鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.164 (医師会勉強会)

2013-08-29 16:50:53 | 日記


一昨日(8月27日)、「2型導尿病の病態と治療 -日本人の大規模臨床エビデン
スー」 と題した新潟大学大学院 医歯学総合研究科 血液・内分泌・代謝内科
学分野 教授 曽根 博仁先生の講義を拝聴しました。

曽根先生の略歴
 横浜生まれ、
 筑波大学医学専門学群卒
 筑波大学附属病院内科研修医(代謝・内分泌)
 1997年米国ミシガン大学医学部 代謝内分泌内科研究員
 1999年 筑波大学大学院人間総合科学研究科(旧 臨床医学系内科)講師
 2006年 お茶の水女子大学 人間文化創成科学研究院 
    ライフサイエンス専攻 准教授、
     筑波大学医学群、東京大学医学部 非常勤講師 兼任
 2009年 筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター 教授
 2011年 新潟大学大学院 医歯学総合研究科 
    血液・内分泌・代謝内科学分野 教授

曽根先生は、厚生労働科学研究JDCS(Japan Diabetic Complication Study)の
主任研究者ですが、その研究成果を基に糖尿病の最新の知見について、分かりや
すく講演頂きました。

糖尿病は、40歳以上の3人に1人(曽根教授)ともいわれ、予防も含め地域全体
での取り組みが必要な疾患です。理想的には、地域に糖尿病あるいは生活習慣病
センターを設置し、そこに糖尿病専門医、眼科医、腎臓内科医などの医師、看護
師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、健康運動指導士、臨床心理士などによる
多職種チームを配置し、地域の診療所、行政、検診センターなどと連携しながら、
患者をトータルにケアする体制が望まれています。

一方、講義の冒頭、500床規模の病院に糖尿病専門医がいないのは由々しき問題、
改善したいとの話がありましたが、糖尿病センター、中核病院に専門医がいない
という当地域では夢のような話ではあります。しかし、だからこそ、地域連携パ
スなどを活用し、糖尿病患者をより効率的に多くの職種で支える戦略を考える必
要があるのではと感じています。


以下、講義メモ

■JDCS(Japan Diabetic Complication Study)

国内の糖尿病専門医療機関59施設に通院中の2型糖尿病患者2033例を対象とし
た前向き研究。1996年に開始。生活習慣指導を積極的に行う介入群と、標準的な
外来治療を行う対象群に分け、糖尿病合併症の予防における、生活習慣介入の効
果の検討と、日本人患者における糖尿病の合併症の臨床的特徴の解明を目的とし
ている。

■東アジアの2型糖尿病患者の病態は、欧米とはかなり異なっている

BMI
日本人の糖尿病患者のBMIは23.1と欧米のBMI約29と比較して低い
 →日本人ではインスリン抵抗性、分泌能など基本病態が異なる可能性がある 

日本人糖尿病患者の大血管障害死は、20%に過ぎない (欧米は70-80%)
 むしろ、1/3はがんでなくなっている

網膜症
 発症率 38.3/1000人、欧米(4.4-8.6%)に比し、低い
 強力なリスク因子は、HbA1c高値
 →厳格な血糖コントロールは必要

腎症
 発症率 6.7/1000人、英国UKPDSの3-4分の1、
 網膜症同様、リスク因子は、HbA1c

冠動脈疾患
 リスクファクターは、TG,LDLコレステロール、HbA1c
 欧米でリスク因子とされるHDLコレステロールは含まれない

■A1C 7%以下にコントロール!するのが原則
 一方、 下げられるなら 6未満がベター
 8未満(治療が困難なケースの目標)は、あくまで特殊例であり、
 目標とはしない方がよい

■多面的なアプローチが必要
血糖はコントロールできるようにはなったが、糖尿病は克服できていないという
指摘がある。健康寿命を延長することが最終目標であり、そのためには、血糖以
外の血圧、脂質、生活習慣も同時にコントロールする必要がある。

■運動療法
運動療法による介入では、毎日、30分以上の早歩きに相当する運動を行った患
者は、ほとんど運動しない患者と比べて病気が悪化し死亡するリスクが半分以下
になるというデータがでている

