鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

庄内地域保健医療協議会 在宅医療専門部会

2017-09-22 15:50:38 | 日記
山形県では、4医療圏毎に地域保健医療協議会があり、その下に在宅医療専門部会が設置されている。
庄内地区の在宅医療部会は、市町村、医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、栄養士会、介護支援専門員協会、病院、訪問看護ステーション、老人福祉施設協議会、認知症高齢者グループホーム連絡協議会、各市町村の地域包括支援センター、庄内保健所長から構成され、地域の在宅医療の充実へ向けた検討の場である。

今回は、次年度から始まる第7次山形県保健医療計画の在宅部門についての計画案が県から報告され、委員との間で意見交換を行った。


庄内地域保健医療協議会 在宅医療専門部会
日時:平成29年9月21日 18:30~20:30
場所:庄内総合支庁 講堂


1、開会

 新委員紹介

2、あいさつ

 山形県保健医療計画 次年度、新たな計画が始まる 
 改訂サイクルは6年となる(従来は5年)
 保健医療計画について、ご意見をお願いしたい。 

3、報告

 平成28年度山形県地域在宅医療推進事業の成果
 在宅医療拡充にかかわるこれまでの取組とその成果について報告
  ・鶴岡地区医師会 ほたる
  ・鶴岡薬剤師会
  ・南庄内職と栄養を考える
  ・歯科医師会
  ・鶴岡協立リハビリテーション病院
  ・がん患者の口腔機能管理も酷的とした医科歯科連携
  ・庄内地域医療連携の会(東北公益文科大学に引き継ぐ)


4、議事

第7次山形県保健医療計画について
 医療法に基づく医療計画 7項目
  ①5疾病5事業 ~ ⑦基準病床数
 見直しのポイント
  1)政策循環の仕組みの強化
  2)介護保険事業との整合性の確保

在宅医療提供体制の4機能
 1)在宅療養への円滑な移行(退院支援)
 2)日常の療養生活の支援
 3)急変時の対応
 4)看取りの普及

庄内地区在宅医療の現状 (カッコ内全県平均~総数)

 在宅療養支援診療所施設基準届け出    14.5%(9.6%)
 在宅療養支援病院            12.5% (13.2%)
 地域包括ケア病棟・病床         18.8% (26.5%)
 訪問看護ST事業所数(人口10万あたり) 2.1 (2.2)
 訪問看護実施件数(人口10万あたり)   37.3 (37.9)         
 在宅死亡者(老人ホーム含)の割合     20.5% (自宅死:11.7%)
 ALS、在宅で人工呼吸器使用患者     9
 定期巡回・随時対応型訪問看護事業所    3(7)
 有料老人ホーム             909(4386)20.7%
 サービス付き高齢者住宅         449(1374) 32.7%
 認知症高齢者              12532(43802) 28/6%

 在宅医療の推進重点項目
  介護との連携
  多職種による口腔ケアと食支援
   
Q、
 在宅医療および介護施設の定義は、
  介護施設とは老健、特養、療養病床(介護医療院)、それ以外は在宅医療

 訪問看護師ステーション、数が少ないというが、
 開設は市場原理に委ねられている。増やすための政策は?
  訪問看護師の育成事業を実施している、

 庄内統一の退院支援ルールには、WGの立ち上げ必要ではないか
 
 看取り場所の目標値はあるのか
  患者・家族が希望する場所で看取れる体制づくりであり、
  明確な数値目標はない

 在宅医療ニーズは、何年ころピークを迎えるのか
  2040年頃と言われている 少なくとも2025年より先である

5、その他

 次回は11月上旬に予定

6、閉会

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日本褥瘡学会

2017-09-22 09:33:36 | 日記


9月14日、盛岡市で行われた日本褥瘡学会のシンポジウムで、ほたるの活動とNet4Uについて報告してきました。

シンポジウムのテーマが、「在宅医療介護連携拠点が行う人材育成 ~市民に拡げる教育を考える~」とのことで、依頼を受けた時に、「褥瘡学会」、「拠点事業」、「人材育成」というキーワードで、一体何を話せが良いのか迷いました。皮膚科医でもありますので、地域における褥瘡連携みたいな話ができれが良いのですが、褥瘡患者をみることはそれ程多くはなく、まして他職種と連携することも少ないのでそこは諦めました。そこで、ほたるの特徴的な活動のひとつであるNet4Uは、医療介護連携に活用されているわけですので、Net4Uの利用がとくに介護職の人材育成にも役立っているという内容で、なんとか責任を果たしてきました。

