、在宅医療・介
  護を関係部局で一体的に推進」

以上の国の施策とは別に、個人的にも、人生の最期を介護力がないというだけで、
施設に入れて、そこで死んでもらうということが、先進国の姿なのだろうか、と
いう思いがある。私は自身、絶対自宅で死にたい。皆さんも、老後をどう過ごし
たいのか、超高齢社会はどうあるべきなのか、自分のこととして、一人称で考え
てほしい。

人生の最期まで自宅で過ごしたいというのであれば、それなりの制度、仕組みが
必要であり、その実現のためには住宅を基本として、医療、介護、健康、生活支
援などが包括的に提供できるしくみが必要であり、それが地域包括ケアシステム
であると考えている。

このような国の施策や超高齢社会のあるべき姿から、私は老健施設は本来の機能
である、生活リハビリを介して地域へ戻す、すなわち、在宅復帰を目指す、ある
いは在宅医療・介護を支援する施設であるべきだと思っている。

3、内容

1,事業計画の進捗状況
1)実績報告
 概ね順調

2)在宅復帰への取り組み
 25年度上半期の在宅復帰率 26% (昨年度同時期:20%)
 これは、おもに軽症の入所者を優先したことによる、
  一方、軽症者の入所が減収に繋がっている

私見

どこの病院でも在院日数を短縮することに注力している。それは入院患者を制限
することではない。入院時から退院後をどうするか、地域との連携を図りつつ、
スムースに退院へつながるよう努力している。

また、OPTIによる在宅緩和ケア普及のためのプロジェクトにおいては、従来病院
で看取っていた患者を積極的に在宅へ戻す努力をしてきた。それは、在宅で看取
ることが患者、家族にとって、幸せなことだからである。

老健施設においても、患者、家族の希望を叶えつつも、老健施設の地域での役割
を理解してもらい、次の療養先へ誘導する努力が必要なのではないか。在宅復帰
には、患者・家族の理解とともに、安心できる療養先の確保が必要だと思う。こ
のような後方連携については、湯田川温泉リハ病院などの病院がより先駆的に取
り組んでいると思う。地域のリソースの把握やスムースな退院へのノウハウを教
わりながら、在宅復帰率向上へ向けて、積極的に取り組んで欲しい。

3、ヒアリハット、アクシデント報告
 アクシデント件数43件と昨年度(71件)より減少しいている
 一方、骨折は4件と増加(昨年0件)

4)施設修繕状況
  自家発電機高張工事を延期とした

以上

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No.209  (薬剤師会とのミーティング)

2013-10-22 11:39:42 | 日記
昨日(21日)昼、本年度5回目となる、ほたると薬剤師会とのミーティングを行
いました。以下、報告しておきます。

1、在宅相談窓口利用状況報告

ケアマネから、薬の管理で困っている利用者がいるが、どう繋げていけばよいか
分からないとの相談が「ほたる」にあった。「ほたる」は、薬剤師会の相談窓口
へつなぎ、相談窓口は患者が利用している調剤薬局へ連絡、調剤薬局はかかりつ
け医へ書式を渡し、薬剤師による在宅での訪問薬剤管理指導が可能となったケー
スがあった。

 →地域中で繋がりができていることを実感する事例でした。

また、荘内病院の緩和ケアの事例で、温海の調剤薬局(かもめ)が、温海地区と
しては初めて訪問服薬管理指導を行った。この事例では、Net4Uも利用したそう
です。

薬剤師会の調査でも、在宅服薬管理指導に参加する薬局が増えているとのことで
す。

徐々にですが、地域に連繋の輪が広がっています。嬉しいことですね。

2、居宅介護支援事業所への個別訪問

薬剤師会の在宅相談窓口について、あかね薬局でこれまでに訪問指導で関わった
ケアマネさんの事業所へ個別に説明に訪問したところ、朝日地区の『であい』
の事業所内勉強会で説明の機会をいただけることとなった。(24日に予定)

⇒個々の事業所でお話しする機会が増えると、薬剤師の訪問業務の理解も進み、
利用拡大に繋がるかと考えますので、この方向で活動したいと思う。

3、県在宅推進モデル事業での多職種交換会

12月6日に、にこふる3F 大会議室で、在宅医療と薬に関する多職種意見交
換会を予定しています。

以下、案内文から引用

鶴岡地区薬剤師会では、薬剤師の在宅医療への貢献拡大を目指して活動しております。
この度、在宅医療で発生している薬の問題を多職種の皆様からご教示いただき、
その対応策を一緒に検討する目的で、多職種参加型の意見交換会を開催いたします。

日常業務で薬に関連して困ったご経験をお持ちの方や、薬剤師へのご提案・ご相
談などお持ちの方など、是非この機会にご教示いただきたく存じます

内容
1、開会の挨拶 鶴岡地区薬剤師会会長 小池正純
2、薬剤師と在宅医療について情報提供 あかね薬局 篠田太朗
3、グループディスカッション
 テーマ:在宅医療と薬・薬剤師の関わりについて疑問・問題の抽出と対応策の
 検討
 ディスカッションの結果共有・まとめ 

↑ 多くの皆さまの参加を期待します。

4、その他
 薬局相談窓口設置についての医師会会員へ周知文書について

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No.208  (秋山さん出版記念パーティー)