NHK生活情報ブログ
http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/400/148327.html

参考論文
http://www.dm-net.co.jp/seasonalpost/pdf/vol02no1.pdf

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.163 (高齢者紹介ビジネス)

2013-08-27 17:51:34 | 日記
朝日新聞からです。増える続ける単身あるいは夫婦のみの高齢者世帯の住まいと
して、サービス付高齢者向け住宅など、高齢者向け施設の建設ラッシュが続いて
います。これら高齢者に医療は不可欠であり、それに目をつけた仲介業者が患者
を紹介する見返りに、医師から仲介料を頂くというビジネスが横行(?)してい
るという記事です。

訪問診療(往診)を敬遠する医師が少なくない中、このような話にのってしまう
医師がいることにむしろ驚きます。余程、経営的に苦しいのでしょうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
高齢患者紹介ビジネス横行 「先生いい話あります…」

http://www.asahi.com/national/update/0825/TKY201308250022.html?ref=com_top6_1st

高齢者施設で暮らす患者をまとめて紹介してもらい、見返りに診療報酬の一部を
紹介業者に支払う医師が増えている。訪問診療の報酬が外来より高いことに着目
した「患者紹介ビジネス」に加担している形だ。法令の規制はなく、厚生労働省
は「患者をカネで買うような行為は不適切」として規制の検討に乗り出した。

 紹介業者は高齢者施設の患者を一挙に大量獲得し、訪問診療をする開業医に
話を持ちかけることが多い。紹介料の相場は、患者1人あたり診療報酬(月約
6万円)の2割だ。

 兵庫県の診療所。毎週金曜日、午前の診察が終わると、待合室で製薬会社や
医療機器メーカーの社員らが医師に次々と自社製品を売り込む。昨夏、ひとり
の営業マンが「患者を紹介したい」と切り出した。医師は意外な提案に驚き、
順番を後回しにして最後に彼だけを応接間に招き入れた。

 「先生にいい話を持ってきました。喜んでもらえると思います」
 営業マンは医師と患者を「マッチング」させていると言った。「これからは
在宅医療の時代ですね」と笑顔で話し、高齢者施設で暮らす患者を紹介するか
ら訪問診療してほしいと提案した。そして続けた。

 「収入(診療報酬)が入ったら、2割をコンサルタント料として頂きます。
ウチは完全成功報酬制です」

 さらに診療所のリストを見せ、「たくさんのお医者様にも契約して頂いてい
ます」と続けた。関西の医師50人ほどの名がある。訪問診療をしている医師
をインターネットで調べて営業していると明かした。1時間粘ったが、医師は
断った。

 福岡県の診療所にも別の業者が来た。医師は不審に思い、ひそかに録音した。
営業マンの声は柔らかい。

 「コンサルタントフィーという形で、毎月税込み合わせると1人1万575
0円をちょうだいさせて頂きます。検査で先生の報酬がどんどん上がっても、
うちは1万5750円と固定にさせて頂いているんですよ」

 ただし、紹介者が20人を超えると、紹介料は1人2万円に上がると付け加
えた。1回の訪問で診る患者が多いほど、効率良く診療報酬を得られるからだ。

 「この市場はちょっとしたバブルでして。パイの取り合いというか、いろん
な業者が参入してきて大変なんですよ」

 営業マンは「今のところグレーゾーン。規制が入るかもしれない」と危機感
を見せる一方、「いくらなら折り合えますか」「顔を見てもらえるだけでいい
と言う患者さんもいます」と食い下がった。30分後、断る医師に「あきらめ
てません。またうかがいますので」と言うところで録音は終わっている。

 朝日新聞の取材に少なくとも医師6人が業者と契約したことを認めた。紹介
先はサービス付き高齢者住宅や有料老人ホームの入居者がほとんど。一度に多
く診ることができる場所だ。