シンポジウムの発表は、病院の退院支援、介護施設での人材育成、たん吸引の研修を通した人材育成、看取りに関わる人材育成という内容で、褥瘡とは関係ない話がほとんどでしたが、介護職のレベルアップ(人材育成)が在宅医療における課題となっていることがシンポジスト間での共通認識だったと思います。

また、追加発言として、皮膚・排泄認定看護師が訪問看護師(WOC)と同行訪問することに診療報酬がついて5年経過するが、実際には在宅にあまり行けていない現状があるが、少しずつだが在宅で活躍する場が増えている、との報告がありました。WOCの同行訪問について、私は知りませんでしたが当地区ではどうなっているのか気になりました。

シンポジウム4
在宅医療介護連携拠点が行う人材育成 ~市民に拡げる教育を考える~

・イントロダクション
 医療法人葵会在宅医療連携拠点事業チームもりおか 板垣 園子
 
・急性期病院における退院支援の課題
 盛岡赤十字病院総合患者支援センター地域連携担当 看護師 小田切 宏恵

・入居系施設での介護職員教育の現状
 愛ケアセンター 直島 昌代

・宮城県で行う在宅医療介護連携 たん吸引研修を中心とした人材育成
 仙台往診クリニック 遠藤 美紀

・山形県鶴岡地区における在宅医療介護連携 
  地域電子カルテNet4Uの活用と人材育成
 一般社団法人鶴岡地区医師会理事 三原皮膚科 三原一郎

・札幌市豊平区西岡・福住地区で行う看取りにかかわる人材育成と話題提供
 新岡病院 医療福祉課 岡村 紀宏

前日の夕方に盛岡入りしたのですが、学会当日の午前中は青森県立美術館に立ち寄り、『暮しの手帖』の創刊者である花森安治の展示を鑑賞してきました。多彩な才能の持ち主だったんですね。
学会終了後は、ぴょんぴょん舎で焼き肉と盛岡冷麵を食べ、無事帰って参りました。
 



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地域連携パス推進協議会講演会

2017-09-20 17:07:28 | 日記



庄内南部地域連携パス推進協議会講演会

本年度の講演会は、以前より連携パスの研修会などでお世話になっている北里大学の下村さんをお呼びしました。

これからの地域医療の課題と方向性、あらたに導入された退院支援加算1、と次期に予想される診療報酬の改定、クリニカルパスの定義と基本的な知識、地域連携パスの役割とその必要性など、広範にわたる内容で、大変興味深く勉強させて頂きました。

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演題:地域医療の処方箋と地域連携パスの役割

演者:下村裕見子
   北里大学大学院医療系研究科臨床医科学群精神学

日時:2017年9月12日 18:30-20:00
場所:荘内病院講堂
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良いリーダとは
 状況判断、目的の共有、評価、分析できる人材。

人口構造の急速な変化
 急速な人口構造の変化(例をみない高齢化のスピード)
 地域差があるのに、制度は一律
 高齢者が働き続ける社会
 地域の経済活性化も同時にやらないと医療は良くならない

高齢者医療の特徴
 おなじ病気でも、若い人と高齢者では異なる
 75歳以上は術後合併症が多い
 ケアサイクル(長谷川):後期高齢者は医療と介護のケアサイクルを循環する
 医療を受ける場所の変化:時々入院、ほぼ在宅
 その対応としての、地域包括ケアシステム
 高齢者にとって必要なのは、「きょうよう(用事)」と「きょういく(行くところ)」

超高齢社会で病院がやるべきこと
 需要の予測
 地域の中での病院の位置づけ(役割)

退院支援、退院調整
 早期からの退院支援は有効 →退院支援加算1が新設された
 退院支援加算1を取得しないと、150点の減額
 退院支援加算1を取得しないと 地域連携パス加算を取得できない
 次の改定で、退院支援加算は外来から退院を見据えた支援を行う入退院支援加算へ
  
退院支援加算と地域連携パス
 退院調整加算から退院支援加算へ
 退院支援加算1の要件
  退院困難患者の早期抽出、入院早期の患者・家族との面談、多職種カンファレンスの実施、
  退院調整部門の設置、病棟への退院支援職員配置、医療機関間の顔も見える連携の構築
  介護保険サービスとの連携
 地域連携パス
  疾病による対象患者の規定がなくなった
  地域連携パス活動が地域医療質改善ツールとして評価された
  計画病院が退院支援1,3の要件を満たさないと加算対象にならない