2013-10-21 15:59:44 | 日記


19日(土曜日)、秋山美紀さん「コミュニティーヘルスのある社会へ」出版記念
パーティーが行われました。

写真集

私と秋山さんとの出会いは10年前に遡ります。当時、Net4Uの運用を開始し、2年
ほど経過していた時期だったと思います。東京都医師会主催の医療情報関連の勉
強会で、Net4Uの講演をしたことがあります。その時に聴きにきていた秋山さん
から「鶴岡へ視察に行きたいのですが・・」と声をかけてもらったのが、最初の
出会いでした。

鶴岡視察を通して、Net4Uが実際の医療現場で活用されていることに感銘を受け
たらしく、その後しばしば鶴岡を訪れるようになり、ハローナースには1か月も
の間通いつめ、在宅医療の現場を実際に体験しながら、訪問看護におけるITツー
ルが果たす役割について研究され、博士論文を書きあげました。

そのような流れの中で、秋山さんの推薦もあり、Net4Uは2004年に日本経済新聞
賞を受賞しています。

http://www.nikkei.co.jp/riaward/2004/

その後、からだ館を立ち上げ、武林先生も共同研究者として誘って頂き、当地区
の在宅医療の転機となったOPTIMの受託も、秋山さんの推薦によるところが大き
かったのです。また、慶応大学生命先端研究所のメタボローム技術の実用化を目
指した鶴岡市、鶴岡地区医師会との共同による大規模コホート研究も秋山さんな
くしては実現はなかったと思います。

いわば、鶴岡のここ10年の歩みは、秋山プロジェクト(もう一人の秋山先生の貢
献も忘れてはなりませんが・・)でもある、と私は思っています。ひとつの出会
いが鶴岡という地域を変えたという意味で、とても感慨深いものがあります。

とはいっても、私は、鶴岡モデルの特徴は、さまざまなレイヤーの多様な職種の
人たちの活動が相互作用的に機能し、地域全体のレベルの向上につながっている
ことにあると思っています。そして、そのガイド役あるいは触媒としての「よそ
者」(秋山氏)の役割がとても大きいとは感じていますが、一方で、地域のさま
ざまな立場の皆さんの志が鶴岡をここまで成長させたのだと思っています。大い
に誇りにするところであります。引き続き、皆様にはよろしくお願いしたいと思
います。

なお、「コミュニティヘルスのある社会」については、医師会長だよりNo.171で
も紹介していますので、参考として下さい。

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No.207  (パリの風景)

2013-10-19 17:17:38 | 日記
パリで撮った写真をまとめてみました。
ご笑覧下さい。

ここをクリック



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No.206  (在宅医療と介護の連携における情報システム利用に関するガイドライン)

2013-10-19 12:54:33 | 日記
昨日昼、国が策定を進めている「在宅医療と介護の連携における情報システム利
用に関するガイドライン」の調査、研究という名目で、東京大学社会総合研究機
構などから4名がNet4Uの視察に来ました。

在宅医療における情報共有システムの普及が進んでいるが、全国各地で仕様が異
なり、他システムとの連携が困難な状況にある。情報共有システムが乱立すると、
在宅医療と介護の関係者間で必要な情報を共有することができなくなることが危
惧される。そのため、共有する情報の内容や方法について、標準化へ向けた方策
を検討する必要がある。

そこで、医療、介護、行政、有識者などを委員とした「在宅医療と介護の連携に
おける情報システム利用に関するガイドライン検討委員会」を立ち上げ、在宅医
療と介護の連携において共有する情報項目や共有方法などについて、その標準的
なあり方を検討し、在宅医療と介護の連携における情報システム利用に関するガ
イドライン草案を作成する作業を進めている。

ついては、先駆的に取り組んでいる当地区の知見などを参考にしたい、というの
が趣旨のようでした。

Net4Uは、とくに情報項目などは設定せず、自由記載としていますので、あまり
参考にはならなかったかもしれませんが、すでに多くの介護関連施設が参加し、
活発に情報交換していることには、驚かれていたようです。

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No.205  (観楓会)

2013-10-19 12:53:59 | 日記
三原です。

昨晩は、山形県医師会長(名代として栗谷県医師会副会長)、酒田地区医師会長
(名代として佐藤賢酒田地区医師会副会長)、顧問をお願いしている弁護士の加
藤先生、社会保険労務士の坂田先生をお招きしての観楓会でした。

観楓会は、毎年、紅葉の季節に行っている会員の皆さんの親睦の会ですが、
今回から、喜寿、米寿を迎えられる先生方のお祝いの会も兼ねることにしました。

昨晩お祝いした先生方は、以下です。

米寿
 岡田 穆 先 生
喜寿
 齊藤 清子 先 生
 真島 靖子 先 生
 林 順一 先 生

観楓会のおもな目的は会員の親睦ですが、親睦は、”顔のみえる関係づくり”、
といってもいいと思います。超高齢社会のなか多職種連携が求められる時代、顔
のみえる関係は、医療、介護の質をあげる重要な因子であることは、OPTIM
STUDYでも証明済みです。

当地区医師会では、観楓会のような懇親会ばかりでなく、数多くの講演会、研修
会、勉強会、症例検討会などを開催し、”顔の見える関係づくり”に努めていま
す。

会員の皆さんには、是非とも機会をつくり、”顔の見える関係づくり”に参加頂
ければと願っています。

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