 ある医師は疑問を感じつつ、話に乗った。診療所を開いて数年。「患者を得
るため業者を利用してしまった。外来だけでは経営が苦しかった」と打ち明け
た。

■厚労省、規制を検討
 厚労省は(1)医師が過剰な診療をする可能性がある(2)患者が医療機関
を選ぶ自由を奪うことから「不適切な医療」と判断し、情報収集を進めている。
担当者は「想定していなかった。医者がそんなことをするはずはないと思って
いた」。業者の規制は難しく、医師への規制を検討し始めた。

     ◇

 〈訪問診療〉 緊急時に患者の求めで行く往診とは異なり、医師が通院困難
な患者が住む自宅や施設へ定期的に出向く診療。1人を診て得る訪問診療料は
1回8300円。これに処方箋(せん)料や検査料などが上乗せされる。24
時間体制の診療所から月2回以上訪問すると月4万2千円加算され、医師が得
る合計は月6万円を超す。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.161 ( 一緒に学ぼう 社会保障のABC:第14回)

2013-08-27 10:04:39 | 日記
国民健康保険がどのような経緯で社会保険方式を採用し、その際問題となる低所
得者への扱いをどうしたのかについて解説しています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
国民皆保険・皆年金(13)国民健康保険の内容
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 <国民皆保険・皆年金(7)「国民年金の創設」>の回で、国民年金制度がな
ぜ社会保険方式になったのか、また、保険料を払えない低所得の人の扱いはどう
したのかについてご紹介しました。そこで今回は、国民健康保険制度の場合はど
うだったのかについて、見ていきたいと思います。

■社会保険方式を採用

 国民健康保険制度は、1938年(昭和13年)に始まりました。当時のこと
を記した文献(「国民健康保険二十年史」、全国国民健康保険団体中央会、19
58年)を読むと、次のような記述があります(読みやすいように要約・意訳し
てあります)。

 <(大正から昭和にかけて)被用者を対象にした健康保険制度ができ、相当の
成績を上げていたが、医療保険制度がない農山漁村の住民は大きな医療問題を抱
えていた。都市部に比べ、農山漁村には医療機関が少なく、診療には多額の費用
がかかるため、多くの住民は「経済的な重圧」に苦しんでいた。

 そうした状況を解決する方法として(1)無料診療所(2)軽費診療事業(3)
共済保険医療事業があった。だが、(1)は、病人には一切負担を求めないため、
巨額の税金が必要となり、国や自治体がその費用負担に耐えられるか、はなはだ
疑問である。(2)は、医療費軽減に相当の効果は見込めるが、軽減はどこまで
も軽減なので、個人の経済的重圧の根本的な解決にはならない。

 (3)は、健康保険制度や共済組合制度などのことで、この制度は、相互共済
の精神にのっとり、加入者が負担するから、巨額の税金が必要になることはない。
また、加入者は負担の見返りの「権利」として、給付を受け取ることができる。
給付が確実に受けられるようになれば、病気による生活不安は除かれ、日常生活
は安定する。また、単なる救済や補助は、国民の気力を減退させる恐れもある。
リスク分散という機能を持つ保険制度では、多額の医療費を多人数の負担によっ
て賄えるため、医療費の重圧からの解放も見込める。このような思想から、国民
健康保険制度は立案されたと思える>

 つまり、税方式で行うと莫大な税金が必要と見込まれること、また、社会保険
方式の方が給付の権利性が強いと考えられたことなどがうかがえます。

 国民健康保険制度が成立するまでの間、何度も要綱案が作られ、内容が変わっ
たところもありますが、社会保険方式については、当初の段階からぶれがありま
せん。その理由としては、上記に挙げた要素のほか、既に実施されていた被用者
対象の健康保険制度が社会保険方式で行われていた影響もあるのかもしれません。

■低所得者の扱いは

 社会保険方式で全ての人に医療を保障する場合、問題となるのは、保険料を払
えない低所得者をどうするかです。

 国民健康保険法ができた当初は、運営を行う組合の設立は任意で、加入も原則
として任意でした。組合が設立され、例外的にその地区の人が強制加入とされた
場合でも、被用者保険に加入している人と並んで、「特別な理由のある人で、組
合の規約で定める人」は適用除外の対象とされました。具体的には、多額の収入
のある人や、低所得者などです。多額の収入のある人は保険に加入する必要はな
いし、低所得者は、「保険料を拠出して給付を得る」という社会保険の原理から
見て、加入する能力がないと考えられたためのようです。ただし、この適用除外
は、加入を望んだ人まで拒むものではない(任意加入はできる)ものとされまし
た。その後、適用除外対象者から、高額所得者は外れました。