 平成30年度改訂
  25:1の廃止、
  DPC調整係数は廃止 
  介護療養病床 廃止→ 介護医療院 創設 

地域連携クリニカルパス
 地域連携パスとは?
  多職種協働で多用な医療資源の活用を適切に行うために用いられる
  患者は医療者とともに目標を共有する
  結果として、自分が受ける治療ケアの計画を事前に理解し、シェアード・ディシジョン・メイキングの実践ツールとして活用される
  また体調等の変動・逸脱を伝達するツールとして活用され、医療者にアドバイスをもらうきっかけとすることができる

 成功事例:青森市の大腿骨頚部骨折地域連携パス、鶴岡:脳卒中地域連携パス 

パスが解決してくれる(かも)
 ただし、パスを正しく理解していることが必要
 パスの定義
  患者状態と診療行為の目標、および評価、
  記録を含む標準診療計画であり、標準から
  の偏位(バリアンス)を分析することで医療
  の質を改善する手法
 アウトカム
  治療によって達成される患者の目標・成果
  患者を主語にする
 バリアンス
  アウトカム・タスクが達成されないこと
  目標通りにいかない部分(正常な経過からのずれ、異常、予期せぬこと)
 パスはマネジメントツール
  日々の「アウトカム評価」「バリアンス」は異常の早期発見!
 クリニカルインディケータ
  治療経過に重大な影響を与えるアウトカム

 パスは手段であって、目的ではない
 パス作成・運用することで医療の見直しを
 よいプロセスはよい結果を生む

  


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みどりまち文庫活動報告会

2017-09-19 16:47:06 | 日記
みどりまち文庫活動報告会

連携コワーキングスペースみどりまち文庫
第1回会員活動報告会 in こまぎの里


1、社会連携のめざすもの
  鎌田 剛 東北公益文科大学准教授

  顔の見える関係がすすんだら、何が起こる
   知識の配達 価値の評価 モチベーションの再生産
   顔の見える関係 → 一目置く関係
  年齢構造からみつ東京と地方
   若い人 東京6:4 鶴岡4:6
  医療介護だけでは地域を守ることはできない → 「地域連携」の必要性
  倉敷中央病院 わが街健康プロジェクト
  医療 X 新聞社 の意識啓発 新聞社を巻き込んだ活動
  連携コワーキングスペース「みどりまち文庫」
  医療・介護 と 異業種
  共通点 立場が同じ、距離が近い、対等に近い関係 対等性、近接性
  社会連携がみざすもの
   対等で近いものにしていく
   分野・業種を超えた地域の維持・発展の仕組み 

  
2、なぜ妄想が、夢に変わり、さらに実現できたのか?
  ~健康ごはんの軌跡と今後~  
  栗原智広 日本調剤若葉薬局所属

  薬局食堂 という妄想
  薬局での指導(非日常) → 食堂(レシピ・実食) →日常
  超高齢社会Bizで報告、 仲間
  FBで、誘い → 健康ごはん活動 開始
  ・異職種のプロが集まった社会連携のつよさ
  ・社会連携の怖さ
  ・不安 リーダーシップを発揮できていない
  フォローを受ける力 > 引っ張っていく力
  これから
   レシピ集、
   非日常→日常
   これから、調理実習
  大人にとっての1日と子供にとっての1日は同じなのに、子供は成長、
  つまづくことを恐れず歩く


3、みどりまち文庫発・食支援「チームつるおか」
  小川豊美 ㈱とよみ 代表取締役社長

  栄養ケア・ステーション
   健康教室、介護教室、商品開発
   栄養指導(訪問 外来 入院)
 
  栄養士を知ってもらう
  在宅栄養士の仲間を増やす
  みどりまちに集う面々
  栄養士の食+多(異)職種コラボ

  訪問栄養指導
   退院後のお手伝い
   経管栄養、口で食べられないか?
  
  参加型セミナー
   多職種がディスカッションする場
    歯科医、薬剤師、看護師、リハ職・・
  動画が有効 ITの活用の模索・商品開発など

  「口から食べる」にこだわる理由
    生きるためのお手伝い
    最期まで美味しく食べることへのお手伝い
    人生の最期の幕閉じに会わせて頂いた感謝と責任


4、社会にとっての「筋肉の可能性」(つながりは共通点から生まれる)
  伊藤 祐輔 POWER GATE 代表

  健康元気塾
   小川さんとのコラボによる健康教室
  
  JJ(ジョサネ女子)
   更年期障害 筋肉を強化することで軽減できる
   ジョサネ棒を利用した運動教室 年300回以上
    シェープアップ
   運動 と 会話 と 誤褒美 (笑)
   習慣化
   スタイルはライフスタイルでつくられる。
   鶴岡スタイル
    学べる、
   筋肉が必要
   イベントではだめ、
   筋肉は、衰えることはあっても老化しない。
   筋肉は、元気づくりの根源
   鶴岡を健康王国としたい
   ボーディービル という総合健康施設を建てたい


