鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.519 (山形県在宅歯科医師等養成講習会)

2015-05-27 12:07:42 | 日記


5月24日(日)、表記の講習会において、「在宅医療における多職種連携」をテー
マに1時間ほどの講演をしてきました。

この講習会は、山形県の委託事業として、おもに高齢者・寝たきり者などの口腔
ケアの推進を図り在宅歯科医療の発展に貢献することを目的とした講習会です。
参加者は、歯科医師、歯科衛生士、介護職、行政関係者など100名ほどでした。

講習会は土日、2日間にわたって行われ、24日午前には、荘内病院外科の鈴木聡
先生が「がん患者の周術期ならびに化学・放射線療法を行う際の医科歯科連携の
重要性について」という演題で、がん治療における口腔ケアの重要性について、
当地区における医科歯科連携の取り組みを紹介しながら、すばらしい講演をされ
たとお聞きしています(聞きたかったな~)。

超高齢社会においては、最期までその人らしく生きがいのある生活を送り続ける
ためには、「口から食べられる」ことはとても重要になってきています。そのた
めに、われわれ医療職は地域の中でどのような役割を担う必要があるのか、みん
なで考えるべき課題と思いました。


講習会日程

【1日目】
講演1
「栄養障害と栄養評価について」
 独立行政法人国立病院機構山形病院 管理栄養士 蛇口利章氏

講演2
 「寝たきり高齢者の機能的口腔ケア」
 
講演3
 1)機能訓練(口腔ストレッチ、唾液腺マッサージ・発声)実技
 2)とろみ水 実技
 独立行政法人国立病院機構山形病院 摂食嚥下認定看護師 枝松美希子氏

【2日目】
講演4
 「がん患者の周術期ならびに化学・放射線療法を行う際の医科歯科連携の重要
性について」
 鶴岡市立荘内病院 外科医長 鈴木 聡氏

講演5
 「口腔ケアとサルコペニアの摂食嚥下障害」
 医療法人渓仁会札幌西円山病院 歯科診療部長 藤本 篤士 氏

講演6
 「在宅医療と多職種連携~鶴岡地区医師会地域医療連携室「ほたる」の活動を
通して~」
 一般社団法人鶴岡地区医師会 会長 三原一郎

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No.518 (地域連携パス推進協議会講演会)

2015-05-26 11:48:27 | 日記



5月23日、地域連携パス推進協議会主催の学術講演会を行いました。

今回は、産業医大の高畠先生をお呼びして、口腔ケアと地域連携パスの2つの講
演を拝聴しました。高畠先生とは、昨年やわら温泉で行われた日本クリニカルパ
ス学会で、妻が座長を努めたシンポジウムで遠藤さんと同じシンポジストだった
というご縁で今回招聘したという経緯があります。

高畠先生は、元々は脳神経外科医、とくに脳血管内治療が専門でしたが、現在は
産業医科大学でリハビリテーション専門医を目指して活躍中とのことでした。

講演内容のメモを以下に記しておきますが、

「食べること」が「生きること」でもあります。肺炎を防ぎながらも、自分で食
べらることを支援することが求められています。それには、介護職を含めたチー
ムで支えることが重要です。これからは地域NSTが必要と感じました。

また、"脳卒中地域連携クリティカルパスの話では、連携パスは連携情報を渡す
だけの連絡帳ではない。在院日数を短縮するための予定表でもない。検証作業を
繰り返しながら、あくまで地域医療の質を向上させるためのツールという話は、
パス活動の原点を見直すという意味でも刺激になりました。

---------------------------
日本の医療を口から変えよう!
 ~急性期から始める口腔ケアと経口摂食訓練~

"クリティカルパス"でもない"脳卒中地域連携"でもない
"脳卒中地域連携クリティカルパス"の話

日時:5月23日(土曜)18:00~20:00
会場:荘内病院3F講堂
講師:産業医科大学リハビリテーション講座 高畠英昭氏
---------------------------