 低所得者の場合は、任意加入が可能といっても、現実に保険料を払うのは難し
いといえます。実際、組合に代わって保険の運営者が原則として市町村となった
後も、地方税(住民税)を免除されているような低所得者は、ほとんど例外なく
除外されていたようです。

 しかし、「国民皆保険」を達成するために、全市町村に保険の運営者になるこ
とを義務付け、被用者保険に加入していない住民は全て国民健康保険制度に加入
することを定めた1958年の国民健康保険法の全面改正後は、低所得者の扱い
はどうしたのでしょうか。この問題については、次回、見てみたいと思います。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.160 (美白剤による白斑)

2013-08-24 16:54:53 | 日記
カネボウ化粧品の製造販売するメラニン生成抑制剤のうち、医薬部外品有効成分
“ロドデノール”の配合された製品の使用者の中に白斑(色が白く抜ける状態)
を生じた症例が確認され、2013年7月4日にロドデノールを含有する化粧品の自主
回収が発表されました。

自主回収商品はこちらをご覧ください。
http://www.kanebo-cosmetics.jp/information/#products_name



ロドデノールは、チロジナーゼ活性を拮抗阻害することで、メラニン生成を抑制
します。そのことに着目した㈱カネボウ化粧品が製品化し、しみ、そばかすを防
ぐなどの効能で承認されました。

しかし、ロドデノールを含有する化粧品を使用開始後、数か月から数年して化粧
品を塗った部位に白斑を発症する事例が多数報告されるに至りました。

症状的には、半数はまだらな白斑、半数には白斑にかゆみや紅斑を伴っているよ
うです。発症頻度は1%程度といわれているようですが、とくにたっぷりつけた
部位やロドデノール含有化粧品を数種類重ねて使っていた人に、白斑が出やすい
ことが分かってきたそうです。

しかし、発症機序、化粧品の使用を止めてからの経過、治療法など分からない点
が多く、今後の調査研究が待たれます。

日本皮膚科学会では、ロドデノール含有化粧品の安全性に関する特別委員会を設
置し、調査研究を始めているところです。日本皮膚科学会のホームページに患者
さん向けFAQなどの情報がありますので、参照下さい。

http://www.dermatol.or.jp/news/news.html?id=174


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.159 (一緒に学ぼう 社会保障のABC:第13回)

2013-08-23 17:40:06 | 日記
配信をさぼっていましたm(_ _)m

今回は、新しい国民健康保険法制定までの経緯を解説しています。

当時の社会保障制度審議会は「国民の医療の機会不均等は寒心に堪えない」と表
現、国民健康保険の運営を市町村に義務付け、被用者保険に未加入住民を国民健
康保険に強制加入させることで、国民皆保険制度が実現されました。日本の皆保
険制度は健康保険を中軸とする被用者保険と、国民健康保険を中心とする地域保
険の2本立ての形で皆保険体制が実現していったのですね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
国民皆保険・皆年金(12)国民皆保険の達成
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 保険財政の苦しさを救うために税金が投入されたことなどから、国民健康保険
は戦後、急速に普及していきました。それでも、健康保険などの被用者保険にも、
国民健康保険にも加入していない国民(被用者保険の適用されない零細企業に勤
める会社員や、国民健康保険を実施していない市町村に住む農民、自営業者など)
は、1956年(昭和31年)当時の推計で約2800万人、総人口(約900
0万人)の3分の1に上りました。