5、大人の部活動という異業種交流
  伊藤和佳 紅茶部部長
  
  部活動!
  鶴岡で紅茶を飲む場所がない がきっかけ
  SNSや声かけで8名でスタート
  手作り菓子でお茶会、勉強会を開催、
  やりたいことを聞きながら、好きなことをやる
  スコーンを焼く
  紅茶のみ比べ
  復習しつつ紅茶を楽しむ
  やりたい人がやる (サーブは男性)
  みんなでお好み焼き
  紅茶に限らず、いろんな人が交流できる場にしたい
  おしい

  
6、母親を看取って学んだ認知症を理解する市民参加型「ペンギンカフェ」へ
  鷲田良平 公益社団法人 認知症の人と家族の会 山形県支部世話人
 
  3年前、認知症の母親を看取る
  認知症を隠していた。
  耐えることしかないと、思っていた。
  それが、認知症介護だと思っていた。
  様々なサービスがあると聞いたが、何のことを言っているのかわからなかった。
  反省を生かして、市民参加型を立ち上げたいと思った。
  行政主体の認知症カフェは、参加者が限られる。
  自由参加型、市民発信型のカフェを考えた
  みどりまち文庫、バイタルネットに助けられた。
  医療機関、薬局、SNSなどへのPRし,ペンギンカフェ(ケアカフェ)を立ち上げる。 
  市民発信型はない、
  わっしーのあちゃくせ話し
  ワンストップ型のカフェを目指したい。
  バイタルネットを後援、参加費は200円、


7、うたって元気~心と体とアタマのために
  田中 宏 Office FON代表 鶴岡市議、合唱団指揮者

  ウタの効用
   アタマ:認知症予防?歌詞の音読→学習療法、
   カラダ:呼吸、嚥下の改善? 呼吸の改善、口、のど、舌の筋力向上、
   ココロ:うつ症状の改善? EQ情動機能に良い刺激 感動→問題行動が減る 

  鶴岡市:7400人
  
  認知症予防・改善:有酸素運動と知的活動が有効
  
  うたって元気!!
  みんなで歌う
  赤とんぼの合唱 一体感、

  実践例
   日本のうたをうたう会
   独居高齢者の交流会食 食べる前に歌う
   朝日:かたくり温泉ぼんぼ 
   「うたう旅」 鶴岡を紹介する旅行と歌をセットで
  
  デイサービスなどに広げていきたい

8、レクリエーション介護士が介護現場に笑顔を広げる
  江藤 幸子 日本アクティブコミュニティ協会

  レクレーション介護士とは
  介護レクレーションの実践を通じて、高齢者の喜び、楽しみを導くこと、支援する
  
  レク介護士を多く輩出することで、高齢者を地域で支える仕組みづくりを目指す
  介護する人も、笑顔で楽しい毎日を送ってもらいたい

  レク介護士の数だけ笑顔がある

  
9、医療 X ○○ はどのようにうみだされたか
  瀬尾利加子 みどりまち文庫担当

  医療・介護 と 市民
  超高齢者社会Biz Med

 ・産直と医療
   想いを言葉に出す →本気の共感者と繋がる →具体化 →実施 →継続 

  ・歌と医療
   医療の知識、

  ・温泉(湯治)と医療





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クリニカルパス教育セミナー

2017-09-19 16:25:54 | 日記




日本クリニカルパス学会主催のパス教育セミナーが山形県で初めて行われました。
日本海の菅原先生と妻が座長とのことで、パスの素人ですが中途から参加してきました。
病院でのパスはかなり普及し、意識の高い病院では当たり前のツールになってきていることを再認識しました。
一方で、地域連携パスの普及はまだまだという現状であり、地域での疾病管理を目指した活動を今後どう展開していくのか、課題山積というのが現状と思いました。


クリニカルパス教育セミナー

クリニカルパスを役立てよう!広めよう!
~実践ノウハウ~ 2017

1、今 なぜ アウトカム志向のパス?
  資格認定委員の立場から・・
  高陵病院 久保田 聰美 先生

2、パスデータの後利用
  千葉大学医学部附属病院 小林美亜 先生

3、院内パス活動の進め方
  パス活動は人を育て、人がパスを進化させる
  トヨタ記念病院 岡本 泰岳 先生

 
4、地域包括ケアシステムと地域連携そして地域連携パス
  済生会山形済生病院 石井政次 先生



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