1、脳卒中と嚥下障害

脳卒中病型=脳梗塞(70%)、脳出血(20%)、くも膜下出血(10%)
肺炎:日本人の死因の第3位
嚥下障害の過半数は脳卒中患者

嚥下障害とは、固形物や液体が口から胃へ通過することが困難なことであり、咽
頭の感覚低下や、嚥下に関連する他の様々な障害が関与する。

2、脳卒中と誤嚥性肺炎

 PEG2年後の死亡率:アメリカのデータで74.5%、日本で50%
  口から食べられなくなると、2年で半分以上は死ぬ
 PEG(絶食)では、致死的肺炎を予防できない
 誤嚥
  マクロアスピレーション(食事に伴って起こる誤嚥)  、 

  マイクロアスピレーション(食事以外で起こる誤嚥)
   不顕性誤嚥(むせない誤嚥)= 寝ている間に細菌が肺に流れ込む(誤嚥)
 
3、脳卒中と口腔ケア

 寝ないことが最大の予防
 口腔ケアとの肺炎との発症との相関は証明されていない(ハイレベルのエビデンスはない)
 一方で、どんな方法であれ、口腔ケアはやった方が良い
 3食食べられるようになったら退院 在院日数が短くなった
 
 oral アセスメントガイド
 やってることと、成果がでていることは違う
 口腔ケアの目的は肺炎予防だけではない

4、脳卒中後の嚥下障害治療

 高畠先生らの研究
 コントロール群(N=90)、介入群(N=129)
 介入群
  発症直後からの積極的口腔ケア・早期離床・適切な栄養介入、早期経口摂取
 結果
  肺炎の発症が減少、
  抗菌剤使用量が減少
  在院日数が減少
  脳卒中の予後が改善、

 入院直後、昏睡状態からの口腔ケア
 早期の経口摂取訓練
 起立歩行訓練ができる
 食事介助はなるべく家族へ
 食事中に誤嚥性肺炎はおこらない

まとめ
・誤嚥性肺炎の原因は、食事をしていないときに起こる誤嚥である。
・口腔ケアを行ったために肺炎が増加したという報告はない
・脳卒中患者の多くに口腔への介入が必要である
・肺炎の予防は、口腔ケア・薬剤投与(ACE阻害剤、アマンタジン、シロスタゾー
 ル、肺炎ワクチンなど)および経口摂取訓練である。

こんな人に食べさせるのは危ない!
無理して食べさせるのは危ない!

ではなく、急いで食べるための介入を始めなければ危ない!

脳卒中地域連携パスの話

これからの予測がわかるパスが必要:
 病型ごと、重症度ごと、病状に即した、患者の状況に合わせたパス

パスとは、医療チームが共同で開発した、患者の最良のマネジメントと信じた仮説

パスは連絡帳ではない!予定表でもない!
 情報ネットワークが充実しつつある現在、連携情報は要らない

脳卒中パスの目的は、機能障害を改善する、軽減する、回復させることにある

地域連携パスとは、
 標準化され、無駄のない、合併症の少ない、良い医療の提供するためのツール

配布資料





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ドローンで空撮

2015-05-26 11:44:01 | 日記
最近は、悪い意味で何かと話題の多いドローンですが、2か月程前に予約したド
ローンが連休前にやっと届きました!子どもの頃からラジコンに憧れていました
ので、やっと念願が叶ったということもあり、久しぶりに童心に帰ってわくわく
しています。

ドローンは、複数枚のプロペラの回転数をコンピュータやGPSを駆使して制御す
ることで、ホバリング、前後、左右、上下、旋回などの運動をいとも簡単に実現
します。その安定性、操縦のしやすさはヘリコプターなどの比でありません。離
陸場所をGPSでが記憶していて、ボタン一つで自動で帰ってくる機能も備わって
います。SF映画でみられるような、空飛ぶ自動車の時代がいずれくるんだろうな~
という漠然とした予感を感じさせる注目のテクノロジーデバイスなのです。