 当時は、政治的にも、経済的にも、大きな変化があった時代です。

 政治においては、1955年(昭和30年)に社会党の左右両派が統一された
一方、保守合同で自民党が誕生し、いわゆる「55年体制」が始まりました。自
民党が代表する保守と、社会党が代表する革新が対立し、社会保障分野でも政策
が競われました。経済においては、急速な復興を遂げ、1956年(昭和31年)
の「経済白書」に書かれた「もはや『戦後』ではない』という言葉が流行語にな
りました。日本は高度経済成長期に入ったのです。

■医療の格差が問題に

 ただし、急速な復興の影で、病気による貧困も大きな社会問題となっていまし
た。被用者保険にも国民健康保険にも加入していない人のうち、1000万人近
い低所得者は、一度重い病気にかかると生活保護の世話になるしか道がありませ
んでした。また、国民健康保険を実施している市町村とそうでない市町村の住民
の間の「医療格差」が広がってくると、それを問題視する世論も広がっていきま
した。

 1956年1月に、鳩山一郎首相は施政方針演説の中で、「全国民を包含する
総合的な医療保障を達成することを目標に計画を進める」という国民皆保険構想
を、政府の方針として明らかにしました。続く石橋内閣は、社会保障の充実を掲
げ、国民皆保険の実現を閣議決定しました。これを具体化するために、厚生省
(当時)の中に国民皆保険推進本部が置かれ、国民健康保険法の全面改正に向け
た検討がなされました。

■医療の機会均等

 当時、政府に設置された様々な委員会や審議会で医療に関する提言や勧告が行
われましたが、いずれも、医療保険の未適用者の存在を問題にし、医療の機会均
等を図ることが大きな課題に掲げられました。内閣総理大臣の諮問機関として設
置された社会保障制度審議会は、1956年11月に行った「医療保障制度に関
する勧告」で、「国民の医療の機会不均等は寒心に堪えない」と表現しています。
国民皆保険実現に向けて、「健康保険を中軸とする被用者保険と、国民健康保険
を中心とする地域保険の2本立てで、国民皆保険体制への道を切り開いていく」
と述べています。

■新国保法の中身

 新しい国民健康保険法は、1958年(昭和33年)末に成立し、翌1959
年に施行されました。

 1938年(昭和13年)に出来た国民健康保険法と大きく違う点は、国民皆
保険を達成するために、それまで任意だった国民健康保険の運営を、市町村に義
務付けたことです。被用者保険に加入していない住民は、国民健康保険に強制加
入することとされました。また、健康保険に比べて劣っていた医療給付の内容も、
同一の水準にすることが定められました。この法律で、市町村は、1961年
(昭和36年)4月までに、国民健康保険の事業を実施しなければならない、と
されたのです。

 「国民皆保険」の形には、単一の制度に国民全員が加入して医療を保障する形
もありますが、日本では、まず、被用者保険に入るかどうかが職業などで分かれ、
被用者保険に加入しなかった人は、すべて国民健康保険に加入するという「2本
立て」の形で皆保険体制が実現していったのです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.158 (クラネタリウム)

2013-08-23 17:36:11 | 日記

朝夕は、秋の気配を感じるこの頃ですね。

夏休みだったこともあり、夏は皮膚科の稼ぎ時であり、また、お伝えしたいほど
の大事な話題もなく、という言い訳をしつつ、久しぶりの医師会長だよりです。

先日、子供たちが帰ってきて、加茂水族館に行きたいというので同伴してきまし
た。クラゲ、やっぱりきれいで、写真心をくすぐられました。被写体が暗いのと
ガラスの反射もあり、なかなかいい写真が撮れませんでしたが、まずまずの写真
をアップしまた。

写真の魅力は、実際みるより、より綺麗にみせることでができることかなと、最
近感じています。

https://plus.google.com/photos/101791822828330277284/albums/5914864367861280241

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.157 (赤川花火大会)

2013-08-19 09:29:52 | 日記


17日の赤川花火は皆さん楽しまれたと思います。
今年もすごかったですね。

私は、今までまともに撮れたことがない花火にチャレンジでした。

ネットで以下の設定を確認し、撮ってみましたが、シャッターを押すタイミング
が難しいのと、もうもうと立ち込める火煙がじゃまでした。
それでも、結構きれいに撮れたのもありましたのでアップします。
肉眼でみるのとはまた違った、花火の美しさを楽しんで頂ければ幸いです。

三脚を使って、確実にカメラを固定
感度は ISO50~100 ぐらい デジカメの場合、最低感度を選択
ピントは、マニュアルフォーカスで 無限遠で固定
シャッター速度は 2秒~5秒 ぐらいで固定
絞りは、ISO100の時は F8 ぐらいで固定
ホワイトバランスは 晴天で固定
シャッターを押すタイミングは、爆発するちょっと手前で
最初の数発は、構図を決めに利用

https://plus.google.com/photos/101791822828330277284/albums/5913355421730087169


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.156 (蔵王トレッキング)

2013-08-19 09:14:41 | 日記


皆さん、夏休み如何お過ごしでしたか?
私は、蔵王温泉に1泊し、地蔵からお釜までトレッキングを楽しみました。
蔵王の気温は20度、さわやかな風に秋の気配を感じました。

蔵王は毎年登っていますが、エメラルドのお釜はいつ行っても感動します。

翌日はコマクサが群生する駒草平、坊平、月山志津、旧112号線、七ツ滝、田麦
俣を、最後にはライトアップされた羽黒五重塔に寄って帰ってきました。

写真を楽しんで頂ければ幸いです。

https://plus.google.com/photos/101791822828330277284/albums/5912520488354377089

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.155 (鶴岡市の将来推計人口、医療資源)

2013-08-10 16:11:06 | 日記
地域医療情報システム(JMAP)はなかなか面白です。
鶴岡市の将来推計人口と医療資源をみてみました。

なお、JMAPは、[日本医師会ホームページ] http://www.med.or.jp/からメン
バーズルームにログインし、表示される案内にしたがってアクセスしてください。

鶴岡のような地方都市の最大の問題は、高齢化より、むしろ年少人口(0-14歳)~
生産人口(19-64歳)が、急速に減少していくことです。それにより、高齢化が
進むにも関わらず医療需要は減少していきます。少なくともこのデータからは、
これ以上医療機関が混雑することはないとも言えます。

医療資源では、診療所数は全国平均を上回りますが、常勤勤務医は、10万当たり
83人と全国平均の150人に比し、圧倒的に不足しています。一方、病院・老健の
看護師は全国平均並みです。

もちろん、このデータはこのままで推移した場合の予測であり、さまざまな対策
で数字は当然変わってくる余地があります。

なお、JMAPにはありませんが、85歳以上の人口は、2035年まで急速に増え続ける
という以下のデータがあります。

■85歳以上の人口
  383万人(2010年)→736万人(2025年)→1149万人(2060年)

85歳以上の高齢者は介護サービスの受給率(50%) 、入院受療率(8.1%)が高く、
独居率、認知症罹患率(2025年には470万人)も高くなります。この世代をどう支
えていくのかが大きな課題とも言われています。

対策として、地域の様々な資源(医療・介護サービス(共助))、近隣の助け合
いやボランティア(互助)を総動員して、必要な方に必要な支援が提供される仕
組みづくり(ケアマネジメント=>地域包括ケアシステム)が必要とされていま
す。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■鶴岡市2010年のデータ
 ・人口:135523人
 ・人口増減率:-4.05% (全国平均O.23%)
 ・高齢化率:28.7% (全国平均 23.00%)
 ・人口密度:104.20人/km2(全国平均343.40人)

■将来推計人口
 ・年少人口(0-14歳):10年ごとに3500人程度減少
  17529(2010年)→13668(2020年)→10817(2030年)
 ・生産年齢(15-64歳):10年ごとに13000人程度減少
  79805(2010年)→66383(2020年)→56487(2030年)
 ・高齢者人口(65歳以上):10年後まで増加、以後減少
  39289(2010年)→42754(2020年)→40992(2030年)
 ・後期高齢者(75歳以上):20年後まで増え続ける
  21849 (2010年)→22997(2020年) →25384(2030年)
 ・高齢化率:年々増加、2035年には40%程度に
  28.7%(2010年)→34.8%(2020年)→37.8%(2030年)


■医療需要予測指数:2015年より減少傾向、2035年には90と大幅に減少
 (=64歳以下人口×1.0+65~74歳人口×3.5+75歳以上人口×5.7で計算し、
  2010年の医療需要量=100として指数化 )
 100(2010年)→99(2020年)→94(2030年)→90(2035年)
  全国平均では今後も増加、2035年でも医療需要は110程度(下がらない!)