一方で、写真愛好家にとってドローンの魅力はなんといっても空撮です。今まで
撮れなかった視点での魅力的な動画や写真が撮れたらいいなと思っています。

外から撮影したドローン
https://youtu.be/ulM-vIu0_Ig

快晴の赤川上空をドローンで飛んでみました
https://youtu.be/O6xcp2A6jUs

湯の浜海岸を飛ぶ(上空から)
https://youtu.be/tg11jvpaxKI

湯の浜海岸を飛ぶ(低空で)
https://youtu.be/H5PZkHt3TIo

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No.515 (庄内地方のICTネットワークが描く地域連携の未来図)

2015-05-26 11:42:16 | 日記

庄内地方のICTネットワークが描く地域連携の未来図
ー「ちょうかいネット」と「Net4U」の現状と展望

という記事が、「パス最前線」という雑誌に掲載されました。



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No512 (地域包括ケア時代のシステム安全管理を考える検討会)

2015-05-11 10:34:14 | 日記
5月1日、表記の会議が東京で行われ参加してきました。

何で呼ばれたのかよく分かりませでしたが、医療・介護連携にITが必要とされる
時代となり、時代にふさわしいITシステム運用のためのガイドラインを整備する
必要があるのではないか。そのためのパネルディスカッション(チュートリアル)
を仙台で行われる医療情報学会で行うが、そのための打ち合わせ、というの会議
の趣旨のようでした。

仙台で開催予定の医療情報学会のチュートリアルで、15分程度でNote4Uのプレゼンをすることになりました。

以下、プログラム(案)です。

―――――――――――――――――――――――――――

テーマ/演題/演者
~地域包括ケア時代のシステム安全管理を考える~

○多職種協働の現場における情報取り扱いの現状 生駒 真有美(国立病院機構愛媛病院)
○地域包括ケアにおける情報システムの有用性(ビロードケアを例に) 伊藤 勝陽(NPO法人天かける)
○地域包括ケアにおける情報システムの有用性(Note4Uを例に) 三原一郎(山形県鶴岡地区医師会)

パネルディスカッション
  座長:中安一幸(厚生労働省政策統括官付情報政策担当参事官室)
     コメンテーター
  生駒 真有美(国立病院機構愛媛病院)
  伊藤 勝陽(NPO法人天かける)
  伊藤龍史((株) エスイーシー)
  佐野弘子(iMISCA)
  三原一郎(山形県鶴岡地区医師会)
  森田嘉昭(富士通(株))

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チュートリアル1
【地域包括ケア時代のシステム安全管理を考える】

■日 時:6月11日(木)13:00~15:00
■会 場:仙台国際センター 2階 「橘」
■主 催:一般社団法人 医療情報安全管理監査人協会
■会 費:2000円(iMISCA会員)、3000円(医療情報学会会員/その他)
■演 者:生駒 真有美(国立病院機構愛媛病院)、伊藤 勝陽(NPO法人天か
ける)、伊藤龍史((株) エスイーシー)、佐野弘子(iMISCA)、中安 一幸(厚
生労働省)、三原一郎(山形県鶴岡地区医師会)、森田嘉昭(富士通(株))

医療情報技師ポイント:1ポイント

●概要

地域医療介護連携・地域包括ケア環境構築の中でシステムの果たす役割は非常に
大きいものがあります。そして、システムの持つ利便性の向上と共に、安全管理
を含む運用システムの構築は、誰もが望むものでもあります。

 特に、利便性と安全管理のバランスは、技術力の変化に伴い常に見直されなけ
ればなりません。しかし、システムの創成期は、普及のためにシステム導入によ
るメリットである利便性を強調せざる得ないのも事実です。

 その後の創成期を経た普及期において、利便性に安全管理が付加されることに
より、初めて地域社会インフラとしての定着が図られると考えます。

 本チュートリアルにおいては、先駆的に地域包括ケアにICTを導入されている
事例から、既に普及期に入った多職種協働を前提とする地域包括ケア環境の中で
求められる安全管理を模索します。

以上
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