■地域の医療資源(人口10万あたり)
 一般診療所は、68.80で全国平均66.46より多い
 とくに内科、小児科系が多く
 皮膚科、眼科、耳鼻科、病院は全国平均より少ない

病床数
 一般、精神、療養、老健病床 すべて全国平均より低い

病院・老健の常勤職員
 医師:全国平均の半分程度
 看護師:全国平均並み


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.154 (鶴岡市医療と介護の連携研修会)

2013-08-09 11:42:42 | 日記


昨日、鶴岡市医療と介護の連携研修会が行われました。

この会は、医療と介護の顔のみえるネットワークづくりを目指して、鶴岡市地域
包括支援センターが主催し、始まったものですが、現在では、南庄内緩和ケア推
進協議会、鶴岡地区医師会医療連携室ほたる、庄内地域医療連携の会などが一緒
に企画、運営しているもので、年2回開催されています。参加職種は、医師、看
護師、薬剤師、ケアマネなど介護系職種、栄養士、MSW、事務職など多岐にわ
たります。

年々参加者が増えており、昨晩の会には188名の参加がありました。

毎回、アドバイザーとして山形県立保健医療大学准教授の後藤順子先生をお呼び
し、会の進行やまとめ役をお願いしています。

さて、今回は精神疾患(発達障害、統合失調症)を抱えたA氏(40代)が終末
期の肺がんの告知を受け、治療を行いながら本人が望む在宅療養を地域の連携で
支え、在宅で看取った事例について、グループで話し合いをしました。

<事例>
患者は母親との二人暮らし。母親にも発達障害がある。患者は母親に暴力行為を
繰り返すが、共依存の関係にある。患者は自分の欲求をコントロールできず、労
働能力もない。生活保護下にあるが、金銭管理ができない。電話、たばこ、薬な
どへの執着が強い。T病院への入退院を繰り返している。

H23年10月、K病院で末期肺がんの告知。抗がん剤治療後、H24年1月から在宅療
養へ。K病院へ通院しながら治療を継続。H25年に入り、腫瘍増大、病態悪化。
母親の介護の限界。3/16-4/15までK病院入院。4月23日、鶴岡公園へ花見へ。お
かゆも食べずらい状況だったのに、屋台のチョコバナナを1本全部食べた!これ
が最後の外出となった。

<患者・家族を支えたプレイヤー>
K病院医師(肺がん治療と緩和ケア)、病棟看護師、クリニック看護師、相談室
スタッフ、T病院精神科医師、訪問看護師、通所介護スタッフ、訪問看護スタッ
フ、障害者支援専門員、社会福祉協議会、福祉科生活福祉係、きずな看護師

これら多職種で、担当者会議を繰り返し、患者を支えた。

患者は、治療に対してもこだわりが強く、周囲は振り回され、かなり疲弊したが、
患者の生きる気力にも励まされ、在宅看取りまで行うことができた。一体感のあ
る支援ができたと考えている、というまさに多職種の連携で支えた事例でした。

患者さんも母親も、さぞかし幸せだったのではないかと感じました。


三原先生 鈴木伸男です。

事例報告を読ませていただきました。

発達障害、綜合失調症、末期肺がんと悪条件の重なった症例で、
私の現役時代ならば、初めからあきらめていたところでしたが、
このたびの多職種連携での前向きで真摯な対応に深い感銘を
受け、併せて連携チームの皆様に深甚なる敬意を表します。

「患者さんも母親もさぞかし幸せだったのではないでしょうか」
という三原先生のコメントを読んで、医療の原点についての
認識を新たにしました。
昨夜の会の参加者が188名という多さにびっくりするとともに、
当地区の医療・福祉・介護の絆についても誇らしく思いました